部屋を片付けるのが苦手な方は、物を多く持ちすぎている傾向があります。逆に、いつでもスッキリときれいに片付いている部屋には物自体が少ないために片付けもしやすく、美しい状態を保ちやすいのです。 部屋が散らかっている場合は物が多すぎる可能性が高いと考えましょう。ここでは、物が多い部屋の片付け方のコツをお伝えします。3つのポイントを意識していくだけで、効率的に部屋を美しく保てるようになるでしょう。

ものが多い部屋を作ってしまう原因とは?

特別なコレクションを目的としている場合を除き、気づけば増えていた――という方がほとんどでしょう。どうしていつの間にか物は増えていってしまうのでしょうか?

いつか使うかも

「いつか読もうと思っている本」「セールで買ったけど一度も来ていない洋服」「何年も着られることのないサイズが合わないスカート」「いつかプレミアムがついて高く売れるのではないかと捨てられないグッズ」 あなたの部屋にもこのように「いつか……」と思って大切にとってある物はありませんか? しかし残念ながら、その「いつか」は来ることがない場合がほとんどです。自分自身も頭の片隅ではそのことを理解しているのではないでしょうか。

とりあえず取っておく

紙袋やスーパーのビニール袋、段ボール、ポケットティッシュなどが必要以上に溜まっていませんか? 「何かのときのために」と大切にしまっておきがちですが、そんなにたくさんの数が必要となることが果たしてあるのか一度考えてみてください。必要最低限の数だけあれば十分です。

買いすぎてしまう

ショッピングがストレス解消の手段となっている方は要注意です。「買う」という行為自体に快感を覚えているために、実際に使われることのない物がどんどん増えていきます。また、セールで安くなっていると、とりあえず買っておくという習慣も見直しましょう。安く手に入れることができて得した気になっているかもしれませんが、実際に使うことがなければ結局は損をしていることを忘れずに。

片付けポイント1:まずは物を減らす作業から取り組む

たくさんの物があふれた部屋を見渡すだけで、片付ける気が失せてしまうことでしょう。どこから手をつけたらよいのか、あるいは何から捨てたらよいのか分からないという方はとりあえず一つひとつ分別していきましょう。 まずは、片付けたいスペースに置いてある物を全部出してみてください。それから、次の3つに分類していきます。

不要な物

明らかに使わないと思われる物があるはずです。まずは、処分する物を選んでいきましょう。最初にこの作業を行うことでスムーズに片付けを始めるきっかけにもなります。また、「物を減らす」ことへの抵抗感も薄れていくため、この後の分別もしやすくなります。可能であれば、「ゴミとして捨てるもの」「誰かに譲るもの」「売るもの」など処分方法ごとに分けてしまってもよいでしょう。

処分するか迷う物

使うことはなさそうだけど処分はしたくない、など判断を迷う物は一度保留にすることがポイントです。無理に決めようとすると片付け作業がストップしてしまいます。このような物がでてきたら、段ボール箱にまとめて入れておきましょう。そして、そのまま1年間保管してみてください。その物がなくても1年間全く問題がなかったのであれば、それは「不要な物」と考えてよいでしょう。特に、洋服に関してはこのやり方が有効です。四季をとおして一度も着る機会のなかった洋服は今後も同様である、と考えて処分することをおすすめします。

捨てられない思い出の物

子供が描いた絵や工作などの作品は意外と場所をとるのですが、捨てることもできずに対処に困っている方も多いことでしょう。このような物は写真を撮ってデータ化してしまうという方法があります。一定の期間は部屋に飾ってあげて、その後はデータとして一生保管しておくとよいでしょう。同じように手紙や絵本、旅行の思い出の品などにも使えます。

片付けポイント2:適切な収納スペースを確保する

物を減らすことができたら、次はその物を収納する場所を考えます。ある程度の物があったとしても次のような収納のコツさえ押さえておけば、ごちゃごちゃと散らかるようなことは防げるでしょう。

必要な物を全て収納できるスペースがあるか

物の分別が完了したら、その物を全て収納できる場所がなければなりません。収納するスペースが足りないようであれば、収納家具を買い足すことも必要です。決して、床やテーブルの上に放置することのないようにしましょう。このように「とりあえず」置いた物が一つでもあると、あっという間に床やテーブルが物で埋め尽くされていきます。

出し入れしやすい収納を心がける

私たちは少しでも手間がかかる行動を避ける傾向にあります。簡単に物を出したりしまったりできる状態にしておかないと、「いずれ使うことになるから」「後で片付ければいいや」などと外に出しっぱなしにしてしまいます。これでは、せっかくの収納も無意味となり、部屋は散らかるいっぽうです。 頻繁に使う物はいつでも取り出せるようにしておきましょう。奥にしまい込むのは滅多に使わない物とします。文房具など細かい物も浅めの引き出しに大雑把に仕分けて入れておくとよいでしょう。引き出しの中も細かく区分けしてキッチリとしてしまうと面倒と感じて逆効果となる場合もあります。また、見やすさも大切です。中に何が入っているか外から分かるようにしておくとよいでしょう。

物の定位置をきちんと決めておく

収納する場所を決めるときには、物の場所を定めておくことが重要です。その物が必要とされるシチュエーションや用途別にグループ分けをして収納することをおすすめします。どこに何があるのか分かりやすいだけでなく、片付ける動作も少なく済みます。 特に家族みんなが使う物は、誰でも見つけることができて簡単に片付けられるように工夫をしておきましょう。家族の人数が増えるほど物が紛失しやすく、その度に同じ物を買ってくることはありませんか? はさみや耳かきがあちこちに置かれているような家は徹底して物の定位置を決めておくとよいでしょう。

片付けポイント3:物を買うときのルールをつくる

苦労して物を減らし収納場所も確保した後は、物を増やさないような努力をすることも大切です。物が多い人は当然ながら、人一倍購入する機会が多いということです。買う前に次の点を意識するだけでもその機会を減らすことができるでしょう。

本当に必要かじっくりと考える

衝動的に購入した物ほど実際に使うことがないと思いませんか? お店には魅力的な品物がたくさん並んでいますが、その雰囲気に流されてはいけません。自分の生活に本当に必要な物であるか、可能な限り時間をかけて考えてみましょう。一度家に帰って数日我慢してみるのも有効です。本当に必要であれば、また足を運んででも買いに出かけられるでしょう。

使っている自分がイメージできるか

同様に、その物をどのように使うかを想像してみましょう。「一度は使うかもしれないけど、その後はどうだろう」「使い方が意外と面倒そうだ」「これを使う時間的な余裕はあるだろうか」など具体的にイメージするのがコツです。また、置き場所も確保してから実際に購入するとよいでしょう。

新しい物を購入したら入れ替わりに何かを処分する

確保した収納スペースは基本的に増やさないと決めておきます。そのスペースに収納できる量のみ所持することができるという考えです。入りきらない場合は、新しい物を入れる代わりに何かを処分するようにしましょう。処分できる物がなければ、新しい物を買うのは断念するなどじっくり検討するきっかけにもなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 物が多くて片付けられない場合には、次の3つのポイントを意識しながらとりあえず手をつけることが大切です。

  1. まずは物を減らす作業から取り組む
  2. 適切な収納スペースを確保する
  3. 物を買うときのルールをつくる

部屋の一画だけでも構わないので実際に手を動かしてみてください。スッキリと片付く快感を味わえば、部屋を片付けるモチベーションもどんどんあがっていくことでしょう。