服の虫食い対策はどうしていますか? 害虫が服を食べるのは幼虫の時期だけです。しかし、成虫の時期になると、洗濯した服を干している間に、卵を産み落とす危険があります。多くの害虫は5月初旬に成虫になるため、冬物の服をしまう際には、産み落とした卵ごと収納してしまわないように注意する必要があるのです。

「虫食いの見分け方を知りたい」「虫食いの原因や予防法とは?」「害虫が発生しやすい環境とは?」そんな疑問にお答えします。 害虫の種類や防虫の方法、衣替えの際に気をつけるポイントについても知っておきましょう。

  1. 虫食いから服を守る方法
  2. 服を食べる害虫が発生しやすい環境
  3. 服の虫食い被害を補修する方法

1.虫食いから服を守る方法

衣替えのたびに発見する虫食い。お気に入りの服を守るためにも、虫食いを予防する方法を知っておきたいものですよね。

1-1.屋外から害虫を持ち込まない

虫食いを予防するためには、原因になる害虫を室内に持ち込まないようにするのが一番です。外出先から帰ったら、まずは玄関で服をブラッシングし、付着している成虫や卵を払い落としましょう。

特に注意が必要なのは、植物の近くにいたときです。キク科の植物には、衣類の害虫であるコイガやカツオブシムシなどが多く集まるため、十分注意してください。ベランダや庭でガーデニングをしたとき、洗濯物を取り込むときなども、一緒に害虫を取り込むことがないよう気をつけましょう。

1-2.汚れをしっかり落としてからしまう

服に食べこぼしなどの汚れが残っていると、虫食いの被害が拡大しがちです。 1度しか来ていない服でも、きちんと洗濯をして汚れを落としてから収納するようにしましょう。もちろん、皮脂や汗などの汚れにも要注意です。脇の下やエリ・そでの汚れには部分洗い剤を使い、黄ばみや食べこぼしには液体酸素系漂白剤を直接塗ってから洗濯する方法がおすすめ。広い範囲に汚れがついている場合は、つけ置きをしてから洗濯するようにしましょう。

また、害虫は湿気を好みます。湿度の低い晴れの日に、しっかり乾かしてから収納するようにしましょう。部屋干しの場合は、湿気の多い浴室ではなく、風通しのよい部屋で完全に乾かすことをおすすめします。さらに、洗濯後にアイロンをかけるとより効果的です。残っていた害虫の卵や幼虫が、アイロンの熱で死滅するでしょう。この方法は、洗濯できない衣類にもおすすめです。

1-3.衣類用圧縮袋に入れて収納する

衣替えで長期的に服を収納する場合は、1枚ずつ圧縮袋に入れて空気を抜き、しっかり封をしましょう。こうすることで、害虫の侵入を防ぐことができます。このとき、時間がたっても開いてしまうことがないように、しっかり封をするようにしてください。害虫はわずかなすき間でも侵入する可能性があります。次のシーズンも気持ちよく着ることができるように、正しく収納しておきましょう。

1-4.防虫剤を使用する

タンス内に成虫がいる場合は、産卵する恐れがあります。防虫剤を使って被害を防ぐ方法もあるでしょう。特に衣類の上に直接置くタイプものを使用する場合は、衣類を変色する可能性もあるため、必ず一種類の防虫剤を使用するようにしてください。

服の汚れを落としてから収納することが大切なんですね。
はい。汚れは虫のエサになります。

2.服を食べる害虫が発生しやすい環境

服の虫食いが発生しやすい環境とは、どのようなものなのでしょうか。虫食い被害に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.換気が不足すると危険

虫食いの被害は年々増加傾向にあります。その理由は、一般家庭での換気不足や温暖化の影響が考えられるでしょう。害虫が好むのは、湿気の多い温かい環境なのです。冬でも温かい「気密性の高い家」は、虫が活動しやすい環境とも言えるでしょう。 衣類に穴を開ける害虫は、主に「イガ」の幼虫や「ヒメカツオブシムシ」など。成虫でも5mmに満たないため、屋外からの侵入を防ぐのは難しいでしょう。タンスの中などに産卵し、増殖を繰り返しながら衣類の繊維やホコリを食べて成長します。

2-2.虫が活動的になるのは「春先」

衣類を食べる害虫の活動が活発になるのは、主に春先です。 この時期が来る前に防虫対策をしっかりとしておきましょう。 普段から家の中をしっかりと掃除しておき、換気を心がけて清潔に保つことも大切。 収納の際は、衣類に汚れがついていないかしっかりチェックしましょう。

特に被害を受けやすいのは、ウールやアンゴラ、シルクなどの素材です。着物は天然素材で作られているものが多いため、特に注意が必要でしょう。ポリエステルなどの化学繊維は、基本的に虫のエサにはなりません。ただし、害虫は皮脂なども食べるため、その場合は繊維質に関係なく被害にあうこともあるでしょう。

湿気も虫が好む環境なんですね。
はい。乾いた環境では害虫は活動できなくなります。

3.服の虫食い被害を補修する方法

虫食いの被害にあってしまった服は、補修することも可能です。捨てる前に、補修できないか試してみてください。

3-1.自分で補修するには

アイロンを使って自分で補修するためのアイテムも販売されています。「裁縫が苦手」「急いで補修したい」という人に大変おすすめです。 専用のものがない場合は、裾上げテープやストッキングなどで代用することも可能でしょう。

3-2.専門店に依頼することも

穴が大きくて自分で補修できない場合は、お直し専門店に依頼することをおすすめします。 自分で補修するよりも仕上がりがきれいになることは間違いないでしょう。 虫食いと言っても、程度はさまざまです。

程度によってお直しの料金も変わってくるでしょう。虫穴が貫通していなければ、直径約5mmだと300円程度が相場です。 貫通している場合は500~800円程度で補修してもらうことができるでしょう。ただし、スーツの場合は「かけはぎ修理」が必要になるため、最低でも1か所5000円程度はかかってしまうこともあります。

3-3.衣類を処分する場合

虫食いの被害が拡大し、補修するのが難しい場合もあるでしょう。 「衣類を処分したい」という場合は、どのような方法があるのかご紹介します。 自治体のゴミ回収サービスを利用して「燃えるゴミ」として捨てる方法が一般的です。 しかし、処分する衣類が大量にある場合や、ほかにも不用品があるなら、不用品回収業者を利用すると便利でしょう。 自宅まで引き取りに来てくれるため、自分で持ち運ぶ必要がありません。

また、分別も業者がしてくれるでしょう。 状態のよいものは買い取ってくれる業者もあるため、ぜひ探してみてください。 ただし、業者を選ぶ際は注意が必要です。 料金をだまし取る、回収した不用品を不法投棄するなどの業者も存在しています。 そのような業者を選ばないためにも、事前に複数の業者に無料見積もりを依頼し、比較してから決めるようにしましょう。

服の虫食いは自分で補修ができるんですね。
はい。ただし、礼服などが虫に食われた場合はプロに補修を依頼しましょう。

まとめ

この時期は、服の虫食い被害に悩んでいる人も多いと思います。 虫食いを予防するためにはどうしたらよいのか、ぜひ考えてみてください。 被害を拡大しないためにも、効果的な方法を見つけましょう。