今は、スーパーやホームセンターに行くとたくさんの洗剤が並んでいます。
「家に洗剤がたくさんあって使いきれない」という方もいるでしょう。
しかし、洗剤は決して体にとってよいものではありません。
そこで、今回は体に無害なエコ洗剤の作り方をご説明します。
実は身の回りにあるもので、簡単に洗剤は作れるのです。
体に無害な洗剤ならば小さいお子様やペットのいるご家庭でも安心でしょう。
エコ洗剤を使って掃除をしたいと思っている方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。

  1. 家庭で発生する汚れとは?
  2. エコな洗剤の原料とは?
  3. エコな洗剤の作り方
  4. エコな洗剤は昔からの知恵?
  5. おわりに

1.家庭で発生する汚れとは?

まず始めに、家庭に発生する汚れの種類をご説明します。
つまり、これらの汚れを落とすものであれば、洗剤を使わなくてもよいのです。

1-1.油汚れ

油汚れ、というとキッチンの汚れを想像する方が多いでしょう。
しかし、油は私たちの体からも皮脂として分泌されています。
ですから、手垢の汚れやお風呂のアカなども油汚れの一種なのですね。

1-2.水アカやカビ

水回りの水滴をそのままにしておくと、黒カビやピンクがかった水アカが発生します。
また、鏡にこびりつくうろこ状の汚れは水アカやカルキが固まったもの。
これが案外がんこな汚れになります。
さらに、雨水が乾いて固まるとその中に含まれていた汚れが、白い筋になって残ることもあるでしょう。

1-3.ほこり

寝具や服から出る繊維くずなどがほこりになります。
ペットを飼っている人は、その毛もほこりの原因になるのです。
さらに、花粉やダニなど目に見えないほど小さなほこりは「ハウスダスト」といい、アレルギーの原因になります。
ほこりは発生したばかりのころは、掃除機で吸い取るだけでよいでしょう。
しかし、ほこりに油汚れが混じったり、水と合わさったりすると取れにくい汚れに変身するのです。
また、油汚れや水アカをそのままにしておくと、そこにほこりがくっついてしまいます。
ですからほこりを毎日掃除機で吸い取るだけでなく、油汚れや水アカも丁寧に掃除をしましょう。

2.エコな洗剤の原料とは?

では、体に無害なエコ洗剤の原料はどのようなものがあるのでしょうか?
この項では、簡単に手に入るものをいくつかご紹介します。
薬局やホームセンター、100円ショップでも手に入るのです。

2-1.重曹

数年前にキッチンの汚れを劇的に落とす、と大評判になりました。
重曹はアルカリ性で別名炭酸水素ナトリウムです。
昔から野菜のあく抜きやふくらし粉、さらに胃薬などにも使われてきました。
アルカリ性の物質は、油性の汚れをよく落とします。
また、重曹は粒子が細かいので、研磨剤としても役立つでしょう。
粉上になっているので、少量の水で練ってペースト状にしたり水に溶かして重曹水にしたりして使います。

2-2.セスキ炭酸ソーダ

家庭用の洗剤や入浴剤の成分として使われているものです。
重曹と同じアルカリ性ですが、重曹よりも洗濯に適しています。
また、重曹と同じように水に溶かしてセスキ炭酸ソーダ水にしても、がんこな油汚れなども落とせるでしょう。
これも、ホームセンターなどで手に入ります。

2-3.炭酸ナトリウム

ご家庭で簡単に手に入るものとしては、最も強いアルカリ性のものです。
これは食品添加物としても使用されていて、こんにゃくを固めたり中華めんのかん水としても使われたりしています。
炭酸ナトリウムの使い方は重曹やセスキ炭酸ソーダと全く同じ。
ただし、強アルカリな分、より少ない量で効果を発揮します。
ですから、大量の汚れを落としたいという場合に使うとよいでしょう。
ただし、強アルカリですから直接触ると皮膚がいたみます。
必ず手袋をはめて扱ってください。

2-4.クエン酸

レモンをはじめとする柑橘類(かんきつるい)の酸っぱさの元が、このクエン酸です。
クエン酸は名前の通り酸性ですから、アルカリ性の汚れを中和したり水アカを落としたりする効果があります。
また、アルカリ性の臭いを中和する役目もあるので、トイレのアンモニア臭なども中和できるでしょう。
水アカが発生しやすい場所の掃除には欠かせません。
ちなみに、レモンの絞った後にシンクを磨くとピカピカになるのは、このクエン酸のおかげなのです。
ですから、お風呂場やトイレの掃除はクエン酸を溶かした水溶液で行うと、お風呂やトイレの洗剤は必要ありません。
ただし、塩素系漂白剤とクエン酸を一緒に使うと有毒ガスが発生します。
ですから、クエン酸で掃除をしながら塩素系漂白剤でカビ取りなどはしないように注意してください。

3.エコ洗剤の作り方

エコ洗剤の作り方は、驚くほど簡単です。
落としたい汚れが油汚れなのか、水アカなのかを見極めた上、水500CC に対してセスキタンサンソーダやクエン酸などを小さじ1~2杯溶かすだけ。
たったこれだけでエコ洗剤が完成します。難しいことは何もありません。
さらに、重曹だけはそのままふりかけるなどクレンザーのように使えます。
とても簡単ですね。
ただし、どれを溶かした水か分からなくなってしまわないようにボトルを色分けしたり、使う場所を区切ったりしましょう。

4.エコ洗剤は昔からの知恵?

さて、ここまでいろいろなエコ洗剤をご紹介していきましたが、エコ洗剤というのは最近できたものではありません。
昔から「汚れを落とす物質」として広く知られていたのです。
たとえば、炭酸ナトリウムや炭酸ソーダなどは「洗濯ソーダ」として戦前は洗濯に利用されてきました。
また、最も古い洗剤はワラやマキなどを燃やした灰です。
灰はアルカリ性なので、皮脂汚れが落ちました。
さらに、米のとぎ汁やサイカチ、ムクロジといった植物は日本で昔から住まいの洗剤として使われています。
これらの中には「サポニン」といってせっけんと同じ成分が含まれていました。
つまり、今のように多彩な洗剤が出る前は、みな先ほどご紹介したようなものを利用して汚れを落としてきたのです。
ですから、エコ洗剤は昔からの知恵ともいえるでしょう。
なお、エコ洗剤にも限界があります。
がんこな油汚れや泥汚れ、口紅などの化粧品の汚れはホームセンターなどで売っている洗剤の方が落としやすいでしょう。
ですから、「何が何でもエコ洗剤ですべてを落とす」とやっきにならずに「落とせるものはエコ洗剤で落とそう」くらいの気持ちでいてください。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、エコな洗剤の作り方や効果をご紹介しました。
まとめると

  • 家庭の汚れは大きく分けて油汚れと水アカ、そしてほこりの3種類である。
  • 水アカは酸性の洗剤で落とし、油汚れはアルカリ性の洗剤で落すとよい。
  • クエン酸と重曹、炭酸ソーダがあればエコな洗剤が作れる。

ということです。
重曹が一世を風靡(ふうび)していたころ、「思ったほど汚れが落ちない」といった苦情もありました。
どんな汚れもある程度落としてしまう市販の洗剤と比べて、重曹やクエン酸などは落とせる汚れと落とせない汚れがはっきりとしています。
ですから、洗剤との相性をよく考えて汚れによって使い分ける必要があるでしょう。
一般的に柔らかい汚れはアルカリ性で落ち、硬い汚れは酸性で落ちるといわれています。
これを覚えておくと洗剤を選ぶときに混乱しません。
また、どうしても落ちない汚れは、市販の洗剤を使いましょう。
その方が時間も手間もかかりません。