関東地方の梅雨入りも発表され、雨の日が多くなってきました。「梅雨の季節は毎年カビに悩まされる」という方も多いでしょう。特に、カビが生えやすいのは浴室です。

そこで、今回は浴室のカビをきれいに掃除するコツやカビを防止する方法をご紹介します。ちょっとしたひと手間を加えるだけで、お風呂にカビが生えにくくなるのです。毎年お風呂のカビに悩まされているという方は、ぜひこの記事を読んで対策法のヒントをつかんでください。

  1. 浴室にはなぜカビが生えやすい?
  2. 浴室に生えるカビの種類は?
  3. カビを予防する方法は?
  4. 浴室のカビを掃除する方法は?

1.浴室にはなぜカビが生えやすい?

この項では、浴室にカビが生えやすい理由をご説明します。理由を知れば、対策も立てられるでしょう。

1-1.適度な湿気

浴室は家の中で一番水を使う場所です。ですから、梅雨の時期以外にも湿度が高い浴室が多いでしょう。また、浴室に窓のない家も珍しくありません。窓がなければ換気が十分に行えず、余計に湿気がこもりがちになるでしょう。

1-2.適度な栄養

カビは胞子類という生きものです。なので、水のほかに栄養分がなければ繁殖できません。ですから、食品にカビが生えやすいのですね。「でも、浴室に栄養なんかあるの?」と思う方もいるでしょう。実は、浴室で使うせっけん類はカビの栄養源になるのです。さらに、体から出た皮脂などもカビの栄養になります。つまり、掃除を十分に行わない浴室ほどカビが生えやすいでしょう。

1-3.適度な時間

家の中で浴室のように水を使う場所といえば、キッチンです。しかし、キッチンのシンクにはあまりカビは生えません。それは、キッチンを使う頻度が高いからです。カビが生えるには、胞子が繁殖するまでの時間が必要。 つまり、キッチンはしょっちゅう水を流したり調理に使ったりするので、カビが生えるひまがないのです。それに比べると浴室は1日のうちに1時間~2時間くらいしか使われません。ですから、カビが生えるには最適な環境になりやすいのです。

浴室は湿気や温度のせいでカビが生えやすいんですね。
はい。ですから、カビ掃除が必要です。

2.浴室に生えるカビの種類は?

「カビ」といってもさまざまな種類があります。浴室に生えるカビは湿度90%以上の環境を好む、黒カビと赤カビです。浴室は白やグレーといった明るい色のところが多いので、黒カビはひどく目立つでしょう。また、カビは育ってくると胞子を飛ばします。この胞子は目に見えないくらい小さいですが、ハウスダストアレルギーなどの原因にもなるのです。 体に胞子がくっつけば家中に胞子がばらまかれてカビが生えやすくなるでしょう。ですから、カビは見つけしだい取り除くことが大切です。

いろいろなカビが生えるんですね。
はい。どのカビも健康に悪影響なので、できるだけ早く取りましょう。

3.カビを予防する方法は?

では、浴室にカビが生えないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?この項では、カビ予防対策について、ご紹介します。

3-1.換気が一番

浴室に生えやすい黒カビや赤カビは、湿度90%以上の場所を好みます。ですから、換気をして湿度を下げましょう。小さくても窓がある浴室は、入浴後に窓を開けてください。窓がない浴室では、1日中換気扇をかけっぱなしにしましょう。かかる電気代はわずかですから、気にしなくても大丈夫です。 また、お風呂のふたを開けておけば湿度が上がります。ですから、「残り湯を洗濯に使う」という場合は、ふたを閉めておきましょう。小さい浴室で、換気扇の機能がいまひとつという場合は壁や床に飛び散った水滴を、バスタオルでぬぐってもよいですね。体を拭いたバスタオルで水滴をぬぐい、それを洗濯機にいれれば後は洗濯するだけでしょう。

3-2.熱いお湯をかける

すでにカビの胞子が壁や床に取りついているかもしれない場合は、シャワーの温度を最高にして壁や床にかけましょう。これを週に1度行えばカビの発生を予防できます。逆に冷水をかけるとカビが増えやすいので要注意。また、やけどしないように気をつけて行いましょう。

3-3.消毒用エタノールで浴室を消毒する

消毒用エタノールは、カビの発生を予防する効果があります。月に1度程度、消毒用エタノールを含ませたぞうきんで浴室の床や壁、天井を消毒しましょう。そうすれば、かなりカビが生えにくくなります。 エタノールは引火性の高い物質なので、使用中は火気を近づけないように気をつけましょう。また、匂いが強いので浴室のドアを開けて作業するとよいですね。

やはり換気が大切なんですね。
はい。また、熱いお湯をかけるのも有効です。

4.浴室のカビを掃除する方法は?

予防対策をしても、浴室にカビが生えてしまう場合もあります。最後に、浴室にカビが生えた場合の掃除方法をご紹介しましょう。

4-1.まずはこすってみる

浴室にカビが生えると、すぐにカビ取り剤を使う人もいるでしょう。しかし、浴室のカビはほかのところに生えたカビより取れやすいのです。浴槽(よくそう)や浴室の壁はつるつるしています。ですから、カビの胞子も根を下ろしにくいのです。カビが生えたらまずは洗剤をつけたスポンジでこすってみましょう。これで取れるカビも多いのです。 また、最近増えているしわがよったような床にカビが生えた場合は、亀の子たわしがおすすめ。洗剤をつけてこすれば、すぐに落ちてくれます。

4-2.漂白剤の正しい使い方とは?

しかしタイルの目地などに根を下ろしたカビは、こすっても取れないことが多いでしょう。このような場合は、漂白剤を使ってください。しかし、漂白剤の正しい使い方を知っている方は意外と少ないのです。漂白剤は、乾いたところにつけます。水でぬれたところでは効果が薄くなるのです。漂白剤を使った場合はこすってはいけません。20分~30分ほど置いておくのが正解です。 カビ取り剤をカビに向かって吹きつけたらそのまま浴室を出て、30分ほどしたらシャワーで流しましょう。また、塩素系の漂白剤は強いアルカリ性です。塩素系の洗剤と混ぜ合わせると有毒なガスが発生します。気をつけてください。

4-3.ローラーやコテを使用する

壁の広い範囲や天井一面にカビが生えてしまった場合は、単に泡タイプの漂白剤を拭きつけてもうまくカビを取れません。このような場合は、コテやローラーに液体タイプの漂白剤をつけて壁にぬっていきましょう。ぬる範囲が広くなれば、匂いなどもきつくなります。 また、漂白剤が肌についたり目に入ったりすれば大変です。必ず、マスクやメガネ、手袋をしてぬってください。さらに、プラスチック製の洗面器やお風呂のいすは消耗品と考えましょう。あまりにカビが生えた場合は、新しいものを買った方が衛生面でもよいです。

掃除方法もいろいろあるんですね。
はい。できることをやってみましょう。

おわりに

今回は、浴室のカビ対策についてご紹介しました。

まとめると

  • 浴室に生えるカビは湿度が高い場所を好む。
  • せっけんかすや皮脂はカビのエサになる。
  • 掃除と換気をきちんと行えば、カビは生えにくい。
  • 浴室にカビが生えてしまったら、まずはこすってみよう。
  • 漂白剤を拭きつけたらこすらずに放置するのが正しい方法である。

ということです。カビだらけのお風呂というのは、入っていて気持ちのよいものではありません。仕事などで忙しい人は換気だけでもしっかり行っておきましょう。