ゴミ屋敷

ゴミ屋敷を片付けたいのにどこから手をつければいいのか分からない……などと悩んでいる方は多いでしょう。

不用品が大量にあるからこそ、きちんと計画を立ててから作業を始めることが大切です。また、自分で手に負えない場合は、専門業者に依頼する方法もあります。

本記事では、ゴミ屋敷を掃除する前に押さえるべきポイントなどを解説しましょう。

この記事を読むことで、ゴミ屋敷をスムーズに片付けるコツなどが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.ゴミ屋敷を掃除する前に押さえるべきポイント

まずは、ゴミ屋敷を掃除する前に押さえるべきポイントをチェックしておきましょう。

1-1.1番の問題点は近隣住民とのトラブル

ゴミ屋敷はさまざまな問題を抱えていますが、1番の問題点は近隣住民とのトラブルです。ニュースでも、ゴミ屋敷が原因で事件にまで発展したケースをよく耳にすることがあるのではないでしょうか。ゴミが多くなればなるほど悪臭や害虫などが発生し、腐敗物による自然発火が原因で大火事になる恐れもあります。近隣住民にとっては、多大な苦痛とストレスになることは間違いありません。ゴミ屋敷は周囲から見てゴミだと思うものでも、その土地に住んでいる住人が認めなければ財産であるとみなされます。グレーゾーンが多いからこそ、近隣住民とのトラブルが発生しやすいのです。

1-2.気力・体力・時間を消耗する

ゴミ屋敷を片付けるのは、とても難しく困難な作業だといわれています。簡単そうに感じるかもしれませんが、実際に作業を始めてみると気力・体力・時間がすぐに奪われると気づくのです。途中で気づいた結果、どんどん作業スピードが落ちてしまい、中途半端な状態になってしまいます。ゴミ屋敷が社会問題になっているのは、こうした片付けの難しさが原因の1つでもあるといえるでしょう。スピーディーに片付けるためには、まず、自分で片付けられる量かどうか判断することが大切です。

1-3.事前にゴミの量を把握することが大事

ゴミ屋敷を掃除する前にぜひやってほしいのは、ゴミの量を把握することです。前述したように、ゴミの量をきちんと把握しなければ、作業がスムーズに進めなくなってしまいます。また、事前にゴミの量を把握することで、だいたいのスケジュールを立てることができるでしょう。「この量ならいつまでに終わらせられる」「ここはこの日まで片付けよう」と、計画を立ててください。計画を立てる際は、無理なスケジュールにしないことが大切です。余裕をもったスケジュールを立てることが、掃除を終わらせるポイントとなります。

1-4.早めに行動を起こそう

ゴミ屋敷を掃除する場合、早めに行動を起こすのが吉です。作業が遅くなればなるほど、どんどんひどい状況になってしまい、火災や犯罪のリスクも高まるでしょう。掃除しようと思ったときこそ、行動を起こす絶好のタイミングだと思ってください。ただし、ゴミ屋敷に住んでいる本人が乗り気でない場合は、無理に進めるのはNGです。本人の意思を無視して掃除を進めてしまうと、あらゆる問題が起こる可能性があります。本人が乗り気でないときは、ゴミ屋敷の問題点を丁寧に説明し、掃除の意欲を出させるように工夫することが大切です。

2.ゴミ屋敷を自分で掃除する方法

それでは、ゴミ屋敷を自分で掃除する方法とポイントを解説します。

2-1.まずは必要な道具を用意する

ゴミの量を把握した上で自分で掃除できると判断した場合、まずは必要な道具を準備しましょう。ゴミ屋敷を掃除するためには、さまざまな道具を使うことになります。最低でも、以下の道具は手元に準備しておきましょう。

  • 軍手
  • マスク
  • エプロン
  • 破れにくいゴミ袋
  • ガムテープ
  • ゴキブリや虫の殺虫剤
  • 雑巾
  • モップ
  • 掃除機
  • ほうき
  • バケツ
  • 洗剤各種
  • ダンボールまたは衣装ケース(仕分け用)

不用品を仕分けたり処分したりする場合に役立つのが、ダンボールやゴミ袋です。ゴミの量に合わせて、余裕のある量を準備しておきましょう。また、ゴミ屋敷の室内はさまざまな汚れがついています。台所用・トイレ用・フローリング用・お風呂用とそれぞれ洗剤を用意しておいたほうが安心です。

2-2.掃除を始める前の日に害虫駆除をする

ゴミ屋敷の掃除を始める前の日に、害虫駆除を行うことが大切なポイントです。きれいに掃除をした後に害虫駆除を行うケースもありますが、それでは害虫が巣に隠れてしまう恐れがあります。不用品の陰に隠れている可能性があるため、市販の殺虫剤を使って事前に害虫を駆除しておきましょう。なお、ゴミ屋敷にいる害虫は通常よりも多いので、規定量より多めの量を使うのもアリです。ただし、使用上の注意点をよく読んでから使ってください。市販の害虫駆除を使っても不安な方は、専門業者に相談するといいでしょう。

2-3.入り口や窓付近から片付ける

ゴミ屋敷の掃除をどこから始めるべきか悩んでいる方は、玄関や窓など外とつながる入り口から始めることをおすすめします。入り口から始めることで、出入りしやすくなるでしょう。ポイントは、入り口から庭やベランダへの道を空けることです。最初に、入り口ではなく部屋を1つずつ片付けようとしていては時間がかかってしまいます。とりあえず、入り口の1m四方をきれいに片付け掃除してください。ある程度の空間が生まれれば、複数の人で掃除する場合も作業がしやすくなるでしょう。

2-4.捨てるものと残すものに仕分ける

ある程度のスペースが確保できたら、大きいものから捨てるものと残すものに分けていきましょう。大きいものから仕分けることで空間が広くなりますし、「掃除した!」という達成感が味わいやすくなります。達成感を得られるほどモチベーションも上がるので、スピーディーに作業を進めることができるでしょう。また、捨てるものと残すものに分ける場合は、以下のポイントを参考にしてください。

  • 貴重品や必要最低限のもの以外捨てる
  • いつか使うかもしれないものは捨てる
  • 「今」使っていないもの・必要ないものは捨てる

極力、要らないものを捨てることがゴミ屋敷を掃除するポイントでもあります。どうしても悩んでしまうものは一時保管ボックスなどに入れておき、後で仕分けるようにしましょう。そこで迷い続けてしまうと、その時間が無駄になってしまいます。後になって冷静に考えることで、「やっぱり必要ない」と正しい判断もできるでしょう。

2-5.不用品はすぐに処分する

要らないものに仕分けた不用品は、すぐに処分することも大切です。せっかくきれいに掃除したのにもかかわらず、ずっと不用品を置いてしまっていると再びゴミ屋敷に戻ってしまう恐れがあります。要らないものはまとめて自治体のゴミ処理センターに持っていったり、不用品回収業者に依頼したりするなどして廃棄しましょう。なお、不用品の中には買い取ってもらえるものがあるかもしれません。不用品の買取を行っている業者に依頼すれば、処分費用を抑えることができるでしょう。

3.ゴミ屋敷の掃除をプロに任せる場合

ここでは、ゴミ屋敷の掃除をプロに任せたほうがいいケースや方法などを解説します。

3-1.自分で作業できない量はプロに依頼すべき

ゴミ屋敷といっても不用品の量や状態がそれぞれ異なります。人手が確保でき、問題なく掃除できる量であれば自分で作業してもいいですが、無理は禁物です。人手が確保できない・作業するのが大変な量だと判断した場合は、無理をせずにプロの業者へ依頼したほうがいいでしょう。特に、若い女性や高齢者は体力がないので、専門業者に依頼することをおすすめします。また、害虫や悪臭がひどい場合も、素人がきれいに掃除するのは困難です。プロの業者は専門の洗剤や機材を使うため、スピーディーかつ適切な方法で掃除してくれます。

3-2.不用品の回収や買取も可能

ゴミ屋敷の片付けや清掃サービスを行っている業者の中には、不用品の回収や買取を実施しているところもあります。ゴミ屋敷で出てきた不用品をそのまま回収してくれるため、手間と時間がかかりません。また、前述したように、買い取ってもらえるものが多ければ多いほど、処分費用の節約につながるでしょう。さらに、ハウスクリーンサービスとして特殊清掃を行っているところもあります。害虫が大量に発生していて手がつけられない状況でも、特殊清掃ならきれいな状態にすることが可能です。

3-3.間取りによって費用が異なる

ゴミ屋敷の掃除・片付け費用は、間取りや不用品の量によって大きく異なります。ほとんどの専門業者が、間取りを目安にして費用を定めているでしょう。目安となりますが、間取り別の費用は以下のとおりです。

  • 1R・1K(作業時間 1~3時間):30,000~80,000円
  • 1DK(作業時間 2~4時間):50,000~120,000円
  • 1LDK(作業時間 2~6時間):70,000~200,000円
  • 2DK(作業時間 2~6時間):90,000~250,000円
  • 2LDK(作業時間 3~8時間):120,000~300,000円

あくまで目安となるため、具体的な費用が知りたい方は無料見積もりを依頼してください。複数の業者に依頼すれば、平均費用が把握しやすくなるでしょう。

3-4.業者選びのポイントをチェック!

どの業者に依頼すべきか分からないときは、以下のポイントに注目するといいでしょう。

  • ゴミ屋敷の片付けや掃除サービスに長(た)けているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • どのような質問に対しても分かりやすく説明してくれるか
  • 料金設定が明確になっているか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • 実際に依頼した人の口コミや評判がいいか
  • 無料相談や無料見積もりを行っているか

4.ゴミ屋敷に関してよくある質問

ゴミ屋敷に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.ゴミ屋敷を片付ける際の心構えは?
A.きちんと計画どおりに作業を進めると決意を固めることです。途中で面倒になったり、作業を進めるのが難しくなったりするかもしれません。やる気が続かなくなるのは人間として当たり前のことなので、その点を踏まえた上でスケジュール計画を立てましょう。また、モチベーションを高めたいときは、片付けが終わった後の部屋をイメージするのがポイントです。

Q.思い出の品はどうすべきか?
A.ついつい残してしまいがちな思い出の品は、手元に保管する量を決めておきましょう。すべてをとっておくと膨大な量になってしまうので、あらかじめ量を決めることが大切です。ダンボール1箱分まで残しておき、後は手放してください。どうしても残したいものがあれば写真に撮ってデータ化する方法もあります。

Q.自分で掃除できるかの判断基準は?
A.3DKまでの広さで、お風呂や洗面所・キッチンといった水まわりが正常に機能している状態であれば、自分で掃除できる範囲といえるでしょう。また、住人が何とか生活できているかも要チェックポイントです。家中がゴミだらけで、どこに何があるのか分からない状態であれば、プロに依頼したほうがいいかもしれません。

Q.費用を節約するポイントは?
A.3~4社と複数の業者に無料見積もりを依頼することです。複数の業者に見積もりをとってもらうことで、料金相場が分かるだけでなく、1番安い業者に依頼できるでしょう。ただし、あまりにも安すぎる業者には注意が必要です。後で高額な追加費用を請求してくる可能性があります。

Q.依頼しないほうがいい業者の特徴は?
A.平均費用よりも安すぎる業者だけでなく、スタッフの対応が悪かったり、評判がよくなったりする業者にも注意が必要です。特に、見積書の内容が具体的に記載していない業者は、作業後に高額な追加費用を請求する恐れがあります。

まとめ

ゴミ屋敷を掃除する前に、どのような状況なのか・どのくらいのゴミがあるのか現状を把握することが大切です。きちんと現状を把握することで、自分で掃除できる範囲かプロの業者に依頼したほうがいいのか、適切な判断がしやすくなるでしょう。自分で掃除できない量のゴミがある場合は、無理をせずに専門業者へ依頼してください。業者の中には、不用品の回収と買取を行っているところもあります。買い取ってもらえるものがあれば、費用節約につながるでしょう。