「布団を片付けるだびにほこりが出る」「布団にどのくらいのほこりが積もっているのか不安」など、布団のほこりが気になり始めると不安でいっぱいになるでしょう。また、布団がほこりっぽいと、安心して眠ることができませんよね。しかし、どうすれば布団からほこりを取り除くことができるのか、具体的な方法が分からない……。

そこで本記事では、布団のほこりを取り除く方法と予防策などについて解説します。

  1. 布団からほこりが出る原因は?
  2. 布団のほこりを放置する危険性
  3. 逆効果!布団たたきのデメリット
  4. 布団のほこりを取り除く方法
  5. 布団のほこりを予防するコツ
  6. 布団のほこりに関してよくある質問

この記事を読むことで、布団のほこりを取り除く方法などが分かります。悩んでいる方、気になっている方はぜひチェックしてください。

1.布団からほこりが出る原因は?

なぜ、布団かたほこりが出てくるのでしょうか。まずは、その原因をしっかりと把握してください。

1-1.ほこりの正体は布団そのもの

布団からほこりが出る原因は、その布団事態にあります。カバーから出た糸くず・内側から出た羽毛の破片や綿など、布団からほこりとなる小さなものが出てきているからです。また、カーペット・ソファー・衣類などあらゆるものからほこりが発生し、布団に付着することもあります。ほこりはどうしても発生してしまうので、完全になくすことはできません。けれども、その量を減らすことはできます。

1-2.繊維のくずはいろいろなものと絡みやすい

室内のほこりは、布団・衣類などから出た繊維のくずがほとんどです。布団の場合は、綿を中綿に使用したタイプが、1番ホコリが発生しやすいといわれています。掛け布団としてよく使われる羽毛布団も、ホコリが発生しやすいタイプです。これらの繊維のくずは、皮脂の汚れ・ふけ・あか・花粉・ダニ・カビ・ウイルス・菌などさまざまなものと絡みやすい特徴があります。

1-3.静電気パワーがほこりを引きつける

布団を使う際、髪の毛がくっついたり、パチパチしたりと静電気を感じることがあります。実は、この静電気もほこりを引きつける原因の1つです。静電気とほこりがくっついているので、空気清浄機をフル稼働していても、布団からほこりが出てきてしまいます。つまり、できるだけほこりの量を少なくするためには、除電もポイントになるということです。

布団は繊維くずや羽毛、羊毛の破片などのホコリが出やすいんですね。
はい。布団自体がホコリを発生させる原因なんです。

2.布団のほこりを放置する危険性

布団のほこりを放置すると、どのような危険が及ぶのでしょうか。

2-1.ハウスダストによるアレルギーの発症

布団のほこりを放置していると、ハウスダストによるアレルギーを発症する恐れがあります。睡眠に必要不可欠な布団は、寝ているとき常に口や鼻と密接するものです。口や鼻が低い位置にあるため、ほこりを吸い込みやすくなります。今までアレルギー症状がなかった人が発症したり、もともとアレルギーを持っている方の症状が悪化したりと、悪影響を及ぼすことになるでしょう。子どもの場合は大人よりも免疫力が低いので、喘息を引き起こすきっかけにもなります。

2-2.喉がガラガラ・鼻水が止まらなくなる

寝ている間に鼻や口からほこりを吸い込んでいると、朝起きたときに喉がガラガラになってしまいます。うがいをしても、喉の奥に何か詰まっているような感覚になるでしょう。そんな状態が毎日続くと、喉の粘膜が炎症を起こし、声が出しづらくなってしまいます。また、ほこりは菌やダニなどが絡まりやすいので、鼻水や咳が止まらなくなるなどアレルゲンによるアレルギーの初期症状を引き起こす恐れもあるのです。

2-3.不眠症になることも

ハウスダストによるアレルギー反応が続くと、不眠症になってしまう恐れがあります。身体的要因による不眠の場合、その根本的な原因はアレルギーがほとんどです。アレルギー反応による不眠は、寝具・寝室の不衛生な環境が大きな原因だと考えられています。眠れない日々が続くと体だけでなく、精神も不安定になり、ストレスを感じやすくなったり、疲れやすくなったりしてしまうでしょう。安らかな眠りを手に入れるためにも、布団のほこりをできるだけ少なくすることが大切なのです。

2-4.感染症・食中毒・がんなど大病につながることもある

ほこりには、カビの胞子も含まれており、大量の胞子を毎日吸い込んでいると感染症・食中毒の原因になります。また、カビの中には、毒を分泌し健康被害を及ぼすケースもあるようです。たとえば、カビが作り出す毒には発がん物質があります。特に、免疫力が大人よりも低い子どもやお年寄りは発がん物質の抵抗力が弱いので注意が必要です。

ハウスダストアレルギーを発症することもあるんですね。
はい。アレルギーを発症することで、ほかの病気が続けて発症することもあるでしょう。

3.逆効果!布団たたきのデメリット

「布団たたきをすればほこりを落とすことができる」と思っている方は要注意です。実は、布団たたきはデメリットの要素がたくさんあります。では、どのようなデメリットがあるのか、詳しく解説していきましょう。

3-1.布団たたきだけではほこりを除去できない

布団たたきによって内側に潜んでいるダニやノミ・ほこりを除去できると思われがちですが、布団をたたくだけではほこりやダニは除去できません。布団をたたくと、ダニの死がいやフンが細かく表面に出てきてしまい、寝ているときに吸い込んでしまいます。むしろ逆効果になってしまうのです。特に、ダニは布団たたきの衝撃にびっくりして、布団の中に隠れてしまいます。

3-2.布団の中綿を傷つけてしまう

ほこりを徹底的に除去しようと力を入れて布団をたたくことで、中綿を傷つけてしまう恐れがあります。中綿が傷つくと、クッションや断熱性・保熱性など布団の機能が損なわれてしまうでしょう。

3-3.近隣トラブルに発展する恐れもある

布団たたきのデメリットは、ほこりやダニなどが除去できない・中綿が傷むだけではありません。近隣にパンパンと音が響くため、近所迷惑になりやすい点もデメリットの1つです。今の時代、わずかな音で近隣トラブルに発展し、殺人など大きな事件へとつながる恐れがあります。布団たたきの音に「うるさい」「迷惑」と感じている方が増えているので、近隣トラブルに発展するリスクも覚えておいたほうがいいでしょう。

3-4.布団を「たたく」のではなく「なでる」動作が正解

布団たたきがダメなら、一体どのようにすればいいのか悩みますが、正しい使い方は「なでる」動作です。布団をやさしくなでるようにすることで、布団の汚れを除去し、機能性も維持し続けることができます。布団たたきを使うなら「たたく」のではなく「なでる」ようにしてください。

布団たたきをむやみにやってはいけないんですね。
はい。汚れは布団を撫でるようにして落とすか、掃除機を用いましょう。

4.布団のほこりを取り除く方法

布団のほこりを取り除く方法をいくつか紹介します。どの方法も気軽にできることなので、ぜひチェックしてくださいね。

4-1.片面あたり1~2時間干す

布団のほこりを取り除くために、最初にしてほしいのは布団を干すことです。干す時間は、片面あたり1~2時間が目安なので丸1日干す必要はありません。ただし、前述したとおり、家の中へ入れる前に布団をたたかないように気をつけてください。布団たたきでやさしくなでるか、手のひらで表面をなでるように払うだけでOKです。

4-2.布団に掃除機をかける

干した後の布団は湿気が取れていますが、まだほこりがたくさん残っています。そのため、掃除機で残っているほこりを吸い取ってください。まず、布団を広げて置き、端から順に掃除機をかけます。1列あたり10~15秒が目安で、なるべくゆっくりとかけていきましょう。表面が終わったら、裏面も同じように掃除機をかけます。最近、さまざまな種類が登場している布団用掃除機を活用するのも方法の1つです。梅雨時期など雨の日が続くときは干せないので、1週間に1度は布団に掃除機をかけるように心がけましょう。

4-3.部屋のほこりを取り除く

布団だけでなく、室内のほこりを少なくすることも大切なことです。布団を干している間に、部屋に溜まったほこりを取り除いていきましょう。時間がないときは、床に溜まったほこりを掃除機で取り、換気で空気中のほこりを外に追い出せば十分です。念入りに掃除したいときは、先に、本棚など床の高い場所に積もったほこりをぞうきんやハンディモップで払ってから床のほこりを除去してください。

掃除機をかけることが有効なんですね。
はい。専用の掃除機も販売されています。

5.布団のほこりを予防するコツ

布団から出るほこりを少なくするためには、どのように防げばいいのでしょうか。

5-1.ほこりが出にくい種類を使う

布団のほこりをなるべく少なくしたいなら、ほこりが出にくい種類に買い替えるのがおすすめです。ポリエステルは繊維が強く、綿がちぎれほこりが発生するリスクが低いといわれています。布団メーカーの中には、ポリエステル素材で繊維構造が羽毛に似ているものもあり、羽毛布団の機能がほしい方にぴったりです。どの種類がいいのか分からない方は、布団販売店のスタッフと相談しながら決めるといいでしょう。

5-2.カバーとシーツをこまめに交換する

布団カバーやシーツなどの寝具はほこりが付着しやすくなっているため、こまめな交換が必要です。最低でも週に1回は交換または洗濯してください。替えとして予備に数枚用意しておくと便利なのでおすすめです。布団カバーとシーツは直接肌に触れるものでもあるので、清潔な状態に維持し続けることが大切なポイントとなります。また、シーツを洗濯する場合、洗濯のりを使用すると羽毛立ちを抑えることができるため、ホテルのような気持ちいい手触りが実現できるでしょう。

5-3.定期的に換気する

晴れた日に布団を干すのはもちろんのこと、布団が置かれている寝室はほこりっぽくなるので定期的に換気しましょう。冬場は空気が冷たいので換気しづらいかもしれませんが、10分ほどでも構いません。窓を開けるだけで空気中のほこりを外に逃がすことができます。もし、窓がない場合は、空気洗浄機など家電の力を借りるのも方法の1つです。

布団カバーやシーツをこまめに変えることも大切なんですね。
はい。ぜひ実践してみましょう。

6.布団のほこりに関してよくある質問

布団のほこりに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.ほこりを溜めない方法は?
A.定期的に換気を行うほか、棚などにものをたくさん並べないことが大切です。特に、寝室は寝る前に読む本や小物・写真・観葉植物などを置いている方が多いと思います。ものがたくさんあるほど、ほこりが溜まりやすくなり、掃除もしにくくなるので必要最低限のものだけにしましょう。必要なもの以外は、引き出しやフタつきの入れものにしまうとほこりの発生を防ぐことができます。

Q.静電気を抑えるポイントは?
A.静電気によって壁にほこりが付着しやすくなっているため、寝室の壁掃除も定期的に行う必要があります。そこで、除電に役立つのが柔軟剤です。柔軟剤が入った水にぞうきんを浸し、しっかりとしぼります。後は、そのぞうきんで壁掃除をするだけでOKです。柔軟剤は除電効果があるので、掃除するだけでほこりが溜まりにくくなるでしょう。また、静電気が発生しない寝具類を使うのも方法の1つです。

Q.布団のほこり対策ができるアイテムは?
A.ほこりがつきにくい掛け布団カバー・花粉やほこりを通さない布団干し袋・ほこりをスムーズに除去できる布団クリーナーなどがあります。これらの便利なアイテムを使うことで、布団にほこりが発生しにくくなるのです。ぜひ近くのホームセンター等でチェックしてください。

Q.布団用掃除機の選び方は?
A.大きく分けて、たたき型・掃除機派生型・ハンディクリーナー兼用型の3種類があります。布団専用機でよくあるタイプがたたき型で、布団の表面をたたきながらほこりやダニを吸い取るのが特徴です。掃除機派生型はたたき機能がなく、モニターブラシで吸引します。ハンディクリーナーと布団用掃除機が兼用になっている兼用型は、掃除機をかける前にノズルとハンディの交換が必要になるので手間がかかるでしょう。どれが1番効果があるのかは一概にいえないので、目的や機能などを見ながら選んでください。

Q.布団のほこりは洗濯でも落とせるのか?
A.思いきって布団を洗濯し、ほこりを落とすこともできます。ただ、家庭用洗濯機では布団の丸洗いができないと思うので、コインランドリーを活用することになるでしょう。コインランドリーは洗濯乾燥機もあるので、洗いと乾燥が同時にできます。布団によっては丸洗いができないタイプもあるため、事前の確認が必要です。

まとめ

布団のほこりを完全になくすことはできませんが、工夫次第で量を減らすことができます。寝ている間に大量のほこりを吸い込み続けると、アレルギー反応や喘息になりやすくなるので放置は絶対にNGです。布団のほこりを除去するには、晴れた日に干し、取り込む前にやさしく表面をなでてある程度のほこりを落としてください。後は、掃除機または布団用掃除機で吸い取るだけです。また、室内から発生するほこりがほとんどなので、定期的な部屋の掃除も必要でしょう。