ピアノの掃除で注意しておきたいことは? 汚れる原因やお手入れのコツ

「ピアノの掃除はどのようにすればいいのか」「いつどんなときに掃除すべきなのか?」など、ピアノの掃除方法で悩んでいる方は多いでしょう。ピアノはとても繊細な楽器なので、日ごろの掃除やメンテナンスが必要となります。掃除しなかったり、お手入れを怠ったりすると、頑固な汚れになりピアノの音にも悪影響をおよぼしてしまうかもしれません。

そこで、本記事では、ピアノの掃除方法や注意点などについて解説します。

  1. ピアノが汚れる原因は?
  2. ピアノのお手入れ方法について
  3. ピアノの掃除に役立つアイテムを紹介
  4. ピアノの掃除方法と注意点
  5. ピアノの掃除に関してよくある質問

この記事を読むことで、ピアノを長く使い続けるために必要な掃除のポイントが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.ピアノが汚れる原因は?

まずは、ピアノが汚れる原因をチェックしておきましょう。

1-1.手垢(てあか)や皮脂汚れ

素手で触るピアノの鍵盤には、手垢や皮脂汚れがたくさんついています。ピアノの中でも最も汚れが付着しやすい箇所といえるでしょう。特に、食べ物を手でつかんで食べた後に鍵盤を触ってしまうと食べカスがついたり、食べ物の油が付着したりすることになります。さらに、手の表面に付着したウイルスや細菌が、そのままピアノの鍵盤に付着する恐れもあるので要注意です。目に見えない汚れがついていることもあるため、定期的な掃除が必要になるでしょう。

1-2.外装面にも手垢汚れがつきやすい

手で触れることの多い鍵盤だけでなく、ピアノの外装面にも手垢がつきやすい箇所です。ピアノのフタを開けたり閉めたりする際には、手についた汚れがそのまま付着してしまいます。また、外装面には手垢の汚れだけでなく、室内を漂うホコリもつきやすくなるので要注意です。ピアノの使用頻度が少なくなるほど、ホコリが積もりやすくなります。使わないからといってお手入れを怠るのはNGです。使わない時期も定期的に掃除することを心がけましょう。

1-3.ペダルの変色とサビにも注意!

足で踏むことが多いペダルも汚れやすい傾向があるので、しっかりとチェックするようにしましょう。ほとんどのペダルは銅と亜鉛の合金である真鍮(しんちゅう)でできており、湿気などの水分に弱い傾向があります。そのため、年月が経過するほど変色やサビが発生しやすくなるのです。発生したサビは頑固な汚れなので、なかなか除去できなくなってしまいます。変色やサビを防ぐためにも、メンテナンスをしたり、水分を付着させないように心がけたりすることが大切です。

2.ピアノのお手入れ方法について

ここでは、ピアノのお手入れ方法について解説します。

2-1.ホコリは軽く拭き取る

ピアノの表面にはホコリがつきやすくなっているので、ピアノ用毛ばたきまたはやわらかい布などで軽く拭き取りましょう。ホコリはすぐにたまる傾向があるため、気づいたときにサッと拭き取るのが理想です。ただし、小さな砂ボコリでも強い力で吹いてしまうとピアノにすり傷がついてしまう恐れがあります。力を入れずに軽く拭き取るだけでOKです。また、表面に汚れが目立つときは、水をしみ込ませて固くしぼったやわらかい布で拭き取るといいでしょう。そして、水拭きをした後に必ずから拭きします。表面のツヤがなくなってきたときは、専用の外装手入れ剤を含ませた布でムラなく拭きあげるのが1番効果的です。

2-2.鍵盤はやわらかい布でから拭きする

手垢や皮脂汚れがつきやすい鍵盤は、やわらかい布でから拭きをするのが基本となります。ここで、気をつけてほしいのは塗装面を拭いた布とは違う布を使うことです。同じ布を使ってしまうと、布についたホコリや布が鍵盤についてしまい、音に影響をおよぼしてしまいます。から拭きでも取れない汚れがあるときは、中性洗剤を薄くしみ込ませた布を固くしぼって拭き取ってください。皮脂汚れは放置するほど頑固な汚れになってしまうので、鍵盤を触るたびに拭き取ることをおすすめします。

2-3.日ごろからピアノを触るのも大切なメンテナンス

ピアノを毎日練習している方はお手入れをする機会も増えますが、触っていない方はお手入れを怠る傾向があります。お手入れの仕方が悪かったり、そのまま放置したりしていると、サビ・カビ・害虫がつく原因になるので注意しなければなりません。ピアノを清潔に保つのはもちろん、時々ピアノの屋根や鍵盤のフタを開けたり、使わない音域の音を出したりすることも大切なメンテナンスです。

3.ピアノの掃除に役立つアイテム紹介

ここでは、ピアノの掃除に役立つアイテムをいくつか紹介します。

3-1.吸水性に優れている「クロス」

クロスはピアノの塗装面や鍵盤についているホコリや手垢をきれいに拭き取るために必要な掃除アイテムです。さまざまなクロスがありますが、できれば吸水性に優れているやわらかいクロスを使ってください。吸水性に優れているクロスなら、鍵盤についてしまった水滴や汗も吸い取ってくれます。油分やミクロ単位の汚れを除去してくれるので、サッと拭きたいときにも役立つでしょう。ピアノ販売店や楽器店などでは、ピアノ専用のクロスが購入できるのでぜひチェックしてください。さまざまなカラーバリエーションがあるため、自分好みのクロスを使うとお手入れも楽しくなります。

3-2.ホコリをはらってくれる「毛ばたき」

表面についているホコリを簡単に除去できるアイテムが、毛ばたきです。やさしくホコリを絡め取ってくれるのはもちろん、中性洗剤で洗えばふわふわの状態に戻すことができます。くり返し使うことができるのは経済的にもやさしいので使いやすいアイテムといえるでしょう。クロスと同じく、ピアノの近くに置いておけば、気になったときにサッと掃除できます。中性洗剤で洗うときは、天日干しではなく陰干しがおすすめです。

3-3.ツヤ出し剤と鍵盤専用クリーナー

塗装面に付着した手垢や汚れを徹底的に除去したい方は、ツヤ出し剤をおすすめします。長年ピアノを使っていたり、置き場所が悪かったりすると、ピアノの表面のツヤがなくなりがちです。ピアノならではの美しい光沢を維持し続けるためにも、定期的にツヤ出し剤を塗るといいでしょう。ホコリや手垢がつきにくくなり、表面を保護する役割も担っています。さらに、鍵盤専用のキークリーナーを活用するのもポイントの1つです。木製鍵盤の表面にはプラスチックのような合成樹脂が貼りつけてあるため、キークリーナーを使うと汚れを簡単に落とすことができます。ホコリによる傷から守ったり、殺菌したりする効果もあるのでおすすめです。

3-4.ピアノを守るためのアイテム

汚れを落とすだけではなく、ピアノを傷や汚れから守るためのアイテムも上手に活用しましょう。デリケートな楽器であるピアノは、湿気に弱い特徴を持っています。そこで、ピアノ内部の湿気対策としておすすめしたいのが、ピアノ用除湿剤です。また、弦や金属部分のサビと腐食を防ぐピアノ用防サビ・防虫剤などもあります。

4.ピアノ掃除方法と注意点

ここでは、ピアノの掃除方法と注意点を解説します。

4-1.ピアノ専用のクロスを使った塗装面の掃除

基本的に、ピアノの塗装面も鍵盤も専用のクロスを使ったほうがいいでしょう。塗装面は固くしぼった布であれば直接拭き取ることができますが、ピアノ専用のクロスを使ったほうがよりきれいに汚れが落ちます。傷もつきにくいので、ピアノ専用クロスがおすすめです。塗装面を掃除した後は、ピアノ用クリーナーを使って全体を拭きましょう。コンパウンドを使ってペダルについている汚れも拭き取れば、変色・サビ防止につながります。

4-2.キークリーナーを使うときは鍵盤の素材に要注意

塗装面の掃除に使用したクロスとは別のクロスを用意して、鍵盤についた汚れをキークリーナーで拭き取ってください。キークリーナーは多くのピアノに使うことができますが、注意してほしいのが鍵盤に使われている素材です。象牙や人工象牙素材の鍵盤はキークリーナーを使うわず、から拭きまたは固くしぼったやわらかいクロスで拭き取ったほうがいいでしょう。鍵盤の素材によってはキークリーナーが使えないものもあるので要注意です。鍵盤にどんな素材が使われているのか分からない場合は、メーカーに問い合わせて確認してください。

4-3.内部の掃除は専門業者に任せよう

家庭でできるピアノの掃除は、塗装面と鍵盤に限られています。ピアノの内部までは素人が簡単にできる作業ではないため、専門業者に依頼してください。内部の汚れがひどいと音がおかしくなったり、鍵盤が重くなったりするケースがあります。自分で何とかしようと内部を触ってしまうと、余計にひどい状態になってしまうので注意が必要です。内部は非常に繊細な構造になっているため、ピアノの清掃を行っている業者に依頼しましょう。汚れがひどい場合はピアノを解体し、クリーニングを行う可能性があります。

5.ピアノの掃除に関してよくある質問

ピアノの掃除に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.お手入れや掃除をしないとどうなるのか?
A.どんどん汚れがひどくなり、簡単に落とせなくなってしまいます。特に、サビやカビは頑固な汚れになるため、家庭では除去できない状態になってしまうでしょう。ピアノに傷がつく恐れがあると同時に、専門業者に清掃を依頼する費用もかかってしまいます。大切なピアノだからこそ、こまめなお手入れとメンテナンスが重要です。

Q.ピアノを掃除する際の手順は?
A.大まかな流れは以下のとおりです。

  1. ピアノのホコリをはらう前に、部屋に掃除機をかける
  2. 掃除機をかけた後はしばらく時間を置き、空気の流れを落ち着かせる
  3. 羽ばたきを使ってピアノについたホコリをはらう
  4. ピアノ専用クロスで塗装面の汚れを拭き取る
  5. ピアノ用ワックスで全体的に磨く
  6. ワックスを乾燥させる

ワックスをピアノの塗装面に垂らす際は1度きりにして全体的に磨くのがポイントです。磨く圧力を少しずつ弱めていくと、ムラなくきれいに仕上がるでしょう。また、ワックスを乾燥させるときは、窓を開けないでください。風の流れでホコリなどが舞い上がってしまいます。なるべく風の流れのない状態で乾燥させるのがポイントです。

Q.長く使い続けるために気をつけておきたいことは?
A.ピアノの上にものを置かないことです。楽譜や小物類など置いている方がいますが、ピアノの上にものを置いてしまうと音に影響が出る原因となります。ピアノ全体の振動が良い音を出す大切な要素になるため、なるべく上にものを置かないでください。特に、花瓶は音の振動で倒れ、ピアノの内部に水が浸入するので絶対にNGです。また、フルカバーをする方がいますが、フルカバーは湿気がこもる原因となるのでおすすめしません。

Q.外装に傷を見つけたときはどうすべきか?
A.鏡面ツヤ出しの塗装面に発生している軽微な傷なら、自分で補修できます。やわらかい布を水につけて固くしぼり、水拭きをしてください。その後、別のやわらかい布に市販のお手入れ剤をかけて、外装を拭きあげることで傷を目立たなくさせる方法があります。半ツヤ塗装のピアノには、半ツヤ仕上げ塗装専用のお手入れ剤を使いましょう。

Q.ピアノをきれいに保つコツは?
A.汚れた手で扱わないことは基本中の基本です。また、ピアノは湿度や温度に影響されやすい傾向があるため、ピアノを置いている部屋の温度は15~25度に保つようにしましょう。直射日光に当たる場所に置くのもNGです。直射日光が当たる場所は湿度が高くなり、急激な温度変化はピアノに悪影響をおよぼします。キッチンの近くは油がはねやすいので、キッチン付近の設置は避けるなど置き場所にも気をつけることがきれいに保つコツです。

まとめ

ピアノは寿命がありますが、こまめに掃除したりお手入れをしたりすることで長く使い続けられるようになります。特に、ピアノの鍵盤は指紋で汚れやすくなっているので、専用のクロス・キークリーンなどを使ってきれいにしましょう。基本的に、から拭きとなりますが、汚れが気になったときは固くしぼったタオルで水拭きをしてください。また、ピアノの外装面もホコリがたまりやすいため、固くしぼったタオルで拭きます。掃除のやり方を間違えてしまうとピアノが使えなくなるので、十分に注意した上でお手入れをすることが大切です。分からないことがあれば、ピアノ販売店やメーカーなどに尋ねるといいでしょう。