追い焚き機能があるお風呂は、冷めたお湯も温め直しができてとても便利です。寒い時期や家族が多い場合には、特に重宝しますよね。しかし、追い焚き配管は汚れやすいものです。洗浄をしないで放置すると、たちまち雑菌が繁殖してしまうことでしょう。毎日清潔なお湯を使うためにも、正しく洗浄したいものです。そこで、今回は、追い焚き配管の洗浄について詳しく解説します。
- 追い焚き配管とは?
- 追い焚き配管の汚れや雑菌について
- 追い焚き配管の洗浄について
- 追い焚き配管の洗浄機能とは?
- 追い焚き配管の洗浄に関するよくある質問
この記事を読むことで、追い焚き配管の洗浄に関する正しい知識が身につき、適切な洗浄やお手入れを行うことができるようになります。ぜひ、記事をじっくり読んでみてください。
1.追い焚き配管とは?
最初に、追い焚き配管がどんなものかを解説します。
1-1.追い焚き配管とはどんなものか
追い焚き配管の設置場所・働きやメカニズム・形状などを確認しましょう。
1-1-1.どこに設置してある?
追い焚き配管は、風呂釜と湯船の中間に設置してあります。湯船には、風呂釜から追い焚きされたお湯が出てくる穴があるはずです。なお、給湯機能だけの風呂釜に関しては、追い焚き配管はありません。熱いお湯を足して温度を調整する場合は「足し湯」と呼びます。
1-1-2.追い焚き配管の働きやメカニズム
追い焚き配管は、湯船から水を引き込んで給湯器に届け、給湯器で加熱したお湯を湯船に戻す役割があります。強制的あるいは自然循環によって、湯船にお湯を排出しているのです。強制的に循環させるタイプは一つ穴タイプ、自然循環させるタイプは二つ穴タイプとなります。
1-1-3.追い焚き配管の形状
追い焚き配管の形状は、風呂釜と湯船の距離や位置によって異なります。給湯器と湯船が近くに位置し、同じ高さにある場合は、まっすぐな形状になることもあるでしょう。しかし、配管は途中で折れ曲がっているパターンが多いのです。折れ曲がった部分には、汚れが溜(た)まりやすく、雑菌も繁殖しやすくなります。
1-2.追い焚き配管に関するそのほかのこと
追い焚き配管にも、寿命があります。大体10年が寿命です。異音がする・水漏(も)れがあるなどの不具合があるときは、寿命と考えて使用を中止し、速やかに交換してください。自己判断で使い続けることは、思わぬ事故につながる可能性があるので注意しましょう。
2.追い焚き配管の汚れや雑菌について
追い焚き配管には、汚れが雑菌が付着しやすいものです。キレイに使い続けるためのコツを含め、詳しく解説します。
2-1.追い焚き配管はなぜ汚れやすい?
追い焚き配管には、人肌に触れたお湯が循環しています。つまり、汚れたお湯が入り込むため、汚れやすいのです。さらに、配管が細かったり折れ曲がっていたりすることで、汚れが溜(た)まりやすくなっています。追い焚き配管の内部は湿気が多く温度が高いことも、汚れやすい原因です。
2-2.どんな汚れが付着しやすい?
追い焚き配管には、湯垢(ゆあか)が溜まりやすいものです。湯垢(ゆあか)は、水道水中のミネラル分や、人体の皮脂や角質などの垢(あか)が固まってできています。体が汚れたまま湯船につかる・追い焚きを繰り返すなどの行為は、追い焚き配管の汚れをひどくするので気をつけましょう。
2-3.放置すると雑菌だらけになる?
追い焚き配管のお手入れをせずに放置した場合、内部に湯垢やゴミが溜(た)まって雑菌の温床になります。掃除がしにくい場所であっても、定期的に実施しましょう。汚れが付着して時間が経過すると簡単に取りにくくなることもあります。普段のお手入れを簡単にするためにも、こまめに洗浄してください。
2-4.汚れが付着しにくい使用方法について
追い焚き配管の汚れを付着しにくくするためには、以下のことに気をつけてください。
- 体をよく洗ってから湯船につかる
- 何度も同じお湯を追い焚きしない
- 使ったお湯を残さない
- こまめに追い焚き配管のお手入れ(洗浄)を行う
3.追い焚き配管の洗浄について
追い焚き配管は、適度に洗浄しましょう。必要性やタイミング・具体的な洗浄方法について詳しく解説します。
3-1.追い焚き配管の洗浄の必要性
追い焚き配管は、できるだけ清潔な状態を保つ必要があります。掃除をしないままでは、雑菌が繁殖して病気の原因になるからです。特に、乳幼児や高齢者などは、免疫力が低いので注意しましょう。清潔で安全なお湯につかるためにも、追い焚き配管の洗浄は必要性が高いのです。
3-2.追い焚き配管の洗浄のタイミング
以下のような症状があるときは、すぐに追い焚き配管の洗浄をしましょう。
- 追い焚きをすると泥状の汚れが出てくる
- 追い焚きをするとキレイなお湯が白く濁る
- 追い焚き後のお湯がにおう
- 前回いつ洗浄したのか覚えていない
なお、旅行などで数日以上留守にした場合にも追い焚きするときに汚れやにおいが発生しやすくなるため、追い焚き配管の洗浄を行ってから使い始めると安心です。
3-3.追い焚き配管の洗浄方法
追い焚き配管の洗浄方法について、詳しく解説します。
3-3-1.普段の掃除方法
普段の掃除方法は、一つ穴タイプ・二つ穴タイプで異なります。
一つ穴タイプは、まず穴の上部5~10cmの位置まで水を溜(た)め、配管洗浄用の洗剤を入れてよく溶かしてください。追い焚きをし、2~3時間放置した後、再び追い焚きをしてから排水しましょう。最後に、穴の部分にホースで水を勢いよく入れて汚れを洗い流して完了です。
二つ穴タイプの場合は、まず下の穴をタオルでふさいでください。次に、40~50℃のお湯を上の穴に注(そそ)ぎ、2時間程度放置後、下のタオルを外して排水しましょう。最後に、上下の穴にホースで水を勢いよく入れて汚れを洗い流してください。
3-3-2.洗浄剤の使用について
市販の洗浄剤をうまく使うことで、楽に掃除ができます。洗浄剤は、一つ穴用と二つ穴用でタイプが異なるので購入するときに注意してください。使用するときは、必ず説明書をよく読みましょう。間違った使い方をすると追い焚き配管や風呂釜を傷めてしまうことがあります。
3-3-3.特別な掃除について
普段から洗浄をしていても、より深い部分の汚れが落としきれていないことがあります。半年に1回程度、追い焚き配管の洗浄をプロに依頼することも考えてみてください。プロの洗浄では、特別な洗浄剤やテクニックを使うため、想像以上にキレイにすることができます。同時に、浴室内の掃除も依頼すればお風呂をより気持ちよく楽しむことができるでしょう。費用はかかりますが、依頼する価値はありますよ。
4.追い焚き配管の洗浄機能とは?
追い焚き配管には、洗浄機能がついていることがあります。基本的な使用方法や注意点について解説しましょう。
4-1.洗浄機能について
フルオートタイプの給湯器の追い焚き配管には、「自動洗浄機能」が付随しているものがあります。湯船の水位が下がったときに排水した状態だと感知し、追い焚き配管内部のお湯を自動的に新しい水で押し流す機能です。洗浄機能がついているものは、機能を使うことで毎日簡単な洗浄を行えることになります。
4-2.追い焚き配管の洗浄機能の使用方法
追い焚き配管の洗浄機能は、お湯を排水することで自動的に行います。配管洗浄を行いたいときには、排水するだけでいいのです。面倒な作業をすることなく、楽に済みます。ただし、機種によっては手動でボタンを押す必要があるので注意しましょう。
4-3.追い焚き配管の洗浄機能の注意点
追い焚き配管の洗浄機能は、専用洗剤に対応していません。従って、内部の汚れや除菌が十分とは言えない可能性があります。あくまでも、日常のお手入れが楽になる程度の機能だと考えたほうがいいでしょう。洗浄機能があるタイプであっても、定期的な洗浄は必要です。
5.追い焚き配管の洗浄に関するよくある質問
最後に、追い焚き配管の洗浄に関するよくある質問に回答します。それぞれの内容を参考にしてください。
Q.追い焚き配管の洗浄に風呂用洗剤を使ってはいけないのですか?
A.追い焚き配管は金属でできており、一般的な風呂用洗剤では素材が傷んでしまう可能性があるので止めましょう。洗剤を使うときは、必ず専用のものを使ってください。なお、追い焚き配管内部は目に見えないため、洗剤や浮き出た汚れが残っていることがあります。洗浄後はしっかり水で洗剤を洗い流すことを忘れないようにしましょう。
Q.湯船をまったく使っていない場合でも追い焚き配管の洗浄は必要ですか?
A.湯船を1回でも使った場合は、追い焚き配管の内部に汚れた水が浸入しています。時間が経過すると雑菌が繁殖しているため、追い焚き配管お洗浄が必要です。次回使用する前には追い焚き配管の掃除を行ってからにしましょう。
Q.寒冷地で追い焚き配管の洗浄をするときの注意点は?
A.寒冷地では、冬場に追い焚き配管が凍結してしまう心配があります。そのため、凍結が心配なときには、洗浄後、水を穴の上部まで張った状態にしておくことが大切です。追い焚き配管の中を水で満たし、強制的に循環を促すことで凍結を防ぐことができます。
Q.こまめに洗浄しているのにすぐに汚れが出てきてしまうのですが?
A.何回洗浄してもすぐに汚れると感じる場合は、追い焚き配管内部にしつこい汚れがこびりついていることが考えられます。普段からきちんと洗浄しているつもりでも、不十分なケースはよくあるのです。プロの業者に依頼して、しっかり洗浄してもらいましょう。また、よく体を洗ってから湯船に入るなど、汚れにくい入浴の方法を参考にし、実行してみてください。
Q.追い焚き配管の掃除を業者に依頼するときのコツは?
A.業者のホームページなどで、信頼できることを確認してから見積もり依頼を出しましょう。追い焚き配管のタイプ・悩みごと・洗浄希望日時などを伝えると業者から折り返し見積もりが届きます。特に、どんな状態で悩んでいるのかを業者にきちんと伝えてください。また、見積もりは複数の業者に依頼しても構いません。料金だけでなく、対応の良さなどもチェックして選びましょう。
まとめ
今回は、追い焚き配管の洗浄について詳しく解説しました。お風呂のお湯をいつでもキレイで清潔に保つためにも、追い焚き配管は定期的に洗浄しましょう。洗浄機能がついている場合は、使ってみてください。追い焚き配管は、普段から使い方に気をつけることで汚れや雑菌の付着を抑えることも可能です。また、正しく洗浄することで長持ちします。快適なお風呂生活を長く楽しむためにも、お手入れをキチンと行いましょう。