家の出入口である「玄関」は、靴の嫌な匂いが充満しやすい場所でもあります。ドアを開けた瞬間に、悪臭が漂ってくると嫌な気持ちになりますし、気軽に友人を呼ぶこともできません。逆に、清涼感がありキレイな玄関だと、「この人はきちんとしている」と好印象を与えることができます。玄関は第一印象を決める場所にもなるため、消臭・防臭対策を入念にすることが大切です。

本記事では、玄関が匂う原因と対策について解説します。

  1. 玄関の匂い~主な原因は?
  2. 玄関の匂い~対策方法を紹介!
  3. 玄関の匂い~予防するには?
  4. 玄関の匂いに関してよくある質問

この記事を読むことで、玄関の匂いの解消方法と予防のポイントが分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.玄関の匂い~主な原因は?

まずは、玄関にどんな匂いが漂っているのかチェックしておきましょう。

1-1.玄関が匂う主な原因は?

玄関に嫌な匂いが漂う原因は、靴の匂いがほとんどです。靴には汗や皮脂汚れがたくさんついており、そのまま密封された下駄箱にしまうことで殺菌が大量に繁殖します。その結果、下駄箱内に悪臭が発生し、玄関にも漏(も)れ出てしまうというわけです。また、靴だけでなく、下駄箱自体の掃除が不十分なせいで、カビなどが発生し悪臭の原因になります。さらに、玄関の換気が行き届いていない・部屋からの生活臭が玄関にまで漂うなど、さまざまな原因が重なり、玄関に悪臭が漂うのです。

1-2.放置するとどうなるのか?

玄関の汚れを放置するほど雑菌・カビがどんどん繁殖し、匂いも強烈になります。早めに汚れを取りのぞけば、頑固な汚れや匂いで頭を悩ませることはありません。悪臭を防ぐために、こまめな掃除が必要となります。また、玄関は外から家への入り口です。玄関を開けた途端に悪臭が漂えば、住む人にも悪い印象がついてしまうでしょう。急な来客でも慌てず相手に不快な思いをさせないよう、匂い対策を徹底しておかなければなりません。

玄関の匂いは靴の悪臭が主な原因なんですね。
はい。できるだけ早く対策を立てましょう。

2.玄関の匂い~対策方法を紹介!

それでは、玄関の匂いを取りのぞく方法をまとめて紹介します。

2-1.消臭効果がある「重曹」などを活用する

玄関・下駄箱の匂いが気になっていても、「重曹」または「コーヒーのでがらし」を利用すれば消臭できます。重曹は、酸性や中性の特性をもっている「匂い」自体に効果があるといわれているのです。コーヒーのでがらしも消臭効果が期待できるため、コーヒーを自宅で入れる方は捨てずに活用してください。それぞれの消臭方法を以下にまとめました。

重曹を使う場合

  1. 収納している靴をすべて取り出す
  2. 下駄箱内のゴミとホコリを除去した後に、水100ccと重曹小さじ1杯を混ぜた重曹水をスプレーする
  3. 後は、扉を開けたまま放置して乾燥させる

<コーヒーのでがらしを使う場合>

  1. 出がらしをそのまま牛乳パック・ペットボトル等の容器に入れる
  2. 後は、そのまま下駄箱内に入れるだけでOK(冷蔵庫の脱臭剤を入れれば効果があるのでおすすめ)

2-2.下駄箱の中をキレイに掃除する

下駄箱の掃除不足が玄関の匂いの原因になっているため、定期的な掃除を心がけてください。下駄箱内は靴を取り出して、棚板などに溜(た)まったホコリや砂をすべてはき出します。住居用洗剤をスプレーしたぞうきんで軽く拭き、風を通して乾燥させてください。また、下駄箱の外側にもホコリが溜まっているので、固くしぼったぞうきんで拭き掃除をしましょう。

2-3.下駄箱と一緒に玄関も掃除する

下駄箱を掃除する際に、玄関もあわせてキレイにしてください。玄関には砂や土が溜まっているので、ホウキで掃(は)き掃除をします。毎日掃き掃除をするだけで嫌な匂いも発生しなくなるので、ぜひ心がけてください。もし、汚れがこびりついてしまっている場合は、拭き掃除をする必要があります。水で固くしぼったぞうきんで汚れ部分を拭き掃除した後は、古新聞などで水気を拭き取りましょう。

2-4.部屋の生活臭を抑える

キッチンの生ゴミやペットの匂いなど、部屋の生活臭が玄関口に漂ってくるのを防ぐために、部屋の掃除を心がけてください。匂いのもととなるゴミ箱を徹底的に消臭・防臭し、部屋自体の掃除を心がけておけば、生活臭の抑制につながります。特に、1K・1Rなどはキッチンと玄関がつながっていることが多いので、水まわりのこまめな掃除が必要です。

2-5.靴の中に乾燥剤などを入れる

下駄箱だけでなく、汗や皮脂などで悪臭が発生している靴の中も消臭する必要があります。嫌な匂いが出ている靴の中に、乾燥剤を入れてください。靴から発生する湿気を取りのぞき、嫌な匂いが撃退できるでしょう。また、少量の重曹を入れるのもおすすめです。重曹大さじ1杯程度を靴の中に直接入れ、シャカシャカとゆすってください。後は、重曹をはたいて捨てるだけで、靴の中の匂いがなくなります。

2-6.要らない靴は処分しよう!

下駄箱を掃除する際に、要らない靴を処分するのも匂い対策のポイントです。密封されている下駄箱は湿気が溜まりやすく、匂いがこもりやすい場所となります。靴をギュウギュウに詰めこんでしまうと、湿気が溜まり、嫌な匂いが発生しやすくなるでしょう。そのため、しばらく履いていない靴は処分しましょう。湿気によるカビを防ぐためにも大切なことです。

2-7.肌が弱い人は重曹の扱いに要注意!

エコ掃除の洗剤として注目されている「重曹」ですが、肌が弱い人が扱うと皮膚の炎症が起こる可能性があります。普通の人よりも肌が弱い人は、念のためゴム手袋をしてから扱ってください。もし、誤って重曹で皮膚を傷めた場合は、すぐに使用を止めましょう。

掃除することと乾燥させることが大切なんですね。
はい。消臭剤などでごまかすのは限度があります。

3.玄関の匂い~予防するには?

キレイにした玄関を維持し続けるために、匂いの予防策をチェックしておきましょう。

3-1.芳香剤を置く

スーパーマーケットや薬局・ドラッグストアなどでは、市販の芳香剤がたくさん販売されています。玄関の嫌な匂いをしっかりと消臭した後は、芳香剤を置いて良い匂いで包みましょう。玄関におすすめの芳香剤は、スッキリした柑橘系またはミント系です。万人受けしやすいフローラル系や、ベルガモットなど大人っぽく品のある香りも良いでしょう。ただし、芳香剤を置くときは、嫌な匂いを消臭した後です。もし、臭いが残ったまま芳香剤を置くと、臭いが混ざり良い匂いにならないので注意してくださいね。

3-2.湿気予防には新聞紙がおすすめ!

湿気はカビや雑菌の繁殖につながるので、匂い予防のためにも徹底させることが大切です。そこで、古新聞紙を靴箱に敷(し)くことをおすすめします。新聞紙は湿気を吸い取ってくれるので、下駄箱を換気するまでの間、湿気予防の役割を果たしてくれるのです。湿気を含んだ新聞紙はフニャフニャになるので、適宜に取り替えてくださいね。

3-3.玄関マットを定期的に掃除する

玄関口にマットを敷いている方は、玄関マットをこまめに洗ってください。細菌がついている足と接触する玄関マットは、たくさんの雑菌がウヨウヨしており、悪臭の原因となります。適度に洗濯することで、嫌な匂いを防ぐことができるでしょう。玄関マットの掃除方法は、以下を参考にしてください。

  1. 玄関マットに重曹をまんべんなく振りかける
  2. 手やホウキなどでたたき、マットの奥まで重曹を行きわたらせる
  3. 数時間から一晩放置し、掃除機で重曹を吸い取る
  4. 玄関マットを水洗いして十分に乾かす

玄関マットを洗った後は、しっかり乾かすことが大切なポイントです。いくらキレイに洗ってもしっかりと乾かさなければ、カビや細菌が繁殖してしまいます。また、消臭抗菌効果がある玄関マットに交換するのも方法の1つでしょう。

3-4.定期的な掃除を心がける

1番効果が期待できる匂い予防は、定期的な掃除を心がけることです。特に、ホコリや土・砂などが入る玄関は毎日掃除してほしいですが、仕事で忙しいときは困難でしょう。最低でも週1回の掃き掃除を行い、下駄箱掃除は半年に1回心がけてください。嫌な匂いが発生する前に掃除をして汚れを取りのぞけば、悪臭を防ぐことができます。

3-5.重曹を目立たない場所に置く

重曹は下駄箱・玄関の嫌な匂いを除去するだけでなく、予防にも効果があるのでおすすめです。重曹をそのまま小皿に入れて置くのも良いですが、アロマオイルを数滴混ぜる方法もあります。アロマオイルを混ぜた重曹の作り方は以下のとおりです。

  1. ジャムなど空(あ)きビンの容器にたっぷりと重曹を入れる
  2. 好みのアロマオイルを数滴垂らす
  3. ビンの口にガーゼをかぶせた後、リボンまたは輪ゴムなどで固定する
  4. 玄関の邪魔にならない場所に置く

3-6.下水の匂いが関係していることも

いくら消臭予防をしても匂いが発生する場合は、下水の匂いが関係している可能性があります。特に、狭くて匂いがこもりやすいアパート・マンションは、水まわりの近くに玄関があるケースがほとんどです。物件によっては、下水管が部屋の下を通って、汚水の悪臭が玄関の匂いにつながっていることがあります。排水管が原因で悪臭が漂っている可能性もあるため、アパート・マンションの管理会社または大家に相談したほうが良いでしょう。

湿気を予防することが大切なんですね。
はい。また、こまめに掃除しましょう。

4.玄関の匂いに関してよくある質問

玄関の匂いに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.脱いだ靴はそのまま下駄箱に入れても良いのか?
A.脱いだばかりの靴は、汗や皮脂汚れをたっぷり含んでいる状態です。そのまますぐに下駄箱にしまってしまうと、雑菌が増えてしまい、悪臭を悪化させてしまいます。そのため、すぐに下駄箱にしまうのではなく、1~2日同じ靴を履かずに乾かしてから収納してください。また、靴を脱いだ後は、100円均一ショップなどで手に入る除湿剤を入れるのもおすすめです。

Q.玄関の消臭におすすめのアイテムが知りたい
A.重曹・コーヒーやお茶のでがらし・アロマオイル・観葉植物などさまざまな種類がありますが、中でもおすすめしたいのが「炭」です。炭は自然素材で脱臭効果が高いといわれています。赤ちゃんやペットがいる家庭でも安心して使うことができるでしょう。特に、竹炭を小分けにして袋に入れれば、玄関以外にも部屋・トイレ・キッチン・風呂場などさまざまな場所の脱臭が期待できます。

Q.下駄箱の雑菌を除去する方法は?
A.キレイに拭き掃除をしても、目に見えない雑菌が残っていることがあります。すでに、雑菌が繁殖している可能性もあるため、アルコール除菌スプレーでまんべんなく吹きつけた後に拭き取りましょう。水拭きした後は湿度が高くなるので、30分程度扉を開けたままにして換気することが大切です。そのときに、玄関だけでなく、室内の窓を開けておくと通気性が良くなるでしょう。

Q.玄関に傘を置くと匂いを悪化させるのは本当か?
A.雨の日は傘を使うので、玄関に湿気が溜まり、雑菌が繁殖する可能性があります。雑菌が繁殖すると悪臭の原因になるので注意が必要です。傘を使用した後は水気を取るのが1番効果的といえます。できない場合は、次の日に傘を天日干ししましょう。雨の日が続く場合は、風呂場で乾かしてから傘立てに収納してください。いずれにせよ、きちんと水気を拭き取ることが大切なポイントとなります。

Q.玄関を掃除する際の注意点は?
A.玄関に使われている素材によって、やってはいけない掃除方法があります。たとえば、コンクリートでできている玄関は水洗いができません。ホウキでホコリを外に出すしかないでしょう。また、自然石素材は酸性に弱い傾向があるため、酸性の洗剤等は使わないようにしてください。重曹は弱アルカリ性なので、自然石素材でも利用できます。

まとめ

玄関の嫌な匂いは、下駄箱の殺菌やカビ・靴の匂い・部屋の生活臭などが原因です。匂いをカバーするために芳香剤を置いてしまうと、悪臭と混ざってしまい、さらに嫌な匂いになるため、まずは原因を解消しなければなりません。下駄箱に入っている靴をすべて外に出し、消臭効果のある重曹などで掃除してください。仕上げに除菌スプレーを振りかけると、消臭・殺菌効果がアップします。そして、靴の中にも重曹を入れて消臭しましょう。また、下駄箱だけでなく、キッチンなどの水まわり・部屋全体の生活臭を防ぐ掃除も必要です。定期的な掃除を心がけていれば、嫌な匂いから解放されますよ。