台所は、使ったら掃除をするという習慣が大切です。掃除を怠った場合、排水溝のつまりが発生し、臭いや汚れの定着を招くでしょう。きれいな台所を維持するため、排水溝のつまりを解消する方法を覚えておけば安心です。つまりやすい場所やつまるとどうなるかも、併せて覚えておいてください。
今回は、台所の排水溝につまりが起こる原因や、つまりが起きた場合の解消法などについてご紹介します。

  1. 台所につまりが起こる原因
  2. 台所のつまり・解消法
  3. 台所のつまり予防・掃除方法
  4. 台所のつまりでよくある質問
  5. まとめ

この記事を読むことで、台所のつまりについてよく分かります。また、普段からできるつまりの予防法も理解できるでしょう。

1.台所につまりが起こる原因

なぜ、台所につまりが起こるのか、つまりを放置した場合にどうなるのかなどをご紹介します。

1-1.なぜつまるのか?

キッチンに多い汚れは、油・野菜などの食品ゴミ・カビなどでしょう。複合的な汚れが蓄積し、やがてつまりとなって現れるのです。突然つまりが発生した場合は、大きな固形物が排水溝につまっていることがあります。

1-2.どこがつまるのか?

台所のつまりが起こりやすい場所は、2つあります。排水トラップと排水管です。排水トラップの場合は目に見える場所であるため、つまりの原因がすぐに分かるでしょう。たとえば、食品カスが蓄積し、排水トラップを覆っている場合は、取り除くだけでつまりが解消します。一方で、排水管のつまりが発生している場合、一般の人ではつまりの原因を特定できないことがあるでしょう。

1-3.構造・つまりやすい場所

排水トラップは、二重構造になっています。排水管の臭い逆流防止や食品ゴミが流れ込むのを防ぐために、排水溝の入り口にはワントラップというカップ形状のふたがあるのです。まれに、ワントラップの内部にゴミが流入し、つまりが発生することがありますが、取り除くだけでつまりが解消することがあります。
ワントラップを通過した排水は、排水管をとおって屋外へ出て行くのです。ワントラップ内やシンクのゴミ受け皿でつまりがない場合は、排水管内部に問題があります。排水管は屋外までまっすぐ伸びているわけではなく、S字やクランク状になっていることがほとんどです。そのため、ゴミが流入することでつまりが発生し、流れが著しく悪化します。

1-4.つまるとどうなるか?

台所の排水溝がつまると、水の流れが悪くなるだけではなく、水漏(も)れが発生する可能性があります。排水管から汚水が逆流し、異音や悪臭を放つなどの問題もあるのです。ボコボコと異音がする場合、つまりの前兆だと考えられます。汚水の逆流などは衛生環境の悪化につながるため、つまりは早めに解消すべきなのです。

2.台所のつまり・解消法

台所のつまりを解消する方法を解説します。

2-1.用意するもの

台所のつまり解消には、薬剤か器具を使う方法になります。薬剤の場合、パイプ洗浄剤を用いてください。器具の場合、ワイヤーブラシ・ラバーカップ・ペットボトルとなります。薬剤も器具も使わずに解消する場合は、タオルや重曹を用いた方法がおすすめです。

2-2.パイプ洗浄剤

最も手軽にできるのは、パイプ洗浄剤で汚れなどを洗い流す方法です。油もきれいに流すことができるでしょう。ただし、完全に固まってしまった汚れには効果がないのです。定期的に行うようにし、汚れが定着しないようにしなければなりません。

2-3.ワイヤーブラシ

排水管内の洗浄もできるのが、ワイヤーブラシのメリットです。ワイヤーブラシは、ホームセンターなどで購入することができます。排水管内にこびりついた汚れを落とし、流れや臭いの解消につながるでしょう。

2-4.ラバーカップ

半球型でゴム製の吸盤を、ラバーカップと呼びます。排水管のつまり解消によく使われているものです。使い方は、排水溝の入り口にラバーカップをグッと押しあててから、一気に引き上げます。ラバーカップを使うときは、排水溝のサイズに合うものを選んでください。

2-5.ペットボトル

ペットボトルを排水溝に差し込み、空気を送ってつまりを解消する方法です。ペットボトルをペコペコと潰し、排水溝に空気を送り込んでください。ポイントは、何度か繰り返すことです。空気が流れ込むことにより、排水溝内の水圧が上昇し、つまりの原因となっていたゴミを取り除くことができます。

2-6.タオル

ワントラップを外した排水溝の穴にタオルをつめ、シンク内にお湯を張ります。注意したいのは、排水溝の穴にすき間ができてしまうとお湯が流れてしまうため、排水溝をしっかり埋めるようにタオルをつめることです。お湯がシンクの6割ほどまで貯(た)まったら、タオルを引き抜いてお湯を一気に流しましょう。

2-7.重曹

重曹とクエン酸を組み合わせ、発泡作用を起こして汚れやゴミを溶かす方法もあります。重曹は消臭効果もあるため、排水管の汚れもきれいに落とすことができるでしょう。重曹を排水溝の入り口にたっぷりふりかけ、クエン酸を溶かしたお湯を注(そそ)いでください。

2-8.洗剤について

前述したとおり、市販のパイプ洗浄剤は、固まってしまった汚れには効果がありません。なるべく汚れが定着する前に使用するようにし、汚れ防止の観点からも定期的な使用を心がけましょう。

2-9.こんなときはプロへ

自力でのつまり解消が難しい場合は、プロに依頼すべきでしょう。たとえば、パイプ洗浄剤で効果が出ない・固形物がつまっている・ワイヤーブラシで届かないなどのケースです。つまりを放置すると、水漏(も)れ被害が起こります。つまりの程度により料金は変動しますが、5,000円前後の料金がかかるのが一般的です。被害が拡大する前に、なるべく早めに依頼するようにしましょう。

3.台所のつまり予防・掃除方法

つまりは、起こる前に予防することが大切です。普段からできる掃除方法などをご紹介します。

3-1.日常的な掃除の仕方

まず大切なのは、ゴミをそのまま流さないことです。食品ゴミや油を流してしまったら、つまりが起こりやすくなります。キッチンを使用するたびに、ゴミを取り除くことを習慣にし、なるべくきれいな状態を維持するようにしましょう。ゴミ受け皿にゴミ取りネットを設置しておくのも、掃除をしやすくする方法の1つです。

3-2.パイプの掃除について

前述したとおり、定期的にパイプ洗浄剤を使い、排水溝や排水管内をきれいにしておくことも重要です。月に1〜2回程度を目安にしてください。パイプ洗浄剤を使用後、シンクにお湯を張って流すという習慣を併用することで、よりつまりにくい環境にすることができます。

3-3.そのほかに注意すべきこと

油は、パイプのつまりを誘発します。というのは、油は温度が下がると固まるため、排水管内にこびりついてしまうからです。たとえば、揚げものなどに使用した油をシンク内にそのまま流してしまった場合、シンク内にべたつきが起こります。同じように、排水管の内部にも油が付着して残るのです。そのため、油は新聞紙などで拭き取るなどの処理をし、鍋だけを洗うようにしましょう。

4.台所のつまりでよくある質問

台所のつまりは、予防することが大切です。分からないことは質問集で解決してください。

Q.パイプ洗浄剤は、液体と顆粒(かりゅう)のどちらがいいのか?
A.液体タイプのほうが使いやすいでしょう。顆粒(かりゅう)は、粒そのものがパイプのつまりにつながる可能性があります。

Q.ワイヤーブラシがまっすぐ入らないときはどうすべきか?
A.排水管は曲がっているため、まっすぐワイヤーブラシが入らないことがあります。止まったところでワイヤーブラシを回し、角度を変えてから再び押し込んでいきましょう。ブラシの回転とともに、汚れも掻(か)き出してくれます。

Q.真空パイプクリーナーとは?
A.ホームセンターでも購入できるものです。ラバーカップと同じような使い方で、ハンドル操作で真空状態にすることで、パイプ内のつまりを解消できるアイテムとなっています。

Q.ペットボトルを使うときは、2リットルのものと500ミリリットルのもののどちらがいいのか?
A.どちらでも構いません。送り出す空気の量を増やしたい場合は、大きなサイズのペットボトルを選んだほうがいいでしょう。

Q.シンク内にお湯を貯(た)めるときは、熱湯を使うべきか?
A.熱湯は避けてください。なぜなら、排水管の耐熱温度が60℃程度までとされているからです。お湯の温度が高すぎる場合、排水管の破損を招きます。ご注意ください。

5.まとめ

いかがでしたか? 台所の排水溝は、ゴミ・汚れ・カビなどによってつまりが発生しやすいため、普段から掃除をきちんとすることが大切です。つまりが起こった場合、パイプ洗浄剤・ワイヤーブラシ・ラバーカップなどを使った解消方法があります。ペットボトルやタオルを使う方法もおすすめです。ただし、自力での解消が難しい場合や、ワイヤーブラシで届かないような場所がつまっている場合は、プロに依頼したほうがいいでしょう。台所のつまりを放置したら、水漏(も)れなどの被害を招く恐れがあるため、なるべく早く解消するようにしてください。