清潔でキレイな店舗を保つことは、店舗運営の基本と言えます。飲食店を始め、どんな業種であっても店舗の清掃は、客への印象を大きく左右し、売り上げに影響を与えるからです。しかし、常に店舗を美しく保つためには労力と時間が必要で、オーナーの悩みのひとつとも言えます。そこで、今回は、店舗の清掃・クリーニングで知っておくべきコツを伝授しましょう。店舗運営をしている人は必見ですよ。
- 店舗の清掃とは
- 店舗の清掃方法について
- 店舗の清掃:業種ごとの注意点をチェック
- 店舗清掃の業者の選び方について
- 店舗の清掃・クリーニングでよくある質問
この記事を読むことで、店舗の清掃やクリーニングの意味・やり方・コツが深く理解でき、悩みを解消できます。自分たちでやるべきところと、業者に任せるべきところの区別もわかるでしょう。まずは、記事を隅々までじっくりと読み、店舗の清掃やクリーニングに必要な知識を学んでください。
1.店舗の清掃とは
最初に、店舗の清掃について学びます。必要性や一般住居の清掃との違いを理解してください。
1-1.店舗の清掃とはどういうもの?
店舗の清掃とは、客が快適に過ごすことができるように床や窓に限らず、隅々まで清潔に保つことを目的として行います。店舗は、客にサービスを提供する場であり、重要な意味を持っているため、清掃をきちんと行うことが大切です。清掃が行き届いている店舗では、気持ちよく買い物でき、サービスを受けることができます。また、多くの人が訪れるため汚れやすく、こまめな清掃やクリーニングが必要です。
1-2.店舗の清掃の必要性
店舗には、多くの来客があります。いつでも掃除が行き届いた状態にしておくことは、店舗運営の基本です。特に、飲食サービス業では店舗の清掃は、必要不可欠と言えます。きちんと清掃が行き届いているからこそ、客も安心して口にすることができるのです。また、雑菌やウイルスの繁殖(はんしょく)を予防し、食中毒や病気の流行(りゅうこう)を防止します。飲食業以外の店舗であっても、清潔な店舗には多くの来客が見込めるものです。店舗を清潔に保つためにも、清掃の必要性は高いと言えます。
1-3.一般住居の清掃との違い
一般住居の清掃は生活空間を、店舗の清掃は営業活動に必要な場をキレイにする点に大きな違いがあります。一般住居の清掃は、あくまでもプライベートな空間を快適することが目的です。しかし、店舗清掃は客が快適に過ごすためだったり、良質なサービスを提供するためだったりします。自分たちの快適さのためにするのが一般住居の清掃で、客のためにするのが店舗清掃なのです。
1-4.店舗の清掃を怠るとどうなる?
店舗の清掃は、客を迎えるための最低限のマナーです。面倒だからという理由で怠ると、ほこりやごみが溜(た)まり汚れが目立つようになり、客離れの原因になります。さらに、汚い店舗であることのうわさが広まると想像以上のダメージとなるでしょう。店舗の清掃は、売り上げに大きく影響する要素です。怠ることがないよう、万全に対応しましょう。
2.店舗の清掃方法について
店舗の清掃方法について詳しく解説します。
2-1.店舗の清掃箇所について
店舗では以下の箇所を清掃することになります。
- 床
- 窓
- 店舗設備(イス・テーブル・ソファー・そのほかのインテリアなど)
- 店舗の外側(がわ)
- トイレ
- エアコン
- 厨房(飲食業の場合)
客の目に入る部分だけを掃除すればいいということではありません。特に、飲食業では厨房の掃除も大切なことです。
2-2.店舗の日常清掃でやるべきことや必要な道具
日常清掃では、客の目線が届く部分を中心に行いましょう。床やテーブル・イスはもちろん、トイレ掃除も忘れないでください。どんなに店舗内がキレイであっても、客用トイレが汚れているのでは客離れの原因になります。なお、日常清掃に必要な道具は、以下のとおりです。
- モップ
- はたき
- ほうき
- ちりとり
- ぞうきん
- バケツ
- 洗浄剤(床用・そのほか用)
- 掃除機
そのほか、最近はさまざまな掃除グッズが出ています。商品のすき間でも安心して掃除できる「すき間用掃除棒」なども試してみるといいでしょう。
2-3.店舗の清掃頻度(ひんど)について
店舗の清掃をタイミング・頻度別に解説しましょう。
2-3-1.日常清掃
汚れを溜(た)めないためにも、毎日掃除をすることが大切です。
- 床の掃除:ごみ収集・モップがけ・水ぶき
- テーブルやイスの掃除:食品汚れや手あかなどを消毒・ふき取り
- 客用トイレ:汚れている部分を中心に掃除する
- そのほかの部分:目立つ汚れやほこりを取り除く
- 調理場(飲食業の場合):調理設備や器具の清掃、グリストラップの野菜くず・食べかす・油膜の清掃
2-3-2.定期清掃
定期的に日にちを決めて、以下の部分を掃除しましょう。
- 照明器具:かさや電球に付着したほこりや汚れを取る
- クーラー:フィルター清掃
- 観葉植物やインテリア:ほこりを取り除く
- 調理場(飲食業の場合):グリストラップの排水管などの清掃
- 窓・外回り:汚れをふき、ごみを取りのぞく
2-3-3.臨時清掃
日常清掃や定期清掃以外にも、以下のような場合は臨時清掃を行いましょう。
- 荒天で雨や泥が入り込んだとき
- 客が嘔吐(おうと)・吐血(とけつ)などをしたとき
- 飲食業で料理や飲料をこぼしたとき
そのほか店舗内のものにひどい汚れや臭(にお)いが付着したとき
2-4.店舗の清掃マニュアルを作ろう
常に清掃が行き届いた状態を維持するためにも、店舗の清掃マニュアルがあると助かります。マニュアルを作るときには、以下のポイントを参考にしてください。
- 掃除をする場所の順番を決める
- 掃除時間の目安を決める
- 汚れの種類ごとに清掃のポイントと手順をまとめる
なお、従業員の中で清掃当番を決めておくのもいい方法です。ただし、ひとりで対応できない状況の場合は、ほかの従業員も協力することをマニュアルにも載せておくといいでしょう。
3.店舗の清掃:業種ごとの注意点をチェック
店舗の清掃は、業種によって注意点が異なるものです。特別なケースや特定建築物の場合の注意点について学びましょう。
3-1.店舗の特別な清掃について
日常清掃や定期清掃以外にも、業種によって特別な清掃が必要な場合があります。
3-1-1.飲食店の特別な清掃
飲食店ならではの特別な清掃としては、グリストラップの清掃を上げることができます。グリストラップは、日常清掃や定期清掃でも行うべき部分があるにしても、通常の掃除では取りきれない汚れが残るものです。グリストラップの奥底や配水管にこびり付いた油汚れなどは、業者に依頼してきちんと清掃をしてもらいましょう。
3-1-2.そのほかの業種の特別な清掃
飲食業以外でも、特別な清掃が必要な場合があります。たとえば、土砂災害に見舞われたときには汚泥などで店舗が汚れ、病原菌が繁殖(はんしょく)する危険があるため、特別な清掃が必要です。また、赤痢やコレラなど特定の感染症が発生し、感染者が訪れていた場合は、消毒作業を含めた特別な清掃を行うことになります。
3-2.特定建築物の清掃にかんする注意点
特定建築物とは、建築物衛生法の規制対象に選ばれたものです。店舗では、延べ面積が3,000平方メーター以上のものとなります。大きな建築物には、たくさんの人が訪れることから国が管理基準を決めて衛生状態を維持できるようにしているのです。特定建築物における清掃の決まりごとについては、以下を参考にしてください。
- 受水槽やそのほかの水槽の清掃と点検を1年に1回以上行う
- 排水設備の清掃を半年に1回以上行う
なお、より詳しいことは厚生労働省の建築物衛生のページを参考にしてください。建築物衛生法では、厚生労働大臣の免状を持つ建築物環境衛生管理技術者が維持管理を行うことになっています。
3-3.業種ごとにかんする店舗清掃の注意点
業種によっても、店舗清掃の注意点が異なります。
- 飲食業:害虫の発生や雑菌の繁殖に特に気を付ける
- 雑貨などの小売業:掃除中に商品を破損しないよう整頓をしてから掃除する
- 美容院などのサービス業:客の肌に触れるものは特に念入りに掃除をする
そのほかの業種の場合、自分が客として来店したときにどこが最も気になるかを考えてみるといいでしょう。
4.店舗清掃の業者の選び方について
店舗の清掃は、業者に依頼すると何かと楽で仕上がりもキレイです。ここでは、業者の選び方を解説します。
4-1.店舗の清掃をプロに依頼した方がいい場合
- 人手不足で清掃の時間や労力が足りないとき
- 素人では手に負えないひどい汚れや臭(にお)いがあるとき
- 特別な清掃が必要なとき
プロの業者は、プロ用の洗浄剤や掃除機道具を使いこなして手早くキレイにしてくれます。自分たちがやるよりもはるかにキレイになるので、費用を出すだけの価値は大いにあると言えるでしょう。
4-2.店舗の清掃業者選びのポイント
- 店舗の清掃で豊富な実績と信頼がある
- 店舗清掃のノウハウに自信がある
- どんな業種でも適切な清掃を行うことができる
- 対応が迅速で親切・丁寧
- 希望の日時に作業をしてもらえる
- 料金システムがリーズナブルで明確
- 依頼者の希望を叶(かな)えるプランを提案できる
- 清掃業者として正式な認可を受けている
なお、当アイシーアイでも店舗清掃を多数手がけており、厚い信頼をいただいています。東京都を中心に営業していますので、ぜひご相談ください。
4-3.店舗清掃の料金相場を知ろう
店舗清掃の料金は、業種や広さ・内容によって大きく変化します。以下は、あくまでも目安としてください。
- 飲食業の場合:約5万円から(40平方メーターの店舗で作業時間4時間程度・フローリング洗浄とトイレ清掃を含む)
なお、実際の清掃価格については必ず業者に見積もりをもらって確認しましょう。店舗によって必要な作業が異なるだけでなく、業者によっても設定価格が異なるからです。
4-4.店舗清掃の流れをチェック
店舗清掃の流れを確認しておきましょう。以下は、初回契約の流れとなります。
- 依頼者が業者に清掃の相談をする
- 作業員が店舗に出向く
- 作業員が現場を確認する
- 業者から作業内容と料金見積もりをもらう
- 内容に納得した場合、正式に契約をする
- 業者が契約内容に沿って清掃作業に入る
- 清掃終了後、依頼者が確認して完了
なお、定期契約の場合は、契約日の指定時間に業者がやってきて清掃を行います。清掃完了の都度、チェックをするかしないかは、業者によるので確認しておきましょう。
4-5.店舗清掃の相談窓口
店舗清掃の相談窓口は、契約中の業者もしくは第三者機関となります。実際に契約中で、清掃内容に不満やクレームがあるときは、業者の担当者もしくは「お客様相談窓口」に連絡しましょう。不満やクレームが発生した場合、双方に行き違いがあることが原因の場合もあるからです。なお、問題解決ができないときは、国民生活センターの消費生活センターなど、第三者機関に相談して助言を求めることをおすすめします。
4-6.業者に店舗清掃を依頼するときの注意点
- どこを・どの程度まで依頼するのかハッキリ決めておく
- 契約以外の作業を依頼した場合のオプション料金を確認する
- 不必要な作業を組み入れたり高い洗剤を売りつけたりする業者とは契約しない
店舗清掃を任せるためには、信頼できる業者であることが大切です。特に、店舗清掃は営業時間外に作業員が入ってくることになります。依頼者が見ていないことをいいことに、勝手な作業をして料金を上乗せ請求する業者もいるので注意しましょう。
5.店舗の清掃・クリーニングでよくある質問
最後に、店舗の清掃・クリーニングでよくある質問に回答します。ひとつずつチェックして、今までの総まとめとしてください。
5-1.店舗の休業日が土日なのですが、業者に依頼できますか?
清掃業者は、土日でも営業をしているところが多く存在します。まずは、土日に依頼できるかどうか確認してみましょう。休業日に清掃する場合、店舗オーナーの不在日に作業員が店舗に入ることになります。立ち会いをするかどうかにかんしても、業者と相談して決めておきましょう。
5-2.夜間に清掃作業を依頼することも可能ですか?
清掃業者の多くは、夜間作業にも対応しています。特に飲食業などは、店舗営業が夜遅くに終了となることが多いため、夜間清掃の需要が高いからです。ただし、人気が高い業者はすでに契約がいっぱいになっていることもあります。希望の時間帯・曜日に清掃してもらうためにも、できるだけ早く相談して見積もりをもらいましょう。
5-3.清掃料金を抑えるためのコツは?
従業員でできる部分は、業者に依頼せずに自分たちで行うことが清掃料金を抑えるコツです。しかし、従業員が清掃に取り掛かる時間を計算すると結局ムダな人件費が発生することになります。お金を使うのなら、従業員に負担をかけないというメリットも考え、プロにすべて依頼した方が安くなることもあるものです。業者にいろいろと相談して安くなるプランを提案してもらってください。
5-4.清掃中に店舗内の物損があった場合はどうなりますか?
作業員のミスが原因の場合は、業者に弁償を求めることができます。しかし、整頓不足など依頼者に不備があるときは弁償してもらえないこともあるでしょう。いずれにしても、清掃中の物損などのトラブルが発生したときは速やかに業者に相談してください。なお、物損にかんしては保険で対応できるとこともあります。加入している保険の内容も確認しておきましょう。
5-5.清掃状況に不満があるときはやり直ししてもらえますか?
清掃状況が明らかに手抜きであるときは、業者に連絡してやり直しを求めることができます。冷静に状況を伝えて、速やかに対応してもらいましょう。なお、注意をしてもたびたび手抜き作業があるときには、契約を中止し、ほかの業者に依頼することも考えるべきです。最初に業者選びをきちんとすることで、清掃内容に不満が出るリスクを減らすことができます。
まとめ
今回は、店舗の清掃やクリーニングについて詳しく解説しました。効率よく清掃するためにも、本業に力を注(そそ)ぐためにも、業者の活用が有効であることを理解いただけたはずです。自分たちで行う部分を最小限にすることが、賢い店舗運営のコツと言えます。清潔でキレイな店舗は、客の満足度を高め、売り上げにも大きく貢献することでしょう。信頼できる業者に清掃を依頼して、すっきりと清潔な店舗を維持してください。