「重曹にはどんな効果があるのか」「どこでどのように使えばいいのか?」など、重曹の使い方で悩んでいる方は多いでしょう。自然由来の成分でできている重曹は、家中のあらゆる汚れに対応できるものです。特徴をしっかりと把握しておけば、さまざまな場所やシーンで活用できるでしょう。

本記事では、重曹を掃除に活用する方法とポイントを解説します。

  1. 重曹にはどんな効果があるのか?
  2. 重曹を掃除に利用するポイント
  3. 重曹での掃除が効果的な場所は?
  4. 重曹を掃除に使用する際の注意点
  5. 重曹を使った掃除に関してよくある質問

この記事を読むことで、重曹を掃除に使うコツや注意点などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.重曹にはどんな効果があるのか?

初めに、重曹はどんな効果があるのか基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.重曹は別名・炭酸水素ナトリウム

そもそも重曹とは何なのか、疑問に感じている方が多いと思います。簡単に説明すると、重曹は食塩水や二酸化炭素などを原料に作られた物資です。別名・炭酸水素ナトリウムと呼ばれています。前述したように、重曹は自然界に存在する成分でできているため、人の体や環境にはほとんど害がありません。そのため、市販の洗剤で手が荒れてしまう方や幼い子どもやペットがいる家庭で特に愛用されています。ちなみに、食用の重曹もありますが、掃除で使うのは掃除用や工業用と呼ばれる重曹です。食用に比べて、多少純度が低く、キメが粗い状態となります。

1-2.重曹が持つ3つの効果

重曹がさまざまな汚れを落とすといわれているのは、3つの効果があるからです。
1つ目は、重曹が持っているアルカリ性の性質が関係しています。一般的に、家の中にある汚れがアルカリ性か酸性のどちらかになるでしょう。アルカリ性の汚れなら酸性の洗剤、酸性の汚れならアルカリ性の洗剤を使って掃除するのが基本となります。
2つ目は研磨効果を持っていることです。重曹の粉末は水に溶けにくい特徴があるため、粒が残って汚れをかき出してくれる研磨効果が期待できます。
3つ目は消臭効果です。重曹は掃除だけでなく嫌なにおいを除去する消臭効果も期待できます。生ゴミなどは酸性の性質を持っているため、アルカリ性の重曹が中和して消臭してくれるというわけです。

2.重曹を掃除に利用するポイント

それでは、重曹を掃除に利用するポイントをいくつか紹介します。

2-1.重曹の粉末を水に溶かす

100均ショップやスーパーで販売している重曹はほとんどが粉末タイプです。粉末を水に溶かして重曹水として使うのが基本となります。重曹を掃除に利用する方法は3つありますが、その中で1番使い勝手がいい方法です。重曹水の作り方はコップ1杯分の水(約200ml)と重曹小さじ2杯(約10g)を混ぜてスプレーボトルなどに入れるだけなので誰でもできます。よく混ぜ合わせるのがポイントです。スプレーボトルを使えば、あらゆるところでシュッと吹きかけてきれいにすることができるでしょう。

2-2.ペースト状にして使う

水に溶かしきらないでペースト状にして使うのも方法の1つです。重曹をペースト状態にすることで、重曹水よりも効果が高まります。アルカリ性と研磨効果の両方をうまく使うことができる方法といえるでしょう。ペースト状にすることで汚れとの密着度も高まり、頑固な油汚れの掃除に活用できます。油汚れなどに塗って放置すると汚れが落ちやすく、雑巾やスポンジなどでこすればきれいになるのでぜひ実践してください。重曹ペーストの作り方は重曹と水を2:1の割合で混ぜるだけです。

2-3.粉末のまま使うのもOK

ほとんどの汚れは重曹水を使って落とすことができますが、粉末状態のまま使うのもポイントの1つです。粉末状態だと研磨効果が1番高まるため、気になる場所に粉のまま振りかけるだけという簡単なやり方になります。粉末を振りかけた後は、雑巾やスポンジ・ラップなど掃除場所にあわせた方法でこするだけです。気軽に使えるのはもちろん、三角コーナーの生ゴミに振りかけると消臭効果もはっきしてくれるでしょう。

3.重曹での掃除が効果的な場所は?

それでは、重曹での掃除が効果的な場所はどこになるのでしょうか。

3-1.キッチン

重曹を使った掃除場所として最適なのは、キッチンです。シンクのまわりにシミがこびりついたり、コンロのまわりには頑固な油汚れができたりするでしょう。キッチン周辺の汚れは酸性汚れが多いため、アルカリ性の性質を持っている重曹が役立ちます。たとえば、シンクまわりの汚れは重曹ペーストでこすり落とすのがおすすめです。コンロまわりや調理器具につく油汚れや焦げつきは重曹を粉のまま使うといいでしょう。水を使わないことで重曹の研磨効果をうまく使うことができます。また、換気扇フィルターについている油汚れにも効果的です。

3-2.お風呂

汗や皮脂の汚れがつきがちなお風呂場は、酸性の性質を持っている汚れが多いので重曹を使った掃除が効果的です。お風呂の壁や床などは重曹スプレーを吹きかけてスポンジでこすると汚れが落ちやすくなります。また、粉のままかけてこすり落とすのもOKです。お湯を張った湯船に重曹を溶かし、そこに洗面器や座椅子などの小物類を入れて一気にきれいにするのもいいでしょう。

3-3.リビング

リビングは人の出入りが激しい場所なので、照明のスイッチやドアノブなどに手垢(てあか)などの汚れがたまりがちです。重曹は手垢汚れにも効果を発揮するため、重曹水で吹きつけてから雑巾できれいに拭き取るといいでしょう。また、なかなか水洗いができないカーペットの掃除にも重曹が役立ちます。重曹水を吹きかけて乾かせば、嫌なにおいも除去できるのでおすすめです。ただし、重曹水を吹きかけた後は、しっかりと乾かすことが重要となります。生乾きになると悪臭の原因になってしまうので注意してください。

3-4.玄関・下駄(げた)箱

嫌なにおいがこもりがちな玄関と下駄箱の掃除にも重曹が大活躍します。玄関のタイルは重曹を粉のまま振りかけてブラシなどでこするだけできれいに汚れが落ちるでしょう。汚れが落ちた後は、重曹の粉をほうきで掃いて捨てるだけでOKです。水洗いができない玄関だからこそ、粉末状態の重曹が大いに役立ちます。また、下駄箱の中は嫌なにおいがこもっているので、粉末状態の重曹を小さめのお皿に入れて置いてください。嫌なにおいを重曹が吸い取ってくれるでしょう。

4.重曹を掃除に使用する際の注意点

ここでは、重曹を掃除に使用する際の注意点をいくつか紹介します。

4-1.使えない素材もある

重曹は家中のあらゆる場所で使えるイメージがありますが、使えない素材もあるので注意が必要です。重曹と相性が悪いのは、アルミ・木製品・漆製品・大理石などの素材となります。これらの素材に重曹を使ってしまうとアルカリ性の性質が作用し変色する恐れがあるでしょう。また、ワックスが塗られている木製品に使ってしまうと重曹がワックスを溶かしてしまいます。フローリングはワックスがけをしているケースが多いので、直接重曹を使わないようにしてください。

4-2.肌が敏感な人は要注意!

重曹は自然由来の成分でできているものなので市販の洗剤よりも安心して使うことができますが、人間の皮膚にも反応するケースがあります。弱アルカリ性の性質を持っているため、肌が極端に敏感な人が長時間使用すると赤く腫れたり、かゆみが出たりすることがあるようです。長時間使う際はゴム手袋を着用してください。使い始めてから皮膚に異変が出た場合は、使用を控えることをおすすめします。

4-3.頑固なこびりつき汚れには効果がないケースも

重曹は家中の汚れにも対応できる万能アイテムとして知られていますが、頑固な汚れやこびりつきなどは落とせないケースがあります。弱アルカリ性の性質を持っているため、どうしても頑固な汚れをきれいに落とすには限界があるようです。頑固な汚れを落とそうとゴシゴシ強くこすってしまい、素材を傷つけてしまったというケースもあります。研磨効果がある重曹を使用する際は、ゴシゴシこすらないこと、頑固な汚れを落とす際はほかの強力な洗剤を使うことを念頭に置いておきましょう。市販の洗剤でも落ちない場合は、プロの業者に依頼することをおすすめします。

5.重曹を使った掃除に関してよくある質問

重曹を使った掃除に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.浴室のカビ取りにも使えるのは本当か?
A.重曹ペーストで浴室のカビ取りを行うことができます。重曹ペーストを用意する際は、重曹2:酸素系漂白剤2:ぬるま湯(40度)1の割合で混ぜるのがポイントです。そして、10分間ほどゆっくりなじませます。出来上がった重曹ペーストをカビの部分に塗りつけた後、ラップでフタをしましょう。ラップでフタを作ることで、カビの奥深い根の部分に重曹ペーストの成分を行き渡らせることができます。4時間以上放置したらラップを外し、お湯で洗い流して完了です。それでも汚れが落ちない場合は、使い古した歯ブラシやスポンジでこすり落としましょう。何回かくり返して行うことで頑固なカビを落とす可能性が高まります。

Q.消臭効果を使った活用法は?
A.重曹を入浴剤にすることで、皮脂や角質を落とすことができます。前述したように、重曹は体に害がないので重曹入りの湯船に浸(つ)かっても問題ありません。肌をツルツルにしてくれますし、体臭予防にもつながるでしょう。また、かかとケアにも最適です。重曹大さじ1に対し、水かオリーブオイルを大さじ1杯混ぜ合わせたものをかかとに塗りやさしくマッサージします。最後にぬるま湯で流せばかかとの角質を落とすと同時に消臭効果も期待できるでしょう。

Q.重曹は洗濯にも使えるのか?
A.アルカリ性の性質を生かして、洗濯にも重曹を応用できます。洗濯洗剤を入れるタイミングで重曹も洗濯機に1カップほど入れるだけでOKです。水だと溶けにくいのでぬるま湯を使って溶かしながら投入するといいでしょう。衣類についている皮脂汚れやにおいを消す効果が期待できると同時に、水がやわらかくマイルドになる効果も期待できます。水がマイルドになると泡立ちがアップするため、汚れ落ちがグッと良くなるでしょう。

Q.重曹よりもアルカリ性が強い洗剤は?
A.セスキ炭酸ソーダがあります。セスキ炭酸ソーダは重曹と同じアルカリ性の性質を持っている自然由来の成分です。環境にやさしい洗剤なので、幼い子どもがいる家庭におすすめします。ただし、セスキ炭酸ソーダは弱アルカリ性の重曹よりもアルカリ性が強いため、水に溶けやすいのが特徴です。セスキ炭酸ソーダを水に溶かしてセスキ炭酸ソーダ水として使うと、重曹水よりも頑固な汚れが落ちやすくなります。重曹水とあわせて、セスキ炭酸ソーダ水も用意しておくと掃除が楽になるでしょう。セスキ炭酸ソーダ水は、水100mlに対してセスキ炭酸ソーダ1gを加え混ぜ合わせるだけで作ることができます。

Q.食べこぼしなどシミ汚れを落とすポイントは?
A.カーペットに食べこぼしなどのシミ汚れができた場合、重曹と酸素系漂白剤を使った掃除方法がおすすめです。主な流れは以下の手順を参考にしてください。

  1. 重曹大さじ1と酸素系漂白剤を洗面器またはバケツに入れて、ゴム手袋をした上でかき混ぜる
  2. シミ汚れが気になる箇所に重曹ペーストを塗り、しばらく放置する
  3. 湿らせた雑巾を電子レンジで加熱して、シミの部分を軽くたたく
  4. 汚れ部分に水を少し垂らし、乾いた雑巾で軽くたたく
  5. 汚れが少しずつ落ちてくるまで3と4をくり返す
  6. 最後に水拭きをして汚れと重曹ペーストを拭き取ったら完了

まとめ

重曹は家中の汚れに効果が期待できる洗剤です。自然由来の成分でできているため、肌が弱い方や幼い子どもがいる家庭に評判ですが、特徴を把握しておくとさらに効率的な使い方ができるでしょう。汚れの種類や状態によって、重曹を粉のまま使ったり、水に溶かして重曹水にしたり、ペースト状にして頑固な汚れを落としたりすることもできます。使い方やポイントを把握しておけば、より上手な使い方ができ、重曹をあらゆる掃除に使うこともできるでしょう。ただし、重曹では落ちない汚れもあるので、そんなときはプロに依頼するのも選択肢の1つです。