「シールを剥がしたいけれど、跡が残らないか不安」「キレイに剥がす方法が分からない」など、シールの剥がし方で悩んでいる方が多いでしょう。失敗してベタベタになったり、余計剥がしにくくなったりしてしまうこともあります。上手に剥がすためには、あるポイントを押さえるだけで良いのです。
そこで、本記事では、シールをキレイに剥がす方法とポイントを解説します。
- シールを剥がす前にチェックすべきポイント
- シールの剥がし方を解説!
- シールを剥がす際の注意点
- シールの剥がし方に関してよくある質問
この記事を読むことで、失敗せずにシールを剥がすコツが分かります。悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。
1.シールを剥がす前にチェックすべきポイント
最初に、シールを剥がす前にチェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
1-1.シールが貼られている場所を確認する
家具をはじめとした木製品・プラスチック製品・ペットボトル・革製品など、シールが貼られている場所はさまざまです。まずは、シールがどんな素材に貼られているのか確認してください。なぜなら、高級な木材家具にシールが貼ってある場合、水で湿らせることができないからです。革製品の場合も、刺激が強い洗剤を使ってしまうと逆に傷んでしまう恐れがあります。素材に合っていない方法は、素材を傷めるきっかけになるので注意してください。
1-2.シールを剥がす方法は主に3通り
実際にシールを剥がす前に、大まかな方法をチェックしておきましょう。主な剥がし方は、水・熱・洗剤を利用する3つの方法があります。
この中でも、水を利用する方法はシール剥がしの基本です。水分をたっぷり含ませることで、表面がボロボロと落ち、シールが剥がしやすくなります。
シールの中には水に強いタイプがあるので、その場合は熱を利用しましょう。シールの裏に使われているノリの多くは熱に弱く、温めることで粘着力が弱まり剥がれやすくなるのです。
そして、水や熱を利用してもキレイに剥がすことができない場合に洗剤を利用します。ただし、シール剥がしに洗剤を使うのは、素材を傷める恐れがあるため、最終手段にしてください。
1-3.ドライヤーが使える製品か確認する
熱を利用することでシールが剥がしやすくなりますが、あらかじめドライヤーが使える製品か確認しておく必要があります。基本的に、ドライヤーを使った方法でシールを剥がすことができるのは、ある程度熱に強い素材でできたものに限るからです。熱に弱いビニールやガラスに貼られているシールの場合は、熱によって素材自体も溶けてしまう恐れがあるのでドライヤーは使わないほうがいいでしょう。
1-4.シール跡が残るのはノリの粘度が強いから
正しい方法で剥がしたはずなのに、シール跡が残ってしまった……というケースがあるでしょう。シール跡が残ってしまうのは、ノリの粘度が強いからです。接着する面とシールの間のでこぼこ部分にはノリが入り込んでいます。このノリがぴったりと密着することで、接着面とシールが剥がれないようにしているのです。ぴったりとくっついているほど強度が増し、すべての接着面を剥がしきれず、シール跡が残ってしまいます。
1-5.逆に剥がれにくくなる方法がある
シールを剥がす方法の中には、逆に剥がれにくくなってしまう方法があります。ハンドクリーム・お酢・歯磨き粉を使った方法では、どうしてもベタベタになり、シール跡が残ってしまうケースが多いのです。シールが貼られている場所や素材によって、適切な剥がし方をしなかったのが理由でもあります。だからこそ、素材を確認し正しい方法で剥がす必要があるのです。また、ベタベタが残ってしまったときの対処法もあるので、後ほど説明します。
2.シールの剥がし方を解説!
それでは、シールの剥がし方について具体的に説明します。
2-1.必要なものを準備しよう
最初に、シール剥がしに必要なものを準備しましょう。最低限、用意しておきたいアイテムは以下のとおりです。
- 水(スプレーボトルに入れると使いやすい)
- ドライヤー
- 中性洗剤
- ヘラや専用のスクレーパーなど
- ぞうきん
- ラップ
- メラミンスポンジ
上記のアイテムのほか、なるべく素材を傷つけずに剥がしたいときは、重曹などの自然由来の成分でできたエコ洗剤を利するのも方法の1つです。重曹は研磨剤として使えるので、少量の水をかけて擦(す)るとベタベタを除去できる可能性があります。
2-2.紙製のシールは水で剥がれることが多い
前述したように、最初に試してほしい方法が水を用いる方法です。特に、100均ショップなどで販売されている安めのシールは、コストを下げるために水に溶けやすいノリを使用している傾向があります。水が入っているスプレーボトルを使って、シールの表面をぬらしましょう。そのまま、ひと晩水に浸しておくことでシールが剥がしやすくなります。後は、専用のスクレーパーやメラミンスポンジなどで剥がすだけでOKです。
2-3.水が使えない場合はドライヤーで温める
水が使えない・水分を含ませてはいけない木製品の場合は、ドライヤーでシールを温める方法がおすすめです。ドライヤーを使う際は、なるべく近づけず、シールから20cmほど離してから温風を当てるのがポイントとなります。そして、シールの接着剤がゆるんできたら、先の部分を爪で軽く剥がしてみてください。接着面に熱風を当てながらシールを引っ張ると、途中で破れたりベタベタが残ったりせずに剥がすことができます。逆に、ドライヤーとシールの距離が近づきすぎると、接着剤が溶けてしまいベタベタが残るので注意が必要です。
2-4.ガラスや床面・タイルに貼られたシールは洗剤を使う
洗剤に含まれている成分に弱い素材には使えませんが、ガラス・鏡・床面・タイルに貼られているシールなら中性洗剤を使って剥がすことができます。中性洗剤はキッチンにある台所用や食器用で構いません。そして、以下の手順で剥がしてください。
- 中性洗剤を直接シールにたらし、上からラップをかける
- 10分ほど放置した後、ヘラを使ってシールを剥がす
- 水拭きして洗剤をキレイに拭き取り完了
ポイントは、ラップをかけた状態にして10分ほど時間を置くことです。ラップすることで湿布の状態になり、そのまま時間を置くことで洗剤がシール全体に染み渡りやすくなります。そして、最後に洗剤をキレイに拭き取ることも大切です。洗剤が残ってしまうと変色の原因になるので注意しましょう。
2-5.重曹を使って剥がす方法がおすすめ
「洗剤や熱を利用すると素材が傷むのでは……」という不安を持っている方は、重曹を使った方法がおすすめです。重曹は自然由来の成分でできているので、ペットや幼い子どもがいる家庭でも気軽な気持ちで使うことができます。重曹を使った方法は以下のとおりです。
- 重曹水(重曹小さじ1:水100ml)をシールの全体にかける
- メラミンスポンジで軽くこすりながら剥がす
- 最後に、水拭き→から拭きをして完了
重曹だけで剥がせないときは、先にドライヤーで温めると剥がしやすくなるでしょう。重曹を使用した方法は、シールを剥がしてベタベタが残ったときにも活用できます。ぜひ試してみてください。
3.シールを剥がす際の注意点
シールを剥がすときは、いくつかの注意点があるので事前にチェックしておきましょう。
3-1.プラスチックやガラスにドライヤーを使うのはNG
シールがついている素材がプラスチックやガラスの場合、ドライヤーで温めるのはNGです。ドライヤーで温めると粘着力が弱まり剥がしやすくなりますが、プラスチックやガラスなどは熱に弱いので傷みやすい傾向があります。また、火気厳禁のオイルなどを使用してシールを剥がす際は、ドライヤーで温めないように注意しましょう。
3-2.力強くこすると傷つくことも
シールを剥がす際に、ヘラや専用のスクレーパーなどを使って剥がすことがあります。その際は、なるべく力を入れずに軽くこするのがポイントです。スクレーパーは頑固なシール跡をこそぎ落とす便利なアイテムですが、力を入れすぎてしまうと家具などの素材を傷つける恐れがあります。心配な方は、刃先が鋭くないものを使うと良いでしょう。また、使用する際は手を切らないように注意してください。
3-3.シール剥がし液を安易に使わない
ホームセンターに売られているシール剥がし液を使うと簡単に落とすことができますが、プラスチック製品に使う際は注意が必要です。ほとんどのシール剥がし液には、ベンジンなどの石油系溶剤が含まれており、これらの成分はプラスチックの表面を変質させたり、変色させたりします。安易に利用した結果、大切なプラスチック製品が使えなくなってしまうので注意しましょう。
3-4.シール剥がしにおすすめできない有機溶剤
市販のシール剥がし液以外にも、さまざまな有機溶剤の力を使って落とす方法があります。水や熱を利用するよりも成分が強力なので、手っ取り早く落とせるのは間違いありません。しかし、有機溶剤を使用する際は、素材によって変色したり傷ついたり塗装が溶けたりしてしまう恐れがあります。特に、以下の有機溶剤は、できるだけ使用しないほうがいいでしょう。
- エタノール(が含まれる香水)
- 除光液
- ベンジン
- ジッポライターに使うライターオイル
- 灯油
- レモンオイル
- 害虫駆除スプレー
3-5.どうしても剥がれない場合は専門業者に依頼する
自分で試してみてもシールが剥がれない・ベタベタが取れない場合は、専門業者に依頼するのも選択肢の1つです。特に、大量のシールが貼られている場合、1つずつ剥がすのは時間と手間がかかり大変でしょう。業者に依頼すれば、手間と時間をかけず一気にシールを剥がすことができます。
4.シールの剥がし方に関してよくある質問
シールの剥がし方に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.シールが剥がしにくい原因は?
A.物質の分子同士が近づく際に生まれるお互いの引力=分子間力(ぶんしかんりょく)が大きく関係しています。ほとんどの物質にはでこぼこがあるので、分子間力が生まれるほど分子同士の密着はありません。しかし、そこに液体が入ると、でこぼこがフラットになり、分子同士が近づき分子間力が生まれ物質同士が密着します。液体化した粘着剤が強くなるほど、シールが剥がしにくくなるというわけです。
Q.重曹のほかに使えるエコ洗剤は?
A.セスキ炭酸ソーダを使った方法があります。セスキ炭酸ソーダは血や皮脂汚れを落とすことができる性質を持っているので、シール剥がし以外にもさまざまな汚れに使える便利なアイテムです。シールを剥がす際は、以下の手順を参考にしてください。
- セスキ炭酸ソーダ水(水500ml:セスキ炭酸ソーダ小さじ1)をたっぷりシール全体に吹きかける
- 上からラップで覆ってパックし、30分ほど放置する
- シールを剥がし、残った薄い膜をぬれたタオルでこすり落とす
Q.シールを上手に剥がすコツは?
A.シール全体をこすり落とそうとするのではなく、角の1箇所を集中的にこすり取るのがポイントです。たとえば、四角いシールの場合、角の1箇所から集中的にこすり取っていき、指でつまめる程度までめくります。後は、シール跡が残らないようにゆっくりと剥がしてください。1箇所から集中的にこすり落とすことで、シール跡を残さずに剥がすことができるでしょう。
Q.粘着部分が残った、頑固なシールの剥がし方は?
A.貼ってから時間が経過したシールほど、なかなか粘着部分を剥がすことができません。そんなときは、水を含ませたメラミンスポンジを活用してください。メラミンスポンジの粒子はは普通のスポンジよりも細かいため、頑固な粘着部分でも剥がし落とすことができます。また、家具・壁・ガラスなどにダメージを与えることもないのでおすすめです。
Q.シール剥がしに使えるおすすめの道具は?
A.メラミンスポンジのほか、意外と役立つのが消しゴムです。特に、シールを剥がした後、ネバネバとした粘着剤が残ってしまったときに活用できます。消しゴムでこするだけでボロボロと粘着部分が落ちるでしょう。紙素材やビニール素材などにも使えます。
まとめ
シールの剥がし方は、ドライヤーや台所用洗剤・除光液などを活用する方法があります。ただし、それぞれの使い方は、シールが貼られている場所や素材などによって異なり、使えないアイテムもあるので注意が必要です。まずは、対象となる素材や状況を確認するところから始めましょう。また、無理に剥がそうとしてしまえば、逆にその場所や素材を傷つけてしまう恐れがあります。自分で剥がせないときは、ハウスクリーニングや清掃業者に依頼するのも方法の1つです。