部屋の中に蟻(アリ)を見つけると、一体どこから侵入しているのか気になって仕方がありませんよね。蟻が発生するのは原因があり、きちんと把握した上で駆除する必要があります。また、駆除した後は、蟻を発生させないための予防策も大切です。
本記事では、部屋に発生した蟻を駆除する方法と予防法を解説します。
- 部屋に蟻が発生する原因は?
- 部屋に発生した蟻の駆除方法
- 部屋に蟻を発生させない予防法
- 部屋に発生した蟻に関してよくある質問
この記事を読むことで、発生した蟻を駆除する方法と予防法が分かります。悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。
1.部屋に蟻が発生する原因は?
発生した蟻を駆除し防ぐためには、蟻がなぜ発生したのか「原因」を知ることが大切です。では、発生原因と侵入しやすい箇所をチェックしておきましょう。
1-1.蟻の種類を把握しよう!
もともと室内に住みつく蟻が存在します。主な種類は「ヒメアリ」「ルリアリ」の2種類です。それぞれの特徴を以下にまとめてみました。
- ヒメアリ:雑食性で砂糖やお菓子などを好む。家の周辺や枯れ木・畑などに巣を作ることが多い
- ルリアリ:腹部にるり色の光沢が特徴の肉食性。枯れ草や枯れ木を巣にすることが多い
- そのほかの蟻:外から室内に侵入する蟻
可能な範囲で構わないので、蟻を見つけたらどんな特徴があるのか観察してください。蟻の種類によっては、効果的な駆除剤が異なる可能性があります。
1-2.蟻が発生する原因は?
蟻が部屋に発生するのは、「食べもの」が主な原因です。ほとんどの蟻は砂糖など甘いものが大好きですが、ほかにも小麦粉・ごはん・動物性のたんぱく質などを好みます。食事中に床へこぼれた食べカスや、フタなどで保護されていない食べもののニオイを嗅ぎつけやってくるのです。食べカスを掃除せずに放置した結果、いつの間にか蟻まみれになっていたというケースもあります。また、家の周辺や室内に植木鉢を置くのも、蟻が発生する原因につながるのです。
1-3.侵入しやすい箇所は?
蟻はわずかな家のすき間を通して侵入します。たとえば、サッシのすき間・壁の割れ目などです。特に、古い家屋の場合はすき間が多いので簡単に侵入されるでしょう。また、マンションの高層階も蟻の被害がまったくないというわけではありません。ベランダ等に置いた植木鉢を室内に持ち込むことで、蟻が大量発生するケースもあります。室内に住み着いた場合、冷蔵庫のすき間から侵入し食べものの袋を破ることもあるので要注意です。
1-4.蟻の習性・好む環境は?
何度駆除をしても蟻が発生するのは、習性が大きく関係しているからです。蟻は「マーキング」という習性があり、お尻からフェロモンというニオイ物質を排出しています。基本的に、蟻は視力が弱いのでニオイを頼りに行動しているのです。そのため、駆除をしてもマーキングを消さなければ、再び発生します。また、女王蜂を駆除しなければ、いくら蟻を駆除してもキリがありません。これらの蟻の習性を知り、好む環境にしないことが1番の対策です。
2.部屋に発生した蟻の駆除方法
すでに蟻を室内で見つけた場合、どのように駆除すればいいのでしょうか。
2-1.具体的な駆除方法は?
部屋に住むヒメアリ・ルリアリの場合、巣を見つけ出すことが難しく、殺虫剤を利用しても女王蟻が巣から逃げ出す可能性があります。そのため、「毒エサ」による駆除がおすすめです。毒エサをまくことで蟻が巣へ持ち帰り、女王蜂がそれを口にします。女王蜂がいなくなれば、一気に巣が壊滅し繁殖量を抑えることができるでしょう。
外から侵入する蟻の場合は、蟻が嫌がる成分を含んだ「粉剤」を使いましょう。粉剤を花壇や植木、家の周囲にまくことで蟻の侵入を防ぎ駆除できます。
2-2.おすすめグッズ、選び方は?
蟻の駆除剤にはさまざまな種類があります。たとえば、「アリの巣コロリ」「アリ用コンバット」「アリメツ」などです。これらはスーパーマーケットやホームセンターで簡単に購入できます。ただし、商品によって成分・特徴があり、効果の出方も違うでしょう。特に、毒エサは即効性がないため、効果が現れるまでに時間がかかります。すぐに駆除したいときは、その場で退治できる殺虫剤スプレーを使いましょう。巣を見つけたら、そこに殺虫剤スプレーまたは台所用洗剤をかけて窒息死させるのも方法の1つです。
2-3.駆除のポイントは習性を知ること!
前述したとおり、蟻はマーキングという習性を持っています。いくら駆除してもフェロモンを消さなければ意味がありません。よって、駆除の大きな課題はマーキングが消せるか否かがポイントです。マーキングを消すために、床用洗剤でキレイに掃除してください。蟻を見つけたときは、どの道を通っているのか確認し、その通り道をキレイに掃除するとフェロモンを消すことができます。また、蟻はゴムのニオイが苦手な傾向があるため、通り道に輪ゴムを置くのもおすすめです。砂糖や甘いものを入れている容器に輪ゴムをかけておくのもいいでしょう。
2-4.定期的な掃除が大切!
テーブルの上に食べものを放置したり、食べカスをそのままにしたりしていませんか? 蟻は目が発達していない分、嗅覚が鋭い生き物です。そのため、少しでも食べカスをそのままにしていると、蟻が大量発生します。蟻を駆除し発生を防ぐためには、何よりも定期的な掃除が大切なのです。テーブルの上に食べものを放置しない・床に落ちている食べカスをサッとフロアワイパー等で拭き取るなど、日ごろから意識しましょう。
2-5.業者へ依頼したほうがいいケースは?
手につかないほどの蟻が発生している・いくら駆除しても数が減らないなどのケースは、専門の害虫駆除業者へ依頼したほうがいいでしょう。どんな駆除方法を試しても一向に蟻が出てくる場合は、複数の巣ができている可能性があります。また、古い家屋はすき間が多数存在しているため、大幅なリフォームや修繕が必要になるケースもあるでしょう。自分で判断できない場合も、業者への依頼をおすすめします。
3.部屋に蟻を発生させない予防法
蟻を駆除した後は、発生させないための予防策を立てることが大切です。気軽にできる予防から、発生させないポイントをチェックしておきましょう。
3-1.侵入経路をできるだけ塞ごう!
侵入経路を確認したら、侵入口をすべて塞いでください。たとえば、壁用シリコンを使用してすき間を埋めていきます。壁用シリコンはホームセンターで簡単に購入でき、女性でも気軽に使えるのでおすすめです。特に、薬剤を使いたくない方は、侵入経路を塞ぐのが1番でしょう。壁用シリコンのほかにも、壁修復用のパテ・粘着テープを使用し、すき間を塞いでください。
3-2.掃除と駆除剤を定期的に
日ごろから気をつけてほしいのは、「部屋の掃除をしっかりすること」です。蟻のエサとなる甘いものや砂糖などをこぼさないように気をつけておきましょう。特に、ダイニングや子ども部屋は蟻が好む汚れが溜まりやすいので注意が必要です。
また、蟻パウダータイプの駆除剤を侵入経路にまいておけば侵入を防ぐことができるでしょう。もし、蟻がどこから侵入してくるか分からない場合は、窓枠の角に1cmほどの高さになるよう駆除剤をまいてください。特に、蟻を多く見かける場所の近くにある窓枠の角は、侵入経路になっている可能性が高めです。
3-3.蟻が侵入しない環境を作る
植木鉢をベランダや庭にたくさん置いたり、ジュースなど甘い飲料が入った空き缶を放置したりしていませんか? それらをベランダ・窓の近くなど家のまわりに放置すると、蟻がそのニオイに引き寄せられ室内へ侵入する傾向があります。巣を作り、大量発生・繁殖するおそれもあるのです。庭や芝生にボコボコした箇所が目立つようなら、蟻の巣がある可能性が高いといえます。また、蟻だけでなくゴキブリなどほかの害虫の発生原因にもなるため、放置しないようにしましょう。一時的に空き缶を置く場合は、中身をしっかり洗ってくださいね。
3-4.食べものの容器はきちんとフタをする
食べものを保管する容器に、きちんとフタをして密封するのも大切な対策です。密封できる容器に食べものを保管し、ニオイが出ないように気をつけてください。もし、容器から液がこぼれた場合は、すぐに拭き取りましょう。
3-5.駆除剤を使用する際の注意点
駆除剤の中には人間にも害をおよぼす成分が含まれるタイプがあります。設置したりまいたりする際は、子どもが近づかないように配慮してください。設置型タイプの場合、子どもが誤って食べないようになるべく手が届かない場所に置くことが大切です。
4.部屋に発生した蟻に関してよくある質問
部屋に発生した蟻に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.床下の巣はどう対処すべきか?
A.室内に住む蟻の場合、床下に巣を作っているケースがあります。個人では駆除方法に限界があるため、不安な方は害虫駆除業者へ依頼したほうがいいでしょう。依頼する際は、どんな方法で駆除するのか、いくらかかるのか等を確認してください。あくまで目安ですが、蟻の駆除にかかる費用は約1万円~です。
Q.蟻が発生しやすい時期は?
A.気温が低くなると、蟻は巣にこもる傾向があるので気温が高くなる春先~夏ごろにかけて見かけることが多くなります。日ごろから掃除をして清潔な状態を維持し、ニオイがこもらないように気をつけましょう。
Q.蟻が苦手なものは?
A.蟻が苦手なのは、以下のようなものがあります。
- 輪ゴムのニオイ
- コーヒーのカス
- 石灰
- 木酢液
- 炭のかけら
- レモン・ライムなどの柑橘(かんきつ)系
- お酢
- ハッカ・ペパーミントなどのアロマ系
これらの苦手なものを活用し、蟻の対策に役立てることができるでしょう。たとえば、植木鉢で植物を育てる場合、近くにハッカやペパーミントなどハーブ系の植物を植えます。また、床にチョークで線を書くと石灰のニオイで蟻が近づけなくなるのです。1番試しやすいのは、水とお酢を同量混ぜた液で床にスプレーする方法でしょう。侵入予防にもなり駆除剤よりもやさしい成分でできているので、ぜひ試してみてください。
Q.毒エサを使用する際の注意点は?
A.性質上、毒エサは効果が現れるまで1~2日ほどかかり、最初は大量の蟻が集まる可能性があります。蟻にとっては毒でも最初はエサと捉えるため、巣へ持ち帰るために大量発生するのです。そのため、効果が出るまでは大量の蟻がウロウロしている様子を見ることになります。蟻が苦手な人にとっては、気持ち悪く感じるので注意が必要です。
Q.蟻が大好きなもので駆除する方法もあるのか?
A.砂糖1:ベーキングパウダー3の割合で混ぜたものを蟻の通り道に置く駆除方法があります。蟻が食べると、ベーキングパウダーが蟻の体内で反応し二酸化炭素でおなかがパンパンに膨らみ、死に至るというわけです。ただし、床がベトベトになったり蟻が大量発生したりするので、室内よりも屋外での駆除に向いた方法といえます。
まとめ
発生した蟻は、まずどこから来ているのか侵入経路を把握する必要があります。もし、巣を作っている場合は、それらもすべて駆除しなければなりません。市販の駆除グッズを使用する方法が一般的ですが、蟻の被害がひどい場合は専門業者へ依頼するのも方法の1つです。駆除した後は、再び発生を防ぐために食べものなどこぼさないように心がけ、定期的に掃除をしてください。侵入しやすい箇所もチェックし、入り込まないように工夫しましょう。