
外壁の汚れをキレイにしたい! 掃除の仕方や業者に依頼する方法
外壁は、毎日雨や風にさらされている場所です。ホコリ・排気ガス・サビ・カビ・雨だれ・藻(も)などの汚れが、どうしてもついてしまいます。外壁の汚れを放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、外壁内部の劣化にもつながるので注意しなければなりません。家の耐久性を維持するためには、定期的に外壁の汚れを洗浄するなどのメンテナンスが必要です。本記事では、外壁が汚れる原因・対策法・業者へ依頼する方法・相談先について説明します。
この記事を読むことで、外壁の汚れをキレイにする方法が分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。
1.外壁の汚れについて
外壁の汚れをキレイに取り除くためには、外壁の種類・汚れの原因・成分・放置の危険について知ることが大切です。それでは、詳しくチェックしていきましょう。
1-1.外壁の種類
外壁の主な種類は、窯業系サイディング・金属系サイディング・木質系サイディング・モルタル・ALC(軽量気泡コンクリート)・タイル張りの6種類です。現在の日本でよく使われているのは、窯業(ようぎょう)系サイディングとなります。それぞれの特徴を以下にピックアップしてみました。
- 窯業系サイディング:セメントと繊維質・無機質を混ぜて板状に成形したもの。約7~8割の住宅に使われ、防耐火性・耐久性に優れている
- 金属系サイディング:ガルバリウム・アルミニウム・ステンレスの鋼板。長期間、メンテナンスの必要がなく、寒冷地で使われることが多い
- 木質系サイディング:天然の木に塗装をして仕上げたサイディング。断熱性能に優れている
- モルタル:針金の網などの上に、砂と水・セメントを混ぜて練り上げたモルタルを、左官コテで塗りつけた外壁材。施工に手間がかかるため、最近は採用されていない
- ALC:通常のコンクリートよりも軽く、水に弱い弱点がある
- タイル張り:粘土・陶土(とうど)・長石・石英(せきえい)などを砕き、成型し高温で焼き固めた外壁材。耐火・耐水・耐候などの性能が優れている
1-2.汚れの原因
外壁は、常に外部の空気と触れ合っています。雨風やホコリ・塵(ちり)・排気ガスなどによって、汚れがつきやすい場所です。そのため、「この前掃除したのにすぐ汚くなる」と悩む方が多いのでしょう。使われている外壁材によって異なりますが、ざらざらしていたり、凸凹(でこぼこ)があったりすると汚れがつきやすくなります。汚れがたまりやすい構造も、原因の1つといえるでしょう。
1-3.汚れの成分は?
外壁の汚れには、さまざまな種類があります。主な汚れは、以下のとおりです。
- 排気ガス・ホコリ:凸凹部分に付着しやすい。少しずつ外壁が黒ずむ
- 藻(も)・コケ・カビ:日当たりが悪い場所につきやすい。雨水では落ちにくい傾向がある
- 雨だれ:雨だれのような突起物によって、1か所に集中して水が流れる。その流れに沿って汚れが付着しやすい
- サビ:汚れを放置することで発生しやすい。特に、波型の外壁トタンに発生しやすい傾向がある
- 変色:長い期間、紫外線を浴び続けることで外壁の色が変わる現象。塗り替えが必要になる
1-4.放置するとどうなるか
外壁の汚れを放置するほど、頑固な汚れになってしまいます。自分で道具を使って落とせる汚れでも、なかなか取り除(のぞ)けなくなってしまうでしょう。また、外壁の汚れは内部劣化につながるため、家全体の耐久性に悪影響をもたらします。台風・地震に弱い家になってしまうので注意しなければなりません。できるだけ、放置せず、早めに汚れを取り除きましょう。
2.外壁の汚れ対策
外壁の汚れを取るタイミング・頻度、自分で取る方法・注意点について説明します。汚れ対策が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
2-1.汚れを取るタイミング・頻度について
基本的に、汚れを見つけたときにすぐ掃除をしてください。サイディング・モルタルの場合、水洗いで簡単な汚れを取り除くことができるでしょう。常に、キレイな状態を維持し続けるためには、外壁の状態をチェックして、汚れ具合を確認することが大切です。できれば、年に1~2回程度で外壁の点検・メンテナンスを行ってください。
2-2.自分で取る方法
自分で汚れを取り除く場合、素材別・必要な道具・ポイントについて把握しておかなければなりません。それでは、早速チェックしていきましょう。
2-2-1.素材別
先ほども言いましたが、サイディングとモルタルの汚れは水洗いで落とすことができます。排気ガス・ホコリ・藻・コケ・カビ・雨だれなどの汚れがついている場合、ホースで洗ってください。その後、スポンジで汚れを落としてみましょう。これだけでも結構落ちます。それでも落ちない場合は、中性洗剤を使ってください。タイルとALCも、基本は水洗いでOKです。
素材の中には、デッキブラシなどの硬いものでゴシゴシこすってしまうと、外壁塗料が落ちてしまうおそれがあります。最初は、ゴシゴシとこすらずに水洗いをして、やわらかいスポンジやタオルで汚れをふき取ることが大切です。
2-2-2.必要な道具
自分で汚れを取り除く場合、ホース・スポンジ・中性洗剤を用意してください。通販で購入できる「高圧洗浄機」を使用しても良いですが、圧力が強すぎると外壁自体を傷めてしまうことがあります。そのため、高圧洗浄機を使用する際は、取扱説明書をきちんと読んで、圧をかけすぎないようにしましょう。
2-2-3.ポイント
まずは、どんな汚れがついているのか確認してください。たいていの汚れは水洗いで落とすことができますが、コケ・カビは専用の洗剤を使用したほうが良いでしょう。汚れに適した洗剤を使用することで、素早く汚れを落とすことができます。たとえば、カビ取りスプレーを汚れの部分に吹きかけて30分ほど放置してください。その後にホースで洗い流せばOKです。時間を置くことで、汚れの奥深くに洗剤が浸透して落ちやすくなります。
2-3.注意点
頑固な汚れやサビ・変色などは、業者に依頼したほうが良いでしょう。何とか落とそうとゴシゴシこすりすぎると、外壁を傷めてしまいます。手遅れにならないうちに、業者へ依頼したほうが安心です。
3.外壁の掃除を業者へ依頼する場合
業者へ依頼する場合、どのような点を押さえておけば良いのでしょうか。ここでは、依頼すべき状態・業者の掃除方法・汚れにくい素材・料金について説明します。
3-1.依頼すべき状態
水洗いをしても汚れが落ちない場合は、業者に依頼したほうが良いでしょう。すでに、頑固な汚れとなっているため、専門業者に依頼したほうがキレイにできます。また、外壁が変色している場合は、汚れではありませんので塗り替えが必要です。業者へ依頼する前に、外壁の状態をしっかりチェックしておきましょう。
3-2.掃除方法は?
業者はプロなので、どのような汚れがついているのか確認した上でキレイに掃除します。汚れに適した方法で掃除してくれるのが、業者に依頼する大きなメリットといえるでしょう。外壁汚れの場合は、高圧洗浄や専用洗剤を使用するなどして掃除します。事前の現場確認で外壁の素材も確認するため、間違った方法で外壁を傷める心配はありません。
3-3.汚れにくい素材について
汚れをつきにくくするための外壁塗料があります。たとえば、シリコン・フッ素を上まわる高いグレードを持っている素材です。耐用年数が10年以上の塗料が多いため、ほかの種類よりも汚れるリスクが減ります。できれば、安い塗料よりも性能の良い塗料を使用したほうが安心です。また、光媒体塗料も汚れにくい素材として人気があります。太陽光により汚れを分解し、雨の流れで洗い落とす力を持っているのです。
3-4.料金について
汚れ具合や範囲・業者などによって料金が異なります。サイディングの場合は1棟当たり約5~25万円、ガルバリウム鋼板の場合は約5~20万円です。高圧洗浄だけであれば、1㎡当たり約100~300円となりますが、足場設置と養生の有無によって加算される可能性があります。具体的な料金については、業者に無料見積もりを依頼してください。
4.外壁の汚れに関してよくある質問
外壁の汚れに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.場所によって汚れ具合は違うのか?
A.活火山の近くに住んでいる場合、噴火で灰や砂由来の汚れがつくでしょう。また、最近では、中国から飛んでくる黄砂・PM2.5によって汚れがついてしまいます。工場・石油コンビナートの近くに住んでいる場合は、ばい煙による汚れが心配ですね。
Q.外壁が傷ついている場合はどうすべきか?
A.汚れだけでなく、外壁にヒビが入っているなど傷ついているのであれば、補修が必要です。軽度のヒビであれば自分でも処置できますが、できれば業者に相談したほうが良いでしょう。個人では判断しにくいため、プロの業者に見てもらうことをおすすめします。
Q.自分で汚れを完全に取り除くことはできるのか?
A.正直に申しますと、自分で完全に取り除くことはできません。特に、油汚れや菌などによる汚れは、水洗いだけで除去できない可能性が高いでしょう。水洗いで落とせるカビ・コケでも、外壁の深部に根を張っている場合は要注意です。洗浄しても、その後すぐに汚れが再発してしまうことがあります。
Q.バイオ高圧洗浄とは?
A.高圧洗浄を行った後に、カビ・コケの発生を防ぐバイオ洗剤を外壁面に塗装する作業のことです。バイオ高圧洗浄を依頼する際は、高圧洗浄よりも費用が高くなります。カビ・コケに悩んでいる場合は効果的ですが、バイオ洗剤が草木にかかると枯れるおそれがあるので要注意です。
Q.高圧洗浄機を使用する場合の注意点とは?
A.水圧を上限に設定してはいけません。外壁がダメージを受けてしまうため、調節しながら使ってください。また、一か所に長く水を当て続けないこともポイントです。高圧洗浄機は水が勢いよく出るため、隣の家との間隔が狭い場合は、水圧を弱めてください。水圧を強めたまま使用してしまうと、隣の家に水が飛び散るおそれがあります。稼働時の音もうるさいので、使用時間に気をつけましょう。
まとめ
いかがでしたか? 外壁の汚れは、排気ガス・ホコリ・塵・雨だれ・カビ・コケなどさまざまな種類があります。ほとんどの汚れは水洗いで落ちるものですが、外壁の深部に入りこんでいる頑固な汚れはなかなか落とすことができません。そこで、無理にゴシゴシこすってしまうと、外壁を傷める可能性があります。頑固な汚れで困っている方は、プロの業者に依頼してください。専用機器・洗剤などの道具を使い、汚れに適した方法で洗浄を行います。きちんとポイントを押さえておけば、スムーズに取り除くことができるでしょう。