スプレー缶の捨て方

「スプレー缶の捨て方はどうすればいいのか」「そのまま捨てても大丈夫かな?」など、スプレー缶の捨て方で悩んでいる方は多いでしょう。さまざまなゴミがありますが、スプレー缶は処分方法に悩みがちです。きちんと正しく処分しなければ、火災や爆発の恐れもあるので注意しなければなりません。

本記事では、スプレー缶を処分する方法や注意点などを解説します。

  1. スプレー缶を捨てるときには缶に穴をあけるべきか?
  2. スプレー缶を捨てる前に確認すべきこと
  3. スプレー缶による事故について
  4. スプレー缶の捨て方は?
  5. スプレー缶の捨て方に関してよくある質問

この記事を読むことで、スプレー缶を正しく処分するコツなどが分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.スプレー缶を捨てるときには缶に穴をあけるべきか?

まずは、スプレー缶を捨てるときに、缶に穴をあけるべきかどうかチェックしておきましょう。

1-1.地域によってバラバラ

現在、地域によってスプレー缶に穴をあけて捨てるか、穴をあけないで捨てるかバラバラです。スプレー缶に穴をあけて捨ててほしいと記載されている地域もあれば、穴をあけないで捨ててほしいというところもあります。そのため、まずは自分が住んでいる地域の処分ルールを確認してください。かつては、スプレー缶やガスボンベを捨てるときは、缶に穴をあけて捨てるケースが多かったと思います。けれども、最近では、穴をあけずに捨てることをルール化してきている地域が増えてきているようです。

1-2.事故を避けるために

なぜ、穴をあけないで捨てるルールが各地で浸透しているかというと、事故を避けるためです。スプレー缶に穴をあける道具はホームセンターや100均で購入できるようになりましたが、素人が穴をあけることで事故になる恐れがあります。実際に、誤った方法で穴をあけたことで火災が発生したり、爆発したりする事故も増えているのです。また、ゴミ収集車両で火災が発生したこともありました。これらの事故を未然に防ぐためにも、穴をあけずに処分することが推奨されています。

2.スプレー缶を捨てる前に確認すべきこと

ここでは、スプレー缶を捨てる前に確認すべきことを解説します。

2-1.中身を使い切っているかどうか

スプレー缶を捨てる前に、中身が完全に使い切っているかどうか事前に確認しましょう。必ず中身を使い切ってから捨てるように、ほとんどの自治体で注意書きがされています。スプレー缶の中に残りが入っている状態で処分してしまうと、火災や爆発につながる恐れがあるからです。だからこそ、従来では、スプレー缶の中身を完全に捨ててから処分することが一般的になっていました。ちなみに、スプレー缶を使い切っているサインとしては、シューという音がなくなった状態です。

2-2.ゴミの区分を確認する

前述したように、スプレー缶やカセットボンベといったゴミは、区分が自治体によって異なります。そのため、処分する前に、ゴミの区分をきちんと確認しておかなければなりません。たとえば、東京都文京区の場合、スプレー缶は資源ゴミ扱いになっています。また、キャップやボタンは取り外すこと・透明または半透明のビニール袋に入れて出すことなど注意点もあるのでしっかりとチェックしておきましょう。なお、キャップやボタンは可燃ゴミとして出すことになっています。自分の住んでいる地域ではどのような注意書きが記載されているのか、ホームページ等で確認してください。

2-3.大量のスプレー缶は自治体に相談する

大量のスプレー缶を処分する場合は、自治体に相談してからにしましょう。後ほど、【3.スプレー缶による事故について】で詳しく説明しますが、大量のスプレー缶を処分した先で爆発事故を起こしたケースがあるからです。スプレーの中身は危険物質や発火成分が含まれているものもあります。「大丈夫だろう」という自分の判断によって大きな事故に発展する恐れがあるため、どのような小さなことでも自治体に相談することが大切です。

3.スプレー缶による事故について

ここでは、スプレー缶による事故の事例をいくつか紹介します。

3-1.中身が残っている状態で処分した火災事故

毎年スプレー缶の事故で起きているのが、火災事故です。いくら自治体が注意喚起を促していたとしても、スプレー缶による火災事故は頻繁に起きています。よくあるのが、中身が残っている状態で穴をあけてしまい、漏れ出た可燃性ガスに引火するという事故です。スプレーの成分には可燃性ガスが含まれているため、中身が残っている状態で穴をあけると引火する恐れがあります。特に、暖房器具の近くや高温になりやすい場所で穴をあけてしまうと、爆発のリスクが高まるので注意しなければなりません。また、中身が残っているスプレー缶を直射日光があたる場所に放置するのもNGです。

3-2.大量のスプレー缶に穴をあけて爆発

記憶に新しいスプレー缶の事故が、平成30年12月の札幌市と令和元年7月に大阪府高槻市で起きた爆発火災事故でしょう。2つとも大量のスプレー缶に一気に穴をあけた結果、可燃性ガスが室内にあふれてしまい、爆発事故につながりました。スプレー缶に穴をあける際は、火の気がない場所を選ぶのはもちろん、十分に換気を行わなければなりません。ガスが滞留しないように気をつかう必要があります。また、換気が終わるまではライターや火花が発生する機器を使用しないことも重要な注意点です。

3-3.呼吸困難やヤケドを負う恐れも

スプレー缶による事故の中には、呼吸困難やヤケド・皮膚障害といったものもあります。特に、制汗剤や冷却スプレーを使うことが多い夏場や、鍋の時期でもある冬場は、スプレー缶による事故が起きやすくなっているので注意しなければなりません。実際に、消費者庁には、スプレー缶を使用する際に吸い込んで呼吸が苦しくなったり、スプレー缶に穴をあけているときに誤って目や口に入ったりするなど、さまざまな事故が報告されています。「自分は大丈夫」と思っていても事故に遭う恐れがあるため、十分に気をつけておかなければなりません。

4.スプレー缶の捨て方は?

それでは、スプレー缶の捨て方をいくつか紹介します。

4-1.環境省による「捨てる際の三原則」

自治体によってスプレー缶の処分方法が決められていますが、その前にぜひチェックしてほしいのが、環境省が発表した捨てる際の三原則です。スプレー缶を捨てる際の三原則は、処分方法の基本になるのでしっかりとチェックして起きましょう。環境省が発表した三原則は以下のとおりです。

  1. 最後まで使い切る
  2. 缶を振って中身が残っていないか音で確認する
  3. 火気がなく、風通しのいい屋外でガス抜きキャップを使って中身を出し切る

ここで大切なのは、中身をしっかりと出し切ることです。そして、ガス抜きをする際は、火気のない風通しのいい屋外で行うことが重要なポイントとなります。この三原則をきちんと守って処分すれば、火災や爆発のリスクを抑えることができるでしょう。

4-2.中身を出し切る手順

スプレー缶の中身を出し切る手順は以下のとおりです。

  1. 火気がない風通しのいい屋外で、シューという音がしなくなるまで噴射ボタンを押す
  2. 内容物が残っている場合、ゴミ袋の中に新聞紙やトイレットペーパーを入れる
  3. その中にシュートいう音がしなくなるまで噴射する

指先に内容物がかかる恐れがあるため、手袋をして行うと安心です。また、ガスが先に抜けてしまい、中身がどうしても抜き出せないことがあるでしょう。その場合は、無理をして穴をあけるのではなく、消防署もしくはクリーンセンター等に問い合わせてください。

4-3.自治体のルールに基づいて処分する

前述したように、自治体によってスプレー缶のゴミの区分が異なります。資源ゴミになっているところもあれば、燃えるゴミ・燃えないゴミに分類されている自治体もあるでしょう。ゴミの区分が全国共通になっているわけではないため、きちんと確認してからルールに従って処分してください。また、自治体回収で処分できるメリットは、無料で捨てられることです。お金はかからないので、費用をかけたくない方にはぴったりな方法といえるでしょう。

4-4.不用品回収業者に依頼する方法も

自治体回収以外で処分する方法としては、不用品回収業者に依頼する方法があります。不用品回収業者に依頼するメリットは、すぐにまとめて処分できることでしょう。大量のスプレー缶でも回収が可能ですし、自治体のルールに従って穴をあける必要もありません。心配や不安もなくスピーディーに処分できる方法といえるでしょう。スプレー缶以外にも処分したい不用品があれば、一気にまとめて捨てることができます。
ただし、不用品回収業者に依頼すると処分費用がかかるので、見積書の内容をきちんと確認することが大切です。処分費用にいくらかかるのか・追加費用が発生するケースなども確認しておきましょう。

5.スプレー缶の捨て方に関してよくある質問

スプレー缶の捨て方に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.中身を出すときの注意点は?
A.場所はもちろんのこと、服装にも十分に注意したほうがいいでしょう。スプレー缶の中身を出すとき、衣類が汚れてしまう恐れがあります。そのため、汚れてもいい服を着て作業をしてください。また、静電気が発生すると引火の恐れがあるため、なるべく静電気が起きにくい素材の服を選ぶのがポイントです。特に、冬場は空気が乾燥しており、重ね着をすることが多く静電気が発生しやすいので注意してくださいね。

Q.自分で穴をあける方法は?
A.自分で穴をあける簡単な方法があります。ホームセンター等で簡単に手に入るプライヤーを使うのがポイントです。スプレー缶の底面にあるフチにプライヤーを引っかけて、側面をギュッと締め付けるだけで簡単に穴をあけることができます。ほとんどのスプレー缶はアルミなどのやわらかい金属でできているため、女性でも軽く力を入れるだけで穴があけられるでしょう。ただし、ガスカートリッジ缶のようなスチール製は、握力のない方にとっては困難なケースがあるので注意してください。

Q.ほかのゴミとまとめて袋に出しても大丈夫か?
A.ほとんどの自治体では、スプレー缶は別の袋に入れて出すことが推奨されています。実際に、不燃ゴミで出された袋の中に、中身の残ったスプレー缶が入っていて清掃車で火災が発生した事故が起きているからです。火災や爆発のリスクを避けるためにも、ガスライター・スプレー缶・カセット式ガスボンベなどは、必ず使い切ってから別の袋で出してください。

Q.不用品回収業者に依頼する際の費用はいくらぐらいか?
A.不用品の種類や量などによって異なりますが、1点あたり約3,000~5,000円が目安になるでしょう。あくまで目安ですし、スプレー缶の場合はもっと安くなる傾向もあります。不用品回収業者によっては、不用品をまとめて回収するプランも用意されているでしょう。スプレー缶のほかに処分したい不用品があれば、プランのほうがお得になることもあります。

Q.不要品回収業者の選び方は?
A.不用品回収業者の中には、高額な費用を請求したり、回収したものを不法投棄したりする悪徳業者が存在しているので注意しなければなりません。どの不用品回収業者に依頼すればいいのか分からない場合は、以下のポイントを参考に選んでください。

  • 不用品回収の実績があるか
  • 回収だけでなく買取サービスも行っているか
  • 古物商や産業廃棄物収集運搬許可を取得しているか
  • 無料相談や無料見積もりを行っているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 口コミや評判がいいか

上記のポイントを踏まえた上で、複数の業者を比較するのが大切です。複数の業者を比較することで、悪徳業者が見極めやすくなるでしょう。

まとめ

スプレー缶を処分する際は、中身を空の状態にしてから捨てることが大切です。中身が入ったまま処分してしまうと、火災や爆発の恐れがあります。また、中身を捨てる際にも注意点がいくつかあるので気をつけなければなりません。自治体によっても処分方法が異なるため、事前に掲示板やホームページ等で確認する必要があります。自分で処分するのが不安な方は、不用品回収業者に依頼するのもいいでしょう。まとめて処分することで費用が抑えられる可能性もあります。