「老前整理を始めたいが進め方がわからない」「老前整理で出た不用品はどうすればよいのか?」とお悩みではありませんか?
「終活」という言葉を耳にすることが増えた今、老前整理について考えるようになった人も多いのではないでしょうか。しかし、具体的にどのようなことをすればよいのか、どうやって進めていけばよいのか、よくわからないはずです。
そこでこの記事では、老前整理の意味やメリット・進め方について詳しくご紹介します。
この記事はこんな方におすすめ
- 「終活」に興味があるけれど、老前整理についてよく知らない方
- 不用品やモノの整理に悩んでいる高齢者やその家族の方
- 老後の生活に向けて、身の回りの整理を考えている方
この記事を読むことで、老前整理をおこなう必要性や、不用品の処分を依頼する業者の選び方などがわかるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.老前整理とは?
まずは、老前整理の意味や生前整理との違いについて解説します。
1-1.老いに備えておこなう整理のこと
老前整理とは、自分の老後に備えて身の回りを整理することをいいます。長年生きているとたくさんのものが溜まり、自分でも持ちものを把握できていない状態になることもあるでしょう。人は老いとともに体力や判断力が低下していき、身の回りを片付けようと思っても簡単にはできなくなってしまいます。老前整理は、できるだけ若く体力や判断力があるうちに身の回りを片付けることで、老後の生活をより安全で快適なものにすることが目的です。そのため、20代や30代で老前整理に取り掛かる人も少なくありません。
1-2.生前整理とはどう違うのか?
老前整理に似た言葉に「生前整理」があります。生前整理は残された家族が遺品整理で苦労しないようにおこなう整理のことで、老前整理とは目的が異なるものです。つまり、家族のためにおこなうのが生前整理、自分自身のためにおこなうのが老前整理ということになります。
2.老前整理のメリット3つ
老前整理をおこなうことにはどのようなメリットがあるのかをご紹介しましょう。
2-1.本当に必要なものに囲まれて生活できるようになる
老前整理で不要なものを手放した後は、本当に必要なものだけに囲まれて生活できるようになります。長く生きているといつの間にか不要なものも溜め込んでしまっている可能性があるため、身の回りをすっきりさせれば身軽になれるのではないでしょうか。何がどこにしまってあるのかわからなくなり、ものを探すこともなくなるはずです。
2-2.老いに対する不安を軽減できる
老いが近づいてくると体力も衰えてくるため、漠然とした不安に襲われることが増えてきます。早いうちに老前整理をしておけば身の回りのものを減らして持ちものを把握できるようになり、そういった不安の軽減につながるはずです。安心して老後の生活を迎えることができるのは、大きなメリットではないでしょうか。
2-3.家の中の安全性を高めることができる
家の中にたくさんのものがあると、つまずいて転倒したり上からものが落ちてきたりしてケガをする可能性が高くなります。高いところに収納してあるものを取ろうとして転落してしまう恐れもあるでしょう。老前整理には、体が思うように動けなくなってからの安全性を確保するための重要な役割もあるのです。
3.老前整理を成功させるポイントは?
老前整理を成功させるうえでチェックしておきたいポイントをご紹介します。
3-1.少しずつ進めていく
老前整理は短期間でできるものではないため、少しずつゆっくりと取り掛かるのがおすすめです。一気に進めようとすると作業が大変すぎてモチベーションが保てなくなってしまいます。「1日に一部屋ずつ」というように、範囲を決めて取り掛かっていくと効率的です。
3-2.捨てるか迷ったら保留にする
ものを減らすにあたって捨てるか残すかで迷ったときは、ひとまず保留にしておきましょう。よく考えずに処分してしまって後悔するのは避けなければなりません。1か月ほどたってから再び考えてみると冷静に判断できるはずです。
3-3.ものに対する考え方を変えていく
「ものがたくさんあると豊かな生活を送ることができる」「ものを捨てるのはもったいないこと」という考え方を変えていきましょう。自分にとって不要なものが多いと不便で危険な生活になる可能性があります。「老後の生活には本当に必要なものだけがあればよい」と考えるべきです。
4.老前整理でやってはいけないこと
老前整理を進めるうえで、やってはいけないことをまとめました。
4-1.家族のものを勝手に処分しない
老前整理で片付けるのは、あくまでも自分自身のものだけです。家族のものを勝手に「不要」と判断して処分するとトラブルの原因になるので注意してください。周りの人からは不要に見えるものでも、本人にとっては大切なものである可能性もあります。
4-2.一人で進めようとしない
老前整理では大量のものを仕分けしたり処分したりするため、一人で進めようとすると途中で挫折してしまう可能性があります。家族や親せきなどに手伝ってもらえるようお願いしてみましょう。一人だと判断しにくいことも相談しながら進めていくことができるので効率よく作業ができるはずです。
4-3.死を意識しない
老前整理は老後のためにおこなうものなので、死を意識する必要はありません。高齢になってから身の回りを整理すると死が近づいているような気持ちになってしまいがちです。そうなると考え方もネガティブになってしまうので注意しましょう。
5.老前整理の進め方を紹介
老前整理の具体的な進め方について、手順ごとにご紹介しましょう。
5-1.「いるもの」と「いらないもの」に仕分けする
まずは、家の中にあるすべてのものを「いるもの」と「いらないもの」に仕分けしていきましょう。クローゼットや押し入れ・引き出しの中のものもいったん出してから仕分けしていきます。持っていることも忘れていたものや1年以上使っていないものは処分することを検討したほうがよいでしょう。
5-2.「いらないもの」を処分する
次に、「いらないもの」の処分方法を決めていきます。不用品の種類や大きさ・状態によって適した処分方法があるため、慎重に考えていきましょう。具体的な処分方法については、次項で詳しくご紹介します。
5-3.「いるもの」を使いやすいように収納していく
「いらないもの」を処分したら、「いるもの」を収納していきます。このとき、どこに何があるのかが一目でわかるように工夫するのがおすすめです。すべてのものに定位置を決め、使い終わったらその場所に戻すよう習慣付けましょう。
6.老前整理で出た不用品の処分方法
老前整理では大量の不用品が出る可能性があるため、どうやって処分すればよいのか考えておきましょう。
6-1.自治体のゴミ回収を利用する
自治体のゴミ回収を利用する場合は、自治体ごとのゴミの分類方法や出し方のルールを確認しておきましょう。粗大ゴミとして出す場合は事前の申し込みや粗大ゴミ処理券の購入が必要になることがほとんどです。申し込み先や回収までの手順を事前に調べておくとよいでしょう。
6-2.業者に依頼する
不用品回収や部屋の片付けをおこなっている業者に依頼する方法もあります。ものが多い・大型の不用品がある・一人で作業するのが難しいというときに利用を検討してみるのがおすすめです。費用はかかりますが、短時間で作業を終えられるというメリットがあります。
6-3.買取に出す
「状態がよいので捨てるのはもったいない」というものは、買取に出して処分しましょう。買取に対応している不用品回収業者も多いのでチェックしてみるのがおすすめです。お金に換えられると思えば手放すことの抵抗も少なくなり、作業がスムーズに進みます。
7.老前整理に関するよくある質問
「老前整理について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.どのようなタイミングで老前整理をおこなう人が多いのでしょうか?
A.定年退職や子どもの独立をタイミングに取り掛かる人が多いといわれています。また、自分自身や身近な人が病気になったことがきっかけになるケースも少なくありません。
Q.若いうちに老前整理をおこなうメリットは何ですか?
A.体力や判断力があるうちに身の回りを整理できることや、持ちものを把握して金銭面の見直しができることなどがメリットになります。
Q.老前整理をおこなう際にはエンディングノートを作成したほうがよいですか?
A.元気なうちに記録しておきたいことや家族に伝えたいことがある場合は作成したほうがよいでしょう。
Q.老前整理で出た不用品を高く買取してもらうコツを教えてください。
A.きれいに掃除をし、付属品をそろえた状態で買取に出しましょう。できるだけ早く買取に出すことや買取先を比較して選ぶことも重要です。
Q.不用品回収業者を選ぶ際のポイントは何でしょうか?
A.豊富な実績があるか・料金体系が明確か・無料見積もりを受け付けているか・所在地を明らかにしているかなどをチェックしてください。
まとめ
老前整理は時間と労力が必要な作業であり、身体的な負担や精神的なストレスを引き起こすこともあります。そのため、業者に依頼することがおすすめです。業者に依頼する場合、まずは複数の業者を比較し、信頼できる業者を選びましょう。
業者選びの際には、実績や口コミなどを確認し、費用や作業内容などもしっかりと確認しておくことが大切です。老前整理を行う場合、自分で行うことも可能ですが、業者に依頼することで効率的に作業を進めることができ、身体的・精神的な負担を軽減することができます。
以上のように、老前整理を進める方法や業者に依頼する場合の注意点などを理解し、安心して整理作業を進めることが重要です。