浴室の鏡などについた「うろこ状の汚れ」は、掃除をしてもすぐについてしまい、なかなか取れません。ありとあらゆる方法を試してみても、頑固な鏡のうろこに苦労している方が多いのではないでしょうか。うろこ状の汚れが鏡につく原因をきちんと理解しておけば、適切な方法で落とすことができます。身近にある掃除アイテムで汚れを落とすことができ、キレイな鏡を維持し続けることが可能です。本記事では、鏡のうろこ汚れを落とし、キレイな状態を維持するためのポイントを紹介します。

  1. 鏡のうろこの正体は?
  2. 鏡のうろこの掃除前に知っておきたいこと
  3. 鏡のうろこの掃除方法をチェック!
  4. 鏡のうろこの予防対策は?
  5. 鏡のうろこに関してよくある質問

この記事を読むことで、鏡のうろこ汚れを落とす方法が分かります。悩んでいる方やキレイな状態を維持したい方は、ぜひチェックしてください。

1.鏡のうろこの正体は?

キレイな鏡を汚す「うろこ」とは、どのような汚れなのでしょうか。まずは、うろこ汚れの正体について理解を深めていきましょう。

1-1.うろこの汚れの正体は?

鏡についている「うろこ状の汚れ」の正体は、水の中に含まれているカルキやカルシウムなどのミネラル成分です。水道水は一見透明の水のように見えますが、成分がたくさん含まれています。これらの不純物が含まれている水滴が時間の経過とともに蒸発し、鏡・壁・床に不純物だけが残るのです。その結果、残った不純物が岩のように硬くなり、うろこ状の汚れとなります。

1-2.うろこ状の汚れがつく原因は?

うろこ状の汚れがつくのは、「水垢(みずあか)」と「石けんカス」が大きな原因です。風呂場は大量の水を頻繁に使用する場所なので、水滴が鏡につきやすくなります。水道水に含まれるケイ素・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが鏡にこびりつき、時間の経過とともに結晶化してうろこ状の水垢になるというわけです。さらに、石けんカスが付着することで、水道水のミネラルが反応し頑固な汚れとなります。時間が経(た)つほど頑固になるので、早めに掃除するのがポイントです。

2.鏡のうろこの掃除前に知っておきたいこと

うろこ汚れをキレイに落とすため、掃除の頻度やベストな時期をチェックしておきましょう。

2-1.掃除の必要性、メリットは?

掃除することでキレイな鏡になれば、気持ちが良くなりますよね。鏡の掃除をする理由はそれだけではありません。鏡の酸化と腐敗を防ぐ目的もあります。鏡には反射膜として銀メッキ膜が使用されているため、空気中の水分や化学物質と反応するたびに銀の酸化・腐敗が起こるのです。その現象として、鏡の縁(ふち)に黒いシミが現れます。黒いシミの悪化を防ぐためにも、日常的に鏡の掃除を行わなければなりません。

2-2.掃除の頻度はどのくらいか?

できれば、毎日鏡の掃除を行ったほうがよいのですが、毎日忙しい方にとっては掃除の時間がないでしょう。そんなときは1回の掃除に時間をかけずこまめに掃除をするようにしてください。最低でも1週間に1度の掃除をおすすめします。浴室の鏡の場合は、毎回使った後に掃除することを心がければ、毎日するのも苦ではありません。

2-3.注意点

「まだ汚れていないから大丈夫」「後で掃除すれば良い」と思わずに、うろこ汚れが気になったそのときに掃除をするよう心がけてください。なぜなら、放置するほど頑固な汚れとなり、落ちにくくなるからです。うろこ汚れが気になったときにこまめに掃除すれば、頑固な汚れに苦労することはありません。鏡の大きさによりますが、掃除にかかる時間は5分ほどなのでぜひ心がけてください。

3.鏡のうろこの掃除方法をチェック!

それでは、鏡のうろこ汚れの掃除に必要な道具と、掃除方法のポイントを解説します。

3-1.用意するもの

鏡のうろこ汚れの掃除に必要なアイテムは以下のとおりです。

  • クエン酸・重曹・歯磨き粉
  • 新聞紙
  • 酸性洗剤
  • ダイヤモンドパッド
  • タオルまたは布

以上の中で、「ダイヤモンドパッド」という言葉を初めて目にした方が多いのではないでしょうか。ダイヤモンドパッドとは、人工ダイヤを使った研磨面のあるスポンジのことです。100円均一ショップなどで販売されており、研磨面で鏡のうろこ汚れを落としていきます。クエン酸・重曹・酸性洗剤などで落ちないときは、ダイヤモンドパッドを使ってみてください。

3-2.清掃方法、ポイントを紹介

使用する洗剤ごとに、鏡のうろこを落とす掃除方法とポイントを詳しく説明します。

3-2-1.クエン酸スプレーの場合

クエン酸と水を混ぜ合わせたスプレーを使う場合の手順を、以下にピックアップしてみました。

  1. クエン酸水を布につけて鏡を拭く
  2. 水で濡(ぬ)らした布で鏡を拭く
  3. 最後に鏡に残った水滴を乾いた布でキレイに拭きあげる

頑固な汚れの場合は、クエン酸水を気になる部分に吹きつけ、その上からキッチンペーパーを貼り化粧パック状態にしましょう。さらに、キッチンペーパーの上からラップを貼れば、クエン酸が蒸発しづらくなります。そのまま1時間放置した後に、シャワーで流し乾(から)拭きをして完了です。クエン酸水は、水100mlあたりクエン酸小さじ2分の1を加えるだけなので簡単に作ることができますよ。

3-2-2.重曹の場合

クエン酸で落ちない場合は、重曹を使ってみましょう。特に、酸性の石けんカスによる汚れは、アルカリ性の重曹が効果抜群です。まずは、水100mlに対して小さじ1杯程度の重曹を入れ、重曹水を作りましょう。それからの手順は以下のとおりです。

  1. 鏡に重曹水を吹きつけ、その上からキッチンペーパーを貼り化粧パック状態にする
  2. その上からさらにキッチンラップを貼り、二重パックにする
  3. 1時間ほど放置した後、キッチンラップを丸めて鏡をゴシゴシこする
  4. シャワーで流して乾拭きをすれば完了

3-2-3.歯磨き粉の場合

毎日使っている歯磨き粉も、うろこ汚れを落とすことができます。以下の手順で歯磨き粉を使ってキレイに掃除しましょう。

  1. 歯磨き粉を布につけ、もみ洗いするように軽くなじませる
  2. 鏡全体をくるくると円を描くように拭く
  3. 濡らした布で鏡についた歯磨き粉を拭き取る
  4. 最後に乾いた布で拭きあげて完了

ただし、歯磨き粉を使用する際は、研磨剤が配合されていないタイプを使用してください。研磨剤が含まれている歯磨き粉を使用すると、鏡が傷つく可能性があるので要注意です。

3-3.新聞紙を活用しよう

ほかにも、家庭にある「新聞紙」で鏡のうろこ汚れを落とす方法があります。新聞紙を使った掃除方法は、鏡を水で濡らし新聞紙で拭きあげるだけです。新聞紙に含まれるインクがうろこ汚れを落とす研磨作用の役割を果たします。しかし、鏡まわりのプラスチックにインクがつくと、黒いシミのような汚れが付着するので注意してください。新聞紙のインクはプラスチックにつきやすい性質があるので要注意です。

3-4.ダイヤモンドパッドを使用した掃除方法は?

ダイヤモンドパッドを使ったうろこ掃除は、とても簡単です。以下の手順で鏡のうろこを除去してください。

  1. 鏡の汚れをよく水洗いする
  2. ダイヤモンドパッドを水につけ、上下にこする
  3. 鏡の表面がザラザラしなくなったらOK
  4. 研磨した面をよく水洗いし、乾いた布で拭きあげる

ダイヤモンドパッドは何度か使うことができるので、使用後はよく水洗いして乾燥させてください。保管しておけば、次のうろこ掃除で使用できます。

3-5.やってはいけないこと、注意点

曇り止め加工が施されている鏡の場合は、お酢やクエン酸を使用してはいけません。酸性の液体をつけてしまうと、曇り止め加工の効果がなくなってしまうからです。そのため、掃除前には、必ず鏡の種類を確認しておきましょう。また、複数の洗剤を混ぜるのもNGです。「混ぜるな危険」と記載されている洗剤は混ぜないようにしてくださいね。

4.鏡のうろこの予防対策は?

キレイにした鏡を維持し続けるために、うろこ汚れの対策方法をチェックしておきましょう。

4-1.対策方法

鏡のうろこ汚れを防ぐポイントは、毎日のお手入れです。日常のお手入れは、表面に傷をつけないよう柔らかい布で乾拭きするだけなので気軽に続けることができるでしょう。特に、アクリル製の鏡は傷がつきやすい傾向があるため、柔らかいスポンジに水を含ませて拭き、乾拭きで仕上げてください。
また、市販のうろこ取りグッズを活用するのもポイントの1つです。ダイヤモンドパッドのほかにも、うろこ取り専用のスプレーなどが販売されているので、ぜひホームセンター等でチェックしてみてください。

4-2.注意点

曇り止め加工されている鏡でも、湿気の多い場所では汚れやすくなりがちです。湿気が溜まるのは良い環境とはいえないので、こまめな掃除と換気を心がけるようにしてください。鏡の掃除をする際は、換気機能を使うか窓を開けてからにしましょう。鏡をキレイにし換気を心がけておけば、うろこの原因となる水滴の付着が防止できます。

5.鏡のうろこに関してよくある質問

鏡のうろこに関してよくある質問を6つピックアップしてみました。

Q.クレンザーは使わないほうが良いのか?
A.汚れがなかなか落ちないときに「クレンザー」を使用する方がいますが、表面に傷がつくおそれがあるので使わないようにしてください。クレンザー以外にも、毛先が硬いたわしを使うのもNGです。鏡の表面は思っている以上に繊細なので、できるだけ柔らかいスポンジを使いましょう。

Q.クエン酸・お酢を使う際のポイント、注意点は?
A.風呂場の鏡には、端(はし)の部分に金属が使われているものがあります。金属部分にお酢やクエン酸など酸性の液体をつけてしまうと、サビの原因になるので注意が必要です。もし、酸性の液体を使う場合は、ラップなどで金属部分をカバーしてからスプレー等で吹きかけてください。

Q.鏡のうろこの付着を防ぐ簡単な方法は?
A.浴室から出る前に、熱めのお湯を鏡にかける方法です。熱めのお湯をかけた後、鏡についた水滴をタオルでキレイに拭き取れば、キレイな鏡が維持できます。水をかけると拭き跡(あと)が残りますが、熱めのお湯ならすぐに乾くので跡が残りません。拭きあげた後は換気扇をまわし、できるだけ乾燥させてください。この方法を毎日続ければ、鏡にうろこ汚れがつきにくくなります。風呂あがりにササッとできる方法なのでおすすめです。

Q.酸性洗剤にはどんなものがあるのか?
A.ホームセンターなどにはたくさんの酸性洗剤が販売されています。ほとんどの商品の表面に「酸性洗剤」と記載されているのでぜひチェックしてみてください。その中でも、おすすめなのが「練りタイプの酸性洗剤」です。練りタイプは鏡につけても垂れないため、使いやすい種類といえるでしょう。練りタイプの洗剤をスポンジにつけてから鏡を掃除してください。

Q.お酢を使用した掃除方法が知りたい
A.基本的に、クエン酸水を使用した掃除方法と同じです。お酢をスプレー容器に入れ、気になる部分に吹きかけてください。そして、濡れた布と乾いた布で拭きあげていきます。頑固な汚れの場合は、お酢をかけた後にティッシュまたはキッチンペーパーなどで貼りつけてから拭き取りましょう。お酢には殺菌作用もあるので、小さな子どもがいる家庭でも安心して使用できます。

Q.キレイな鏡を維持するための工夫は?
A.うろこ汚れを落とした後に、汚れがつかないよう「曇り止めキッド」を使用するのもポイントの1つです。曇り止めキットを鏡に塗り乾かすだけで水をはじきます。水垢の原因となる水滴の対策に最適です。ホームセンターなどで手に入るので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

いかがでしたか? 鏡のうろこ汚れの原因は、「水垢」と「石けんカス」です。鏡に付着した水滴が乾燥し蒸発すると、水道水に含まれているカルキ成分が残り硬くなります。その結果、表面にうろこ状の汚れが現れるというわけです。うろこ状の汚れを見つけたときに、すぐ柔らかいスポンジやタオルで拭けばキレイに落ちるでしょう。しかし、ある程度時間が経過すると、簡単に落とすことができなくなります。そんなときは、お酢・クエン酸・重曹・酸性洗剤などでキレイにしてください。鏡の表面は傷がつきやすいデリケートな部分なので、クレンザーやたわしを使うのはNGです。できるだけ、毎日こまめに掃除をしていけば、キレイな鏡を維持し続けることができるでしょう。