孤独死で急増する特殊清掃とは?バイト感覚ではできないプロの仕事

あなたは一人暮らしですか?自分にもしものことがあったなら、誰が発見してくれるのだろうと考えたことはありますよね。すぐに発見されればいいのでしょう。しかし、何か月・何年も経過した後だったら……想像しただけで不安になるはず。不安になる気持ちはとてもよくわかります。
近年、高齢化社会や核家族化が進み、一人暮らしの方が増加傾向にあるのです。一人暮らしは自由気ままと考える方ももちろんいらっしゃるのですが、孤独や不安とも背中合わせ。人間は常に健康でいるわけではありません。いつ死がやってくるか、想像することは難しいでしょう。突然やってくる孤独死。死人が出た部屋では、死臭や体液の処理を適正に行わなければ、いつまでも臭いやシミの問題がつきまといます。孤独死の現場に必要になってくるのが、特殊清掃です。
今回は、孤独死の後処理を行い、新しい入居者を迎え入れる環境を整備するための知識をご紹介します。

  1. 特殊清掃の基礎知識
  2. 孤独死の現場において自分でやってはいけない理由
  3. 特殊清掃の内容
  4. 実際にあった特殊清掃の事例
  5. 特殊清掃の選び方
  6. よくある質問
  7. まとめ

この記事を読むことで、孤独死した後に必要な知識を得て、一般の清掃との違いを把握できます。次の入居者が入れる環境作りに生かすことができるでしょう。

1.特殊清掃の基礎知識

日本人なら、誰でも畳の上で家族に看取(みと)られながら、最期のときを迎えたいと思うものですよね。高齢化社会になり、人の寿命が延びています。病院で亡くなる方、高齢者施設で亡くなる方など死に様は、人生を語るとまでいわれるほど大きな違いがあるのです。

1-1.特殊清掃が必要になっているのはなぜ?

近年、特殊清掃と呼ばれる業種が注目され、メディアでもたびたび目にするようになりました。一般的な清掃会社やリフォーム業者とは一線を画し、秀でた清掃能力と住宅の修復を行う、遺体処理のプロです。

1-1-1.若者の自殺も急増している

一人暮らしで亡くなるのは、寿命を迎えた高齢者ばかりとは限りません。心に闇を抱える若者の自殺も増え、両親と疎遠になっているゆえ、発見が遅れることもあります。普段から家族との結びつきが少なく、連絡がなくてもあたり前だと思っていませんか?学校や会社で悩みを抱えていても、相談する相手もいない。孤独な若者は、死で悩みを解消できると思う方もいるのです。

1-1-2.賃貸住宅は原状回復しなければならない

大切な人が変わり果てた姿。発見された後、悲しみや苦悩と同時にやってくるのは、賃貸住宅を家主へきれいにして戻す作業です。賃貸住宅で孤独死した場合、死の痕跡を残さずに返還する義務があります。
原状回復したとしても、孤独死があった住宅として事故物件扱いされることになるのが現実です。しかし、借り主の誠意として必ずきれいにして戻さなくてはいけません。また、費用が高いからと特殊清掃を行わずに一般の清掃で済まし、再び悪臭が発生したと後々クレームが出る恐れもあるでしょう。
クレームの発生がきっかけでいよいよ特殊清掃に依頼となるなら、二度手間にもなりますし、費用も二重にかかってしまいます。

1-2.特殊清掃とは何か?

孤独死とはいっても、すぐに発見されることも、数年放置されることもあります。部屋で人が死亡するのは、珍しいことではありません。

1-2-1.自宅で看取(みと)っても特殊清掃が必要なの?

死を追求すると、自宅介護の末に亡くなることもあるでしょう。死をひとまとめにしてしまうなら、全部に特殊清掃が必要なのだろうか?という疑問も湧いてきます。家族に看取(みと)られてすぐ、きちんと葬儀・火葬・埋葬という過程を経ているなら、特殊清掃を行う必要はありません。

1-2-2.孤独死にはどんなものがある?

孤独死の中には、病死・自殺・殺人も含まれています。いずれも誰かが発見することなく、時間が経過した遺体のこと。殺人の場合、遺体や部屋の状態がひどくなっていることも珍しくありません。殺人事件のあった現場というだけで何かとレッテルを貼られてしまい、入居者がいなくなるケースもあります。人が死んだと聞き、気になるのは悪臭や痕跡。一般の清掃を行い、かえって被害が広がる可能性の方が高いのです。通常のリフォームや清掃で終えてはいけない理由は、遺体が腐敗していく過程にあります。

1-2-3.遺体腐敗に伴う適正処理が必要

遺体は、人の死後1時間から腸内細菌の増殖が始まり、内臓を溶かします。腐敗したガスが体内に溜(た)まっていくのが最初の段階です。
死後硬直が始まるのは、死後2時間が経過してから。20時間経過した時点が、最も死後硬直が強い状態です。死斑が体表に現れるのも同じころとされています。
心肺停止後、血液の循環も行われなくなるため、血液は下へ集まるのです。溜(た)まった血液や体液が噴出するように、腸内ガスとともに耳・鼻・口・肛門(こうもん)など出口から噴出します。尿や便も同時に垂れ流すように出始めるため、悪臭が発生するのです。

1-2-4.ウジやハエなど害虫駆除も入念に行う

遺体の腐敗速度は、季節によっても異なります。夏や梅雨は腐敗進行が速く、ウジやハエが大量発生してしまうのです。冬季も同じくウジやハエの発生は避けられず、必ず害虫駆除を行わなければなりません。
孤独死の場合、害虫の大量発生で周囲が異変に気づくことが多いのです。窓・ドアポスト・換気扇から逃げ出した害虫を不審に感じ、異臭が漂うのに気づくというケースも目立ちます。
特殊清掃では、ウジやハエなど害虫駆除を徹底的に行い、再び発生しないよう対策を施すのです。わずかでも残るなら、また卵を産んで増えてしまいます。

1-3.遺品整理との違い

特殊清掃業者でも、依頼すれば遺品整理を行ってもらえます。

1-3-1.第一段階は特殊清掃で死臭と体液の除去

最初に孤独死の現場処理をし、体液や遺体があった場所のシミを丁寧に落とすことが最優先です。布団で遺体が発見された場合、布団をとおして畳・床板・コンクリート基盤まで体液が浸透してしまいます。体液を残さないことが、死臭を取り除くために最も重要です。
死臭を取り除くと聞くと、どうしても遺体があった場所だけを清掃すればいいとイメージしがち。家中に死臭は広がります。孤独死のあった現場に一歩足を踏み入れると、独特の悪臭が鼻をつき、忘れることができないと語る方もいるのです。
特殊清掃を行って臭いを取り除かない限り、死臭で遺品整理はギブアップするに違いありません。第一段階は、特殊清掃から始めてください。

1-3-2.きれいにした部屋で遺品整理を始めよう

特殊清掃を行う意義は、親族の方々に故人の無念さを見えないようにすることでもあります。亡くなった方も、自分では思いがけぬ死で身辺整理ができていないこともあり、自殺なら知られたくない過去を持っていることもあるのです。
死臭・死肉・体液・血液がべっとり付着した場所を取り除く行為だけが特殊清掃ではありません。生前の故人が持っている良い印象だけを残し、親族へ手渡すまでが特殊清掃の仕事です。
親族の方が自分たちで遺品整理したいという申し出があるなら、死を感じないように清掃が入念に行われます。

1-3-3.遺品整理も依頼する場合

遺品整理と特殊清掃を同時に依頼するなら、大まかでも必要なものを伝えておき、遺品として手渡してもらうようにします。金銭・通帳・有価証券・写真・日記など、価値ある品と思いいれがある品を遺品として受け取ることが一般的です。
業者により方法は異なりますが、遺品の処分は月に1度供養を行ってから、業者によって処分まで行ってもらえます。遺品整理だけを依頼することも可能です。遠方で出向くことができない・すぐに家主へ部屋を明け渡す必要がある・買い取りもしてもらいたいなど、個々の事情に添う遺品整理ができます。

2.孤独死の現場において自分でやってはいけない理由

孤独死の現場は、1つ1つ違います。首吊(つ)り・水死・餓死・病死など、どこにいたかでも対応は全く変わってくるのです。

2-1.体液を拭いておけばいいのでは?

死臭の恐ろしさを知らない方だと、付着した体液を水拭きしておけば臭いを取り除(のぞ)けると勘違いすることがあります。死臭は決して甘くありません。
床表面に留(とど)まっていることはなく、浸透して床板やコンクリート基盤まで達し、すべてを取り除かなければ再び臭いが漂います。たとえ表面の体液を拭いたとしても、水拭きで体液を広げてしまうだけ。臭いの元をどんどんほかの部屋に移動してしまう結果に陥ります。絶対に水拭きは避けてください。

2-2.消臭剤は一時的に効果を感じるだけ

中には消臭剤で死臭を打ち消そうとする方がいます。死臭に消臭剤は効果がなく、効果が得られても一時的なもの。すぐに死臭が発生して、取れなくなってしまうでしょう。
芳香剤を使用する場合、香り成分と死臭が混ざり合い、強烈な悪臭になることが予想されます。消臭剤を使用する場合でも、無香料のものにしてください。ただし、特殊清掃を行わない限り、死臭が解消することはありません。

2-3.布製品はそのままゴミに出さない

死臭の付着した布団・衣類・カーペットなど、そのまま自治体のゴミステーションに出してしまうと住民トラブルになる恐れが高いでしょう。
特殊清掃業者でも、いくつものゴミ袋に丁寧に梱包(こんぽう)し、周囲からわからないようにして運び出します。死臭はもとより、体液・血液・死肉がついたものは、人目に触れないよう配慮しなければなりません。

3.特殊清掃の内容

特殊清掃を依頼する方の多くが感じているのは、身内の死に様を見たくない・良い思い出だけを残しておきたい・孤独死をひきずりたくないといった思いです。孤独死があった事実を消すことはできませんが、特殊清掃することで気持ちの区切りがつけられます。実際に特殊清掃の現場では、どのような作業が行われているのでしょうか?

3-1.遺体が運び出されてから清掃作業開始

特殊清掃は、孤独死の連絡を受けてすぐ開始するのではありません。まず警察が孤独死の現場確認し、検死が行われるのが一般的です。検死後、警察の許可が下りてから特殊清掃が入ることが許されます。

3-2.どのような方法が用いられるのか?

孤独死で注意したいのは、死因や遺体の状態・発見されるまでの期間です。

3-2-1.細菌感染症対策

発見が遅れる・悲惨な殺人現場だったという場合、遺体処理には時間と労力を費やします。放置期間が長いなら、腐敗による細菌やウイルスの繁殖も考えられるでしょう。作業員の感染症リスクも高まるのです。
超微粒子化した酸化剤を散布し、室内の汚染を改善してから作業開始となります。親族の方も感染症を恐れず、入室できる環境にすることができるのです。

3-2-2.害虫除去

遺体や室内に発生したウジ・ハエ・ゴキブリなどの害虫駆除を行います。殺虫剤で退治して駆除した後、残さず取るために掃除機で吸引することも必要でしょう。
ウジは畳と同化しやすい色であるため、気づきにくいので注意しなければなりません。

3-2-3.汚染物の撤去

家の中には、血液・体液・死肉・排泄(はいせつ)物など汚染されたものが散乱し、死臭の原因となっています。汚染物はできる限り撤去し、畳や床板も状況で取り除くのが特殊清掃のやり方です。汚れた部分だけを取り除いても、再び死臭が蘇(よみがえ)る原因となります。必ずすべてを撤去しなければなりません。
汚染物を撤去する際に注意すべきポイントは、腐敗臭が近隣に広がらないよう配慮すること。布団・衣類・カーペットなどは、ビニールで二重三重に梱包(こんぽう)してから運び出します。わずかでも体液がこぼれてしまうなら、死臭が広がりクレームの発生にもつながるのです。

3-2-3.消臭作業開始

一連の作業後、死臭除去に最適な薬剤を使って入念な除菌・消臭を行います。使用薬剤については、業者によりさまざま。だからこそ、優良な業者選びには死臭除去を専門に扱っていることを確認しておくべきです。
薬剤の散布は、拭き取り掃除後の状況を見て判断します。タンパク質除去剤を使用することもあるでしょう。

3-2-4.遺品整理と処分品の搬出

部屋にあるものすべてに、死臭が移っていることを忘れてはいけません。遺体があった場所だけきれいにしても、室内にある家電製品や家具を撤去しない限り、いつまでも死臭が残ってしまいます。
賃貸住宅の場合、早期に家主へ引き渡しを求められるケースがほとんど。特殊清掃と合わせて遺品整理を依頼し、貴重品以外の不要な生活用品は撤去してもらうようにしてください。

3-3.業者に依頼するメリット

腐敗した遺体を撤去しても、室内の汚れ・シミ・死臭を素人が解消するのは難しいもの。掃除だけなら、何とかなる!と思う方も多いのですが、実は孤独死の現場は甘いものではないのです。

3-3-1.生々しい現場を見なくて済む

長期間放置されたままの遺体を運び出した後でも、遺体があった場所には人の形がそのままくっきり残っていることが多いのです。生々しい現場を目のあたりにしなくていいのが、業者に依頼するメリットでしょう。

3-3-2.特殊清掃後はハウスクリーニングも兼ねている

孤独死の現場を元のきれいな状態に清掃し、次の入居者が入れるようにハウスクリーニングまで行うのが、特殊清掃の仕事です。退去時に遺体の痕跡を取り除いておくだけでいいという方もいますが、入居者が入れる環境にしなければ家主も困ってしまいます。やれることを最大限までやっておくなら、孤独死があったから誰も入らない!と苦情をいわれることもないでしょう。

3-3-3.素人仕事ではクレームの元

特殊清掃は、最後まで徹底的に死臭の確認を行います。わずかでも残っているなら、消臭作業は繰り返し必要です。死臭は、熟練した作業員の鼻で確認します。いくつもの現場を経験してきたプロだからできる、職人作業です。
自分で清掃すると、死臭を見逃してしまうことも多いでしょう。清掃後、いったん死臭が消えたように感じても、コンクリート基盤まで浸透しているのを見逃し、死臭がぶり返してしまうのです。クレームを何度も受けずに済むのは、特殊清掃に依頼する大きなメリットでしょう。

4.実際にあった特殊清掃の事例

特殊清掃は孤独死が増えている今、必要性も再認識されるようになってきました。今までの清掃業からより専門的に遺体処理が行えるエキスパートも広がり始め、「自分ではやりたくないけれどやらなくてはいけない」処理をしてくれる貴重な業務でもあります。

4-1.浴室で孤独死した事例

浴室で孤独死した場合、室内より清掃が困難かつ慎重に行わなければなりません。湯船に浸(つ)かったまま水死した遺体は、水分を吸い込んで膨張し、時間の経過とともにやがて泥状になります。
栓を抜いて流してしまえばいいと思う方もいるでしょう。しかし、詰まりの原因にもなりますし、死臭が配管に付着したままいつまでも臭いを放ちます。
浴室での孤独死を処理する場合、浴槽内部の液体を丁寧に吸引していく作業から開始するのです。周囲に汚染物が飛散しないよう、浴室以外の場所にはビニールで養生を行います。
吸引後、浴槽ごと取り外して、新しいものに取り替えるのが一般的です。浴槽に染み付いた臭いは、消臭剤を使っても落とすことができません。浴槽の交換と基礎の消毒を行い、衛生的な浴室環境を取り戻します。

4-2.冬季でも暖房で腐敗が進む

冬は気温が低く、夏より遺体の腐敗速度が遅いとされています。しかし、室内でなくなった場合、暖房やこたつを使っていることもあるでしょう。特にこたつは内部温度が上昇するため、遺体劣化がしやすいの注意が必要です。
暖房で室内温度が上がり、放置した食品も腐敗してしまいます。死臭とともに腐敗臭も漂うため、徹底的な消臭を行うのです。一見ほかの事例よりきれいに見える孤独死の現場でも、こたつを撤去したら無数のウジ・ゴキブリ・ハエが出てきたという事例もあります。消臭剤の使用と一緒に、床面に防臭コーティングを施すこともあるでしょう。

5.特殊清掃の選び方

孤独死など遺体処理のエキスパートである特殊清掃。自殺者数や一人暮らしの高齢者増加に伴い、特殊清掃業者も増えてきています。インターネットで調べるだけでも、特殊清掃を扱う業者はたくさんあるのがわかるでしょう。しかし、どこを選べば最も費用対効果を感じられるのかわからない、丁寧かつ迅速に対応してくれるのか不安という方が多いもの。特殊清掃の選び方をご紹介します。

5-1.遺体処理のプロだからできること

遺体発見の知らせに、驚きとショックを受ける方がほとんどだと思います。形見分けや取っておきたい品があったとしても、死臭が染み付いてしまい、思うように受け取れないこともあるでしょう。
何より、孤独死の現場は悲惨な状態であることが多いため、後々ご自身がトラウマになってしまうことも珍しくありません。ふとしたことで蘇(よみがえ)る死臭に、あなたは耐えられますか?
プロだからできるのは、親族の心情に配慮して清掃を行い、何より故人の尊厳を保(たも)つこと。残された遺族と故人を尊重した片付けと清掃が実現できるのは、特殊清掃だからできる仕事なのです。

5-2.特殊清掃選びのポイント

特殊清掃は、通常の清掃より費用が高くなります。死臭・死肉・体液・血液の除去など、賃貸住宅の退去時に行うハウスクリーニングとは求められるレベルが全く違うのです。
安さ・スピーディーさに注目して業者を選ぶ方もいます。しかし、中には経験の少ない特殊清掃員もいるので注意してください。消臭剤も一般的な消臭効果のものでは完全除去できません。死臭除去専用の消臭剤で処理する、死臭処理技術の高い業者を選ぶべきです。
また、特殊清掃を依頼するときは、清掃範囲を確認してください。想像より範囲が狭かったという話はよく耳にします。追加料金が発生し、トラブルになることもあるでしょう。事前に作業範囲と作業手順は確認しておくべきです。

5-3.特殊清掃の費用は?

特殊清掃の料金は、各社さまざま。広さ・遺体状況・遺体発見場所でも変わってきます。遺品整理を行うなら、特殊清掃とは別に費用がかかりますので、見積もりを出してもらうことが大切です。

5-3-1.作業内容と金額に納得してから契約する

いずれも大切なのは、作業内容と金額に納得できてから契約すること。特殊清掃はなるべく早く行わなければならないため、焦って契約してしまう方も多いでしょう。
しかし、十分な説明が聞けず、清掃範囲や内容が食い違ってしまうと、業者とも家主ともトラブルになってしまいます。

5-3-2.特殊清掃の費用相場

特殊清掃には基本料金を決めている業者が多いもの。現場を確認後、見積もりを出して必要な料金を算出します。

  • 基本料金(5万5000円〜50万円)
  • 汚染物処理(2万円〜25万円)
  • 消臭・消毒処理(2万円〜15万円)
  • 害虫駆除(2万円〜15万円)

遺品処理を行う場合、広さに応じた費用が請求されます。特殊清掃と遺品整理の合計費用相場は、8万5000円〜130万円を想定しておきましょう。

5-4.費用が高額で払えないときの保険

すべての遺族に、高額な特殊清掃代金を支払えるゆとりがあるとは限りません。賃貸物件の場合、保証人がいないケースもあるでしょう。もし支払いができず、特殊清掃ができないなら、死臭を放置してしまう結果になるのです。では、不測の事態を回避する手段はあるのでしょうか?

5-4-1.少額短期保険への加入

少額短期保険は、賃貸物件で孤独死・殺人・自殺が発生した場合に、家主が保険金を受け取れるものです。保険金は特殊清掃・リフォーム・遺品整理などに活用でき、遺族が支払えなくても保険金を元に着手できます。

5-4-2.保険料はいくら?

少額短期保険の保険料は、定額タイプと家賃に応じた保険料を算出するタイプがあります。いずれのタイプも、入居者の承諾を得てから加入することが必要で、加入内容も入居者に伝えなくてはいけません。

5-4-3.保険金の内訳は?

受け取る保険金には、2つの種類があります。1つは、孤独死のあった現場を、元どおりに修繕して清掃する費用をまかなえる原状回復保険金です。もう1つは、家賃損害保険金というもの。孤独死があった現場としてなかなか入居者が決まらず、家賃収入が減少する損失を被ることがあるでしょう。大幅な家賃値引きを強いられることもあります。家主にとって損失を補い、保証するための保険金です。200万円が上限というタイプが多いとされています。

6.よくある質問

特殊清掃についてよくある質問をまとめてみました。

6-1.事件現場特殊清掃士とはどんな資格ですか?

事件現場特殊清掃センターによる、特殊清掃のプロ「事件現場特殊清掃士」養成講座を受講し、課題を提出して合格した人だけが与えられる称号です。
特殊清掃で大切なのは、死臭除去とゴミ処理といった物理的なことだけではなく、亡くなった方の魂も一緒に弔う心。インターネットでは、裏仕事掲示板など特殊清掃員の求人が出ていることもありますが、特殊清掃のプロはきちんとした資格を持ち、故人への敬意を持った人物です。

6-2.追加料金が不安

契約前は、必ず複数から見積もりを出してもらいましょう。作業内容と金額を比較し、納得できる業者へ依頼します。費用での不安を抱く方から聞こえてくるのは、追加料金が発生しないかということ。現場を清掃していく中で、死臭除去を何回も行う場面が出てきます。時間もかかりますし、根気と辛抱のいる作業です。
自分ではできない作業ゆえ、特殊清掃に委ねるしか方法がありませんよね。追加料金の有無は事前に確認しておいてください。遺品整理を合わせて行い、不要品の処分を依頼するなら、見積時に伝えておきましょう。良心的な業者なら、追加料金は発生しません。

6-3.特殊清掃のアルバイトをしたい

特殊清掃に興味を持つ方も多いでしょう。実際にブログを見て面白そうや高い給料を想像し、アルバイトしたいと思う方もいます。求人広告も出ていますが、実際に仕事をしてみるとアルバイト感覚では務まらないことがよくわかるはずです。
簡単にゴミを捨てて掃除するイメージとは程遠く、誰もがやりたがらない仕事ではあるものの、やらなくてはいけない重要な任務なのを理解してください。
特殊清掃の給与も想像されているより高いわけではなく、一般的な職業とは変わらないのが現状です。死者に敬意を表し、魂を扱う仕事だということを忘れないでください。

6-4.特殊清掃を近隣に知られたくない

特殊清掃を依頼する方の多くは、近隣住民の目を気にされます。孤独死を知られ、ひそひそ噂(うわさ)話をされては、遺族の苦しみは増すばかりです。
作業にあたり、周囲への配慮は大前提で、汚染物も人目に触れないよう二重三重に梱包(こんぽう)し、死臭が広がるのも防ぎます。
特殊清掃業者の中には、作業トラックの会社名にマグネットシートを貼り付けて、業務内容をわからないようにするケースもあるのです。故人に敬意を表すとともに、遺族への配慮も忘れずに行われます。近隣の方々に孤独死の処理かどうか尋ねられても、決して業務内容を明かすことはありません。

6-5.特殊清掃が行われる前の現場を見たくない

見積もりを出す際、同席しなければいけないのでは……と不安に感じる方もいますよね。悲惨な死を遂げた状態と猛烈な死臭の中、見積もりに同席するなんて耐えられないという遺族がほとんどです。怖い・体液を見たくない・死の痕跡を見たら忘れられなくなるなど、何かと恐怖を感じることがあるでしょう。
必ずしも同席しなければならないわけではなく、鍵を預けて見積もりを依頼することもできます。特殊清掃では、故人の良い思い出だけを心に残しておきたいという遺族の思いも大切にしているので、不安を抱く必要はありません。
もし、現場に立ち会いたくないという希望があるなら、必ず申し出てください。

7.まとめ

いかがでしたか?一人暮らしの高齢者や孤独な若者による孤独死が増え、遺体引き取り後の清掃を遺族が求められることになります。清掃とはいえ、一般の掃除と特殊清掃は全く性質が異なるもの。死臭処理技術に優れた業者を選ぶことが大切です。自分で水拭きして、余計に死臭を広げてしまう恐れもあります。素人の考え方で処理しては、いつまでも臭いが消えずに残ってしまうのです。そのため、特殊清掃という孤独死で出た体液・血液などの汚染物処理のプロに依頼することが求められます。故人との思い出をいつまでも美しいものにするため、特殊清掃に依頼して死臭が残るなどのトラブルも未然に防ぎましょう。