食器洗い

家事の中でも、食器洗いは嫌いな家事のトップ3に入ると言われています。特に、カレーやシチュー、パスタやフライなど、おいしいけれど油汚れが残りやすいメニューは、食器洗いが面倒なものです。

そこで、この記事では食器についた油汚れを素早くきれいに落とす方法を紹介します。おいしい料理を作って楽しむために、食器洗いの手間を減らすことができます。

洗剤選びやスポンジの使い方、油汚れの落とし方など、5つのポイントに分けて解説します。食器についた油汚れが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

おいしい料理を楽しみながらも、食器洗いに悩まされることなく、効率よく油汚れを落とす方法を身につけましょう。

  1. 食器の油汚れについて
  2. 食器の油汚れを取る方法
  3. 食器の油汚れを落ちやすくするポイント
  4. 落ちにくい油汚れについて
  5. 食器の油汚れをナチュラルな洗剤で落とす
  6. 食器の油汚れに関するよくある質問

1.食器の油汚れについて

食器洗いをスムーズに進めるために、まず「食器の油汚れ」の特徴などを知っておきましょう。

1-1.油汚れで困ることは?

食器の油汚れで困るのは、以下のことです。

  • なかなか落ちない
  • 何度洗っても「ヌルヌル」が取れない
  • 白いプラスチックケースなどの場合、色が移る
  • 匂いが落ちない

また、完全に汚れを落とそうと、何度も洗剤を付けて洗うので手が荒れてしまうのも困りものですよね。

1-2.食器の油汚れの特徴

食器の油汚れには以下のような特徴があります。

  • 冷えると固まるので落としにくくなる
  • 水と油は「はじきあう性質」があるので水だけでは落ちない
  • 酸性

つまり、この特徴と「反対になること」をすれば、油汚れを落とせるのです。

2.食器の油汚れを取る方法

食器の油汚れを取るためには、道具や順番など基本的なことをおさえる必要があります。

2-1.食器の油汚れを取るための洗剤と道具

まずは、頑固な油汚れを洗うときの「戦力」となる洗剤と道具を用意しましょう。

2-1-1.油汚れをスムーズに落とす洗剤

ギトギトした油汚れに強い洗剤を使いましょう。おすすめは「ナノ洗浄」を採用した食器洗い用洗剤です。素早く油汚れに吸着してやわらげ、細かく分解します。油の分子を1000分の1まで小さくできるので、水に近いレベルまでサラサラの状態にするのが特徴です。洗剤を変えるだけで、食器洗いの効率はぐんとアップします。また、以下のような特徴の洗剤も油汚れに強いのでおすすめです。

  • 油を包んで落とす力のある「界面活性剤」の配合率が高いもの
  • 酸性の油と反対の「弱アルカリ性」のもの
  • 泡立ちがいいもの

2-1-2.目が粗く硬めの油汚れ専用スポンジ

普通の食器洗い用スポンジとは別に、「油汚れ専用」スポンジを用意しましょう。実は、スポンジにはよしあしがあり、すぐにヘタって使えなくなってしまうものと、コシがあり泡がよく立つものがあります。どんなに油汚れに強い洗剤を使っても、ヘタったスポンジでは泡立ちが悪く汚れがきれいに落とせません。油汚れに向いているスポンジは、以下のようなものです。

  • 目が粗い(空気がよく通るので泡立ちがいい)
  • 硬め(汚れをこすり洗いしやすい)
  • 色が濃いもの(薄い色だと油汚れの色が移り、すぐ汚くなるので汚れの目立たない黒など濃い色を)

2-2.汚れの少ないものから洗うのが鉄則

食器を洗うときは、「汚れの少ないもの」から洗うのが鉄則です。

  1. 水やお茶を飲んだグラスやカップ
  2. 乾きものや果物などを載せたお皿
  3. ご飯をよそったおわん
  4. みそ汁やスープなどを入れた器
  5. サラダを入れた器
  6. パスタやカレー、肉料理など油汚れの強い器

上記のように、水だけでも汚れが落ちるものやほとんど汚れていないものから洗って、ほかの食器に油汚れが移らないようにしましょう。
その後、徐々に汚れが強くなっていく食器へと移行してください。

2-3.体温よりやや低めのぬるま湯で洗おう!

食器を洗うときは、水ではなく、体温よりやや低めの「ぬるま湯」で洗いましょう。「1-2.食器の油汚れの特徴」の項でご紹介したように、油汚れは冷たくなると固まります。
ただし、「タンパク質の汚れ」は熱を加えると固まる性質があるので気を付けてください。生の魚や肉を切ったまな板や包丁、牛乳や生卵などで汚れた食器は、最初は水で汚れを落としてから、お湯と洗剤で洗うほうがいいでしょう。

3.食器の油汚れを落ちやすくするポイント

しつこい油汚れをスムーズに落とすには、洗い方のポイントを知っておくことが大切です。以下のことを事前に行うと食器洗いが格段にはかどりますよ!

3-1.洗う食器を分けておく

食後、使った食器を全部一緒にしてシンクに置くのはNGです。大きめの洗いおけを2つ用意し「油汚れのある食器」「ほとんど汚れていない食器」に分けましょう。「2-2.食器を洗う順番」でご紹介したように、汚れていない食器に油汚れが移り、洗い物の手間を増やさないようにします。

3-2.キッチンペーパーなどで油汚れを拭き取る

器に残ったカレーや、ハンバーグやステーキなどのソース、ドレッシングやマヨネーズなどは、キッチンペーパーなどで事前に拭き取っておきましょう。
柔らかい樹脂製のスクレーパー(ヘラ)で、汚れを1か所に集めてから拭いたほうが、キッチンペーパーを無駄に使わなくて済みます。
キッチンペーパーのほかにも以下のものも利用してください。

  • 新聞紙やチラシ
  • 使わなくなったタオルやTシャツなどを切ったもの
  • 排水口に使う、目の細かいネット袋にミカンの皮を入れよくもんだもの(※)

※ミカンの皮には、油や汚れを分解する「リモネン」という精油成分が含まれています。

3-3.事前に浸け置きをする

前項の方法で汚れを拭いとったら、今度は洗いおけに洗剤とお湯を入れ食器をヒタヒタになる程度に浸(つ)けておきましょう。汚れは乾燥するとこびりついて落としづらくなります。

3-4.調理器具も汚れを拭き浸け置きを

フライパンなどの調理器具は放置していると、冷えて油が固まってしまい洗うのが大変です。料理が終わったらキッチンペーパーなどで油やソースを拭い、洗剤を少し入れたぬるま湯を入れておきましょう。

4.落ちにくい油汚れについて

なかなか落ちない汚れといえば、プラスチック製のお弁当箱や保存容器の角のヌルヌルや、陶器のグラタン皿にこびりついたチーズの汚れなどが代表的なものでしょう。汚れを落とすコツをご紹介します。

4-1.プラスチック製保存容器の角のヌルヌル

プラスチックのお弁当箱・保存容器などの角の部分は、何度スポンジでこすってもヌルヌルが落ちません。しつこい油汚れには「アルカリ性」の洗剤を使いましょう。

食器の汚れに使えるアルカリの代表といえば「重曹」です。重曹が油を中和するので落としやすくなります。キッチンペーパーで食べ残しを拭き取った食器を、重曹水に浸けてから洗剤で洗いましょう。重曹水の目安は、洗いおけ10Lに重曹大さじ1〜2杯ほどです。一晩放置しておけば翌朝には汚れを楽に落とせるでしょう。

また、重曹を溶かした市販のスプレーを使えばもっと手軽にできます。直接手に付くと肌荒れを引き起こすことがあるので付いたら直ちに水で洗い流してください。また、重曹はアルミ製品を黒ずませるので「アルミの弁当箱」などには使わないようにしましょう。

4-2.チーズのこびりつき

グラタン皿にこびりついたチーズの汚れは以下のような方法で落としましょう。

  1. 洗いおけに熱湯をはり、グラタン皿を付けチーズに水分を吸収させてふやかす
  2. スクレーパー(ヘラ)でふやけた汚れをこそげとる(固いスプーンなどでこそげるとお皿に傷が付くので要注意)
  3. 早く汚れを落としたい場合は、30分ほどお湯につけ置きしてからステンレスたわしでこする(磨粉がまぶされていないもの)
  4. ガチガチの焦げ目や乾いたこびりつきは、洗いおけに熱湯をはりグラタン皿をつけてから、お酢を加える。30分以上放置して汚れが浮いてから洗剤で落とす

5.食器の油汚れをナチュラルな洗剤で落とす

家事の中でも1番手荒れが気になるのが食器洗いです。油汚れを落とす界面活性剤が、肌に必要な脂まで落としてしまうので食器洗い後は手がカサカサになる人も多いでしょう。ゴム手袋をする方法もありますが、指で直接触れて確かめるわけではないため、すすぎのときに洗剤分が落ちたかどうかわかりにくくなります

そこで、最近人気があるのがナチュラル系洗剤です。どのような種類が人気なのか、メリットや使い方などをご紹介しましょう。

5-1.最近人気のナチュラル系洗剤とは?

食器洗い用ナチュラル系洗剤には以下のようなものがあります。

  • オーガニック洗剤:天然成分である植物性や鉱物性を原料とし、植物原料はオーガニック栽培のものを使用した洗剤。毒性のある合成香料・合成着色料・石油化学系の界面活性剤などは使用していないもの
  • 植物由来の成分を使用した洗剤:オーガニックではないものの、植物性の原料を使用し、石油化学系の界面活性剤や合成化学物質は使用していないもの
  • ノンアルコール洗剤:皮脂膜を溶かして手荒れの原因になるアルコールを使用せず、植物性の原材料を使用した洗剤。無香料・無着色のものもある

5-2.ナチュラル系洗剤のメリットは?

ナチュラル系洗剤には以下のようなメリットがあります。

  • 肌に優しいので手荒れがしにくい
  • 植物性洗剤は、使用後に分解されるので環境に優しい
  • 食器だけではなく野菜や果物洗いに使用できるものもある
  • 浴槽、シャンプー、ペットシャンプーなどとして使用できるものもある

5-3.ナチュラル系洗剤の使い方

ナチュラル系洗剤は、肌に優しく手荒れはしないけれども、汚れが落ちにくい……というイメージを持つ人もいます。けれども、最近は洗浄力が優れている製品もあるのです。

また、ノンアルコール系の洗剤は、スポンジに直接付けて洗うよりも、洗いおけに溶かして浸け置き洗いをすると汚れが落ちやすいでしょう。

天然ハーブ精油配合の100%植物成分の食器用洗剤は、食器のみならず赤ちゃんのおしゃぶりや哺乳瓶洗いにも最適です。自分のニーズに合った使い方ができる製品を選んでください。

6.食器の油汚れに関するよくある質問

食器の油汚れに関するよくある質問をご紹介しましょう。

Q.脂っこい料理を作ることが多いのですが、食器洗いの負担をできるだけ減らせる工夫はありますか?
A.食器を油で汚さない工夫をしてみましょう。

  • 揚げ物の下には「揚げ物用敷き紙」や、1度くしゃくしゃにしてから広げたアルミホイルなどを敷く
  • 脂っこい肉のソテーなどは、お皿にサラダ菜などを敷き詰めてから乗せる
  • カレーやシチュー、グラタンなどは、食パンや丸いパンなどの中身をくり抜きオーブンで焼いたものを器にすると、そのまま食べることができる

Q.パスタ皿に残ったソースやケチャップの汚れを落とすのが面倒です。何かいい方法はありますか?
A.パスタを作るときに、いつもより量を少なめにして、その分パンを添えるようにしてはいかがでしょうか。パスタを食べた後、お皿に残ったソースをパンに付けて食べればお皿もきれいになりますし、おなかもいっぱいになって一挙両得です。

Q.できるだけ油で汚れた食器の数を減らしたいのですが、いい方法はありますか?
A.カフェのように、できるだけ「ワンプレート」に盛り付ける工夫をしてみましょう。大きめのお皿に、おかずやご飯、漬物などを一緒に盛り付けてください。油っぽいおかずの汁がご飯に染み込むのが気になるようなら、サラダ菜などで仕切ったりアルミホイルで器を作ったりして盛り付けるのもおすすめです。洗い物の数がグッと減りますよ。

Q.シンクが狭いので、油で汚れた食器と汚れていない食器を分別して置く余裕はありません。効率的に洗える方法はあるでしょうか?
A.最初に汚れの少ない食器をシンクの横に分けておきましょう。次にシンクの中に油汚れのある食器を置き、その上で油汚れのないグラスや器を先に洗ってください。洗剤の泡やすすぎの水が油汚れのある食器に落ちるので、浸け置きしたような効果が得られます。油汚れのある食器は事前に「3-2.キッチンペーパーなどで油汚れを拭き取る」でご紹介した方法で、大きな汚れを取り除いてください。

Q.食器洗い用のスポンジは使い分けをしたほうがいいですか?
A.油汚れをした食器用と、グラスやカップなど油汚れがない食器用に分けましょう。油汚れがないものから洗い、最後に油汚れをした食器を洗ったとしても、最後にスポンジ自体の油汚れをよく落とさなければなりません。スポンジ自体を最初から分けるほうが効率的です。

まとめ

おいしい料理の後、お皿に残った油汚れを落とすのにうんざりしている人に向け、洗い物を効率的に片付ける方法をご紹介しました。器に残った油汚れはいきなりシンクに流さず、キッチンペーパーなどでできるだきれいにしてから洗剤で洗うのは鉄則です。キッチンペーパーがもったいないと思う人は、新聞紙やチラシなどを使ってもいいでしょう。

また、油汚れがある食器と、汚れていない食器を一緒に重ねないのもルールです。ちょっとしたことを守れば、今までの食器洗いが格段に楽になります。ぜひ試してみてくださいね。