福祉整理を業者に依頼するメリットは? 事例や生前整理との違いについても

ゴミ屋敷が社会問題になりつつある今、福祉整理が注目されています。福祉整理とは、部屋に住んでいる方がご存命でありながら高齢や病気などの理由により、居室の片付けができなくなったときに行う整理清掃のことです。一般的に、福祉整理は専門の清掃業者に依頼しますが、依頼するメリットや注意点が分からない方は多いでしょう。

本記事では、福祉整理の大まかな概要や業者に依頼するメリット・注意点などについて解説します。

  1. 福祉整理とは?
  2. 福祉整理の事例紹介
  3. 福祉整理を業者に依頼するメリット
  4. 福祉整理を業者に依頼する際の注意点
  5. 福祉整理に関してよくある質問

この記事を読むことで、福祉整理のメリットやポイントが分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.福祉整理とは?

まずは、福祉整理がどのような内容なのかチェックしておきましょう。また、生前整理との違いについても解説します。

1-1.高齢者・病気の方の家を整理・清掃すること

福祉整理について簡単に説明すると、高齢者・病気の方の家を整理・清掃することです。福祉は最低限の幸福と社会的援助を提供するという意味が込められていますが、ボランティアではなく遺品整理と同様に事業として作業を行うことが増えています。中には、ボランティアとしての清掃を福祉整理と呼ぶこともありますが、統一されていないのが現状です。なお、遺品整理とはまったく異なります。遺品整理は亡くなった人の部屋や遺品を整理することですが、福祉整理は部屋に住んでいる人がご存命であることが基本です。

1-2.悪化した住環境を改善するのが目的

福祉整理の大きな目的は、悪化した住環境を改善することです。特に、高齢で病気を持ってる方は、部屋の中をスムーズに片付けることができません。片付けができなくなるとゴミがたまり、害虫や悪臭が発生してはたちまち住環境が悪化してしまいます。住環境が悪化したままでは、健全な生活を送ることはできません。いずれは、体調にも悪影響を及ぼす恐れがあります。住環境の悪化が身体面だけでなく、精神面にも大きな影響を及ぼし日常生活が困難になる可能性もあるのです。健全な生活を取り戻すためのお手伝いとして、福祉整理が行われます。

1-3.福祉整理と生前整理の大きな違いは2つ

福祉整理と生前整理の違いは、大きく分けて2つあります。それぞれの違いについて詳しくチェックしていきましょう。

1-3-1.生前整理は身のまわりを整理すること

福祉整理と生前整理の大きな違いは目的です。前述したように、福祉整理は悪化した住環境を整えるという目的がありますが、生前整理は身のまわりにあるものを整理します。身のまわりにあるものをきれいに整理整頓することで、本当に必要なものだけに囲まれながら生活できるのです。ものだけでなく、人間関係・お金・時間などさまざまな問題も片付けることができます。また、生前整理は自分がいなくなったとき、遺(のこ)された家族の負担にならないようにするための作業でもあるのです。家族、そして自分のために行う作業となります。

1-3-2.生きていくための整理が福祉整理

一方、福祉整理は生きていくために必要な作業となります。住環境を整理して健全な生活を維持することが大きな目的となるため、生きていくための整理と言ってもいいでしょう。生前整理は身辺整理が主な内容となりますが、福祉整理はゴミや不用品を大量に片付けることになります。処分の対象となるものは、ほとんどがゴミと言っても過言ではありません。

2.福祉整理の事例紹介

それでは、福祉整理の事例をいくつか紹介します。

2-1.施設入居をきっかけにした福祉整理

1人暮らしの高齢者が施設入居をきっかけに、福祉整理を行うケースが増えています。少子高齢化が進んでいる今、1人暮らしの高齢者が増え、施設入居のキャンセル待ちをするほどです。やっと施設入居が決まったので、今まで住んでいた家の片付けを業者に依頼します。業者によっても異なりますが、できるだけ業者と一緒に協力しながら片付けたほうがいいでしょう。貴重品や必要なもの・大切なものの分別を行うためです。1人暮らしで1Kの場合、作業人数が2名で作業時間は3時間ほどかかるでしょう。

2-2.親を引き取り実家を売却するため

福祉整理を行うきっかけの中には、親を引き取り同居するため、実家を売却するケースもあります。実家を売却するためには、まず部屋を片付けなければなりません。長く住んでいた家はたくさんの家族の思い出が詰まっているのでなかなか手放しにくいですが、親子一緒に生活したほうが安全だという判断です。実家は一戸建てで大きく庭にもたくさんのものがあったため、5LDKで作業人数8名・作業時間7時間ほどかかりました。住んでいる家が大きくなるほど作業時間や費用もかかります。

2-3.ゴミ屋敷から住める環境へ

配偶者を亡くしてからゴミ屋敷化してしまった家を片付けたいという依頼で、福祉整理を行うケースもよくあります。部屋の中をスッキリさせたい気持ちがあっても高齢で体力がないという理由からなかなかできずにいたのです。1人暮らしの高齢者自ら依頼するケースもありますが、最近増えているのは、家の中が散らかってきていることを心配していた家族からの依頼となります。家族から勧められたことをきっかけに、片付けようという気持ちが大きくなったケースもあるのです。

3.福祉整理を業者に依頼するメリット

ここでは、福祉整理を業者に依頼するメリットを紹介します。

3-1.自分の代わりに片付けてくれる

大きなメリットは、自分の代わりに部屋の中を片付けてくれることです。高齢になるとどんどん体力が衰え、片付けるにも大変な作業となります。無理に片付けようとすると転んでケガをしたり、頭を打って入院することになったりすることもあるのです。高齢者にとってはさまざまな危険が潜んでいるからこそ、プロの清掃業者に依頼したほうが安全に片付けを進めることができます。また、遠方に住んでいる家族の手助けがなくても業者に依頼すれば家族も安心です。

3-2.スピーディーに片付けることができる

スピーディーに片付けることができるのも、業者に依頼する大きなメリットと言えるでしょう。1Kの部屋でも高齢者が片付けを行うのはとても大変な作業で時間もかかってしまいます。時間がかかるほど、途中で諦めてしまいがちです。結果、中途半端な状態になってしまい、さらに部屋の中が散らかってしまいます。しかし、プロの業者に依頼すればスピーディーに終わらせることができるのです。部屋の大きさによって異なりますが、1Kなら3時間ほどで片付けることができるでしょう。自分の体にも負担をかけず、スッキリとした状態になります。

3-3.手に負えない状態でも依頼できる

中には、すでにゴミ屋敷状態になっているところもあるでしょう。不用品やゴミの量が多くなるほど、どこから片付ければいいのか・手をつけたらいいのか分からなくなりますよね。そんなときこそ、プロの清掃業者に依頼してください。福祉整理の経験が豊富な業者ほど、どのような状況でもスピーディーかつ迅速に片付けてくれます。手に負えない状態だからこそ、プロの業者に依頼したほうがいいのです。逆に、自分で無理に片付けてしまうと途中で諦めてしまい、さらにゴミが散乱してしまいます。大切なものも失くす恐れがあるのです。

4.福祉整理を業者に依頼する際の注意点

それでは、福祉整理を業者に依頼する際の注意点を解説します。スピーディーに片付けるためにも、ぜひチェックしてください。

4-1.見積書の内容は必ず確認すること

業者に依頼する際に必ず注意してほしいのは、見積書の内容です。ゴミの量や部屋の大きさなどによって異なりますが、目安は以下のとおりとなります。

  • 1K:30,000円~
  • 1DK:54,000円~
  • 1LDK:70,000円~
  • 2DK:99,000円~
  • 2LDK:120,000円~
  • 3DK:140,000円~
  • 3LDK:150,000円~

見積書が細部まで記載されているか・どの作業にいくらかかるのか必ず確認しておかなければなりません。業者の中には、高額な費用を請求したり、見積書に記載されていない追加費用を求めたりするところがあります。どのようなケースにいくらの追加費用が発生するかについてもチェックしておきましょう。

4-2.作業前に現地調査をしてくれるか

業者に依頼する際、作業前に現地調査をしっかり行ってくれるかもチェックしておかなければなりません。現場での見積もり後に最終的な料金が決まるからです。実際に、どのような状態になっているのか・どのくらいのゴミがあるのかを把握しておかなければ、具体的な見積もりを出すことはできません。現地調査をせずにすぐ作業を行う業者には依頼しないようにしてください。見積書の内容が具体的に記載されていない可能性も高いと言えるでしょう。しっかりと作業前に現地調査を行ってくれるか確認してください。

4-3.作業範囲も必ずチェックしよう

福祉整理と言っても業者によって作業範囲が異なります。依頼前にどこからどこまで作業してくれるのか確認しておかなければなりません。中には、適当な作業範囲だけ伝えておいて、結局不用品を回収してくれなかったという悪徳業者との間でトラブルが起きています。片付けだけでなく不用品の処分も請け負ってくれるのか・清掃は作業範囲に含まれるのかなど確認が必要です。

4-4.悪徳業者に要注意!

福祉整理を行う業者の中には、不正を働く悪徳業者が存在しています。悪徳業者の多くは、スタッフの対応が悪い・見積書の内容が具体的に記載されていない・スピーディーに対応してくれないなどの傾向があるでしょう。少しでも疑問点や不安要素があれば、依頼前に尋ねて解消してください。どのような質問にも答えてくれる業者なら安心して依頼できますが、答えてくれない業者は悪徳業者の可能性があります。安易に依頼しないほうがいいでしょう。

5.福祉整理に関してよくある質問

福祉整理に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.高齢になるとなぜ片付けができなくなるのか?
A.大きな理由は、体力と気力の衰えです。膝や腰が痛くなり、体を曲げ伸ばしするのが大変になります。散らかっている部屋を片付けたい気持ちがあっても、思うように体が動かず、どんどん不衛生な状態になってしまうのです。また、高齢者の多くは「もったいない」という価値観を持っている方がたくさんいます。たとえ、使っていないものでももったいなくて捨てられないからこそ、要らないものでも手元に残してしまうのです。

Q.どんなときに福祉整理をすればいいのか?
A.家庭によってさまざまですが、以下のようなケースが挙げられます。

  • 老人ホーム・施設に入居するとき
  • 長期間入院するとき
  • 住人の方が認知症・セルフネグレクトのとき
  • 自宅介護を始めるとき
  • 定期的なハウスクリーニングをしたいとき

自分の状況だけでなく、住人が認知症だったり、親が片付けられなかったりするときに福祉整理を人へ勧めるケースもあります。

Q.福祉整理を行うメリットは?
A.転倒・自然発火などの危険がなくなることです。汚部屋での生活が続いていると、床に落ちているものにつまずき転倒する恐れがあります。高齢者の場合、転倒で骨折するとそのまま寝たきり状態になることも多いのです。人生が大きく変わってしまう恐れがあるからこそ、できるだけ早めにきれいな状態を整える必要があります。また、ゴミ屋敷状態になると生ゴミから出るガスが原因で自然発火による火災が起きることがあるので注意が必要です。

Q.見積もり・支払いの際の注意点は?
A.判断力のある人がチェックすることです。福祉整理は高齢者の部屋を清掃することが多く、業者と高齢者でのやり取りが多くなります。けれども、高齢者の判断力が衰えていると悪徳業者とのトラブルになる可能性があるため、できるだけ家族や現役世代の方が見積もりと支払いをチェックするようにしてください。

Q.福祉整理を行う業者とのよくあるトラブルは?
A.高額な追加料金を請求されたなど、金銭トラブルが増えています。前述したように、金銭トラブルを防ぐためには、判断力のある人がチェックしたり、細部まで見積書を確認したりするなどの工夫が必要です。

まとめ

福祉整理は、悪化した住環境を整えるための整理・清掃作業のことです。遺品整理は亡くなった人の遺品を整理することですが、福祉整理はご存命の方を対象としています。ゴミや不用品がたまっている部屋をきれいに片付けて、より良い住環境に戻すことが目的です。特に、高齢者は体力・気力が衰えているため、業者に依頼することをおすすめします。遺品整理や生前整理の実績がある業者なら、安心して依頼できるでしょう。