熱心に掃除をする方は、夢中になるあまり、無理な姿勢を続けてしまうことがあります。特に、腰をかがめて掃除をし、腰痛を引き起こしてしまうでしょう。重たい掃除機を取り出すだけでも一苦労という方もいます。 掃除は、気づかないうちに腰を曲げながらひねる動作を繰り返す、腰への負担が大きいもの。高齢者の方は特に注意が必要で、腰痛を慢性化してしまう可能性もあります。しっかり腰痛対策を整え、ポイントを押さえた掃除方法を覚えておきましょう。

  1. 掃除中に腰痛になる原因
  2. 腰痛が悪化しない掃除方法
  3. 腰痛予防を意識した対策

1.掃除中に腰痛になる原因

きれいにしようと気合いを入れたら、つい夢中になってしまうのが掃除です。おかしな体勢になっていませんか?無理な姿勢を続けていることもあるでしょう。掃除中は、気づかないうちに腰に負担がかかっていることが多いのです。徐々に痛みやだるさを感じるようになります。掃除を終えた途端、襲いかかる疲労と腰痛は辛(つら)いですよね。痛みが長引く方もいれば、ぎっくり腰になってしまうケースもあるほど。掃除中に腰痛になるのは、どのようなことがきっかけなのでしょうか?

1-1.中腰

掃除中に多い姿勢は、中腰です。掃除機をかけていると、自然と前傾姿勢になり、床面に近づこうと中腰になりがち。雑巾かけをするときにも、足を折り曲げて膝(ひざ)をつけずに、中腰のまま拭こうとしてしまうでしょう。中腰は、腰痛の原因になります。しかし、腰だけではなく、太ももやふくらはぎなど足への負担も大きい姿勢です。風呂掃除では、滑りやすい床面に踏ん張って、湯船の底面を洗うとき、深く腰をかがめる姿勢を取る方がいます。力を入れて洗うことで、下半身が不安定な状態になり、危険です。

1-2.掃除機が身長に合っていない

掃除機をかけるとき、ノズルの長さを身長に合わせて使っていますか?ノズルが短すぎると腰を曲げてかがんだ姿勢に、長すぎても無理な体勢になってしまうはずです。きちんと調整し、身長に合わせることで、腰への負担が軽減されます。まっすぐな姿勢でかけられる掃除機を選ぶことも、腰痛を回避する方法です。

1-3.勢いをつけて動く

掃除に夢中になっていると、勢いをつけて動いてしまうことがあります。高い場所や雑巾かけをするときに、ひねるように動くと、腰を痛める原因にも。きれいにすることばかりに集中し、動きが速くなってしまう方も多いのではないでしょうか? 掃除をするときは、ゆっくりした動作を意識してみてください。腰への負担をなるべく減らすことができます。

中腰も腰痛の原因となるんですね。
はい。また、掃除用具が身長に対して小さすぎても腰痛になりやすくなります。

2.腰痛が悪化しない掃除方法

掃除は、日常生活に必要なこと。特に主婦の方は、家族の健康を意識して、清潔な環境を維持しようと努力されているはずです。毎日欠かさず掃除するという方もいます。健康を守るために必要な掃除が、腰を痛める原因になってしまうのは、本末転倒なことですよね。体をいたわりながら、掃除をしていきましょう。腰痛が悪化しない掃除方法をご紹介します。

2-1.床掃除

しゃがみこむ姿勢は、下半身全体への負荷が大きいもの。床掃除には、ノズルの長いモップやフローリングワイパーを活用してみましょう。まっすぐ体を伸ばしたまま使うのがポイントです。

家具やソファなどの低い場所を掃除するときは、片膝(ひざ)をつくようにして掃除しましょう。雑巾かけが必要な場合でも、上半身を丸めて腰をかがめず、片膝(ひざ)をついてしゃがむようにします。膝(ひざ)をつくだけで体重が分散され、腰への負担が軽減されるはずです。片膝(ひざ)だけで重心がふらつきやすい場合には、もう一方の手でバランスを取るように注意しましょう。

2-2.掃除機の長さ調整

前述のとおり、掃除機のノズルが短かったり、長かったりすることで、気づかないうちに腰に負担をかけていることがあります。自分の身長に合わせてノズルを調整し、自然に背中が伸びた姿勢になる長さを探してみましょう。

掃除する場所を変えるときに、掃除機本体を引っ張り上げて移動してしまうことがあるはずです。重たい掃除機本体を引っ張るとき、腰をひねる動作も加わります。ひねって引き上げる動作は、腰痛の原因です。

最近増えてきているコードレス掃除機は、上半身がしっかり伸びた姿勢になり、腰痛対策のアイテムとしても話題を集めています。腰痛対策を視野に入れた掃除機選びのポイントです。

2-3.風呂掃除は力要らず

家の中で、最もつらいと敬遠されているのは、風呂掃除。力が入って無理な体勢を続け、腰痛どころかぎっくり腰になってしまう方もいるほど。力が必要だと思われがちな風呂掃除ですが、泡タイプのスプレーを吹き付けて放置するタイプの洗剤を使うとぐっと楽になります。合わせて、ノズルのついたスポンジを活用するのもおすすめです。長さ調整もでき、壁面掃除にも使えます。電動タイプも販売されており、腰痛で悩む方の必要アイテムとなりそうです。

できるだけ直立した姿勢のまま掃除をすることが腰痛防止に役立つんですね。
はい。長時間腰をかがめることが、腰痛の発症に繋がります。

3.腰痛予防を意識した対策

腰痛で日常的に悩みを抱えている方は、無理な掃除をしないことが大切です。腰痛が悪化してしまうと、長引いて辛(つら)い痛みと付き合うことになるでしょう。腰は、体の中心。ほんの少しの動作でも痛みを感じることになります。腰痛予防を意識して、体をいたわる掃除対策を始めてみてはいかがでしょうか?

3-1.掃除専門業者へ依頼

日常的な掃除は、なるべく体に負担がかからない方法で楽に済ませておきましょう。腰に負担がかかることが予想されるキッチン・風呂・エアコンなどは、掃除専門業者に依頼してみませんか? ガンコな汚れや手が届きにくい場所まで、徹底的に掃除してくれるので家の中がすっきりときれいになります。掃除専門業者に依頼するのは、コストがかかるのでは?と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。安心して依頼できる料金プランを用意している掃除専門業者もあり、腰痛に悩む方の強い味方です。見積もりを依頼することもできますので、上手に活用してみてください。

3-2.日常生活の動作を見直そう

腰痛を起こすのは、日常生活の動作がきっかけです。自分がしている動きを見直してみてください。無意識にかがむ・ひねる・背中を丸めるなどの動作をしていませんか? 人間は、人生の3分の1を寝て過ごすといいます。寝ている時間にどのような姿勢をしているかも、腰痛対策では大切なポイント。寝返りの回数が少ない人は、朝目覚めたときに腰の違和感を抱くことが多いようです。

理想的な寝返りの回数は、就寝中に40回。寝返りで血流が促されるのです。寝る姿勢に違和感がある方は、寝具が体に合っているかどうかを見直してみましょう。目覚めたときに、腰にだるさを感じないかを確認してみてください。

プロのハウスクリーニング業者に依頼するのも1つの方法ですね。
はい。家事代行ならば週1~週2ペースで依頼することもできます。

まとめ

腰痛に悩む方の掃除対策についてご紹介しました。

  • 掃除中に腰痛になる原因
  • 腰痛が悪化しない掃除方法
  • 腰痛予防を意識した対策

掃除中に無理な姿勢を続け、ぎっくり腰になるケースもあります。痛みが長引きやすく、日常生活のわずかな動作に支障をきたす恐れもある腰痛。なるべく体に負荷がかからない体勢を意識した、楽な掃除方法を取り入れていきましょう。