揚げものに使った油の捨て方に悩んでいる人は多いと思います。油は、そのまま排水口に流してはいけません。排水管がダメージをうけるのはもちろんのこと、環境に悪影響を与えます。実は、油は捨てるだけでなくリサイクルもできるのです。そこで今回は、正しい油の捨て方や再利用の方法を紹介しましょう。

  1. 油の寿命や捨てるタイミング
  2. 少量の油の捨て方
  3. 大量の油はスーパーや自治体の回収を利用する
  4. 石けんやキャンドルに再利用する際の注意点
  5. 油の捨て方に関するよくある質問

この記事を読めば、油をくり返し使える回数や油の量別のおすすめの処分方法などもよく分かります。油の捨て方に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.油の寿命や捨てるタイミング

はじめに、油の賞味期限や捨てるタイミングなどを紹介します。

1-1.油の再利用は数回が限度

揚げ物など大量に油を使った場合、オイルポットに保管して再利用する人も多いことでしょう。油の再利用回数に制限はありません。しかし、油は使う度に劣化していきます。2~3回利用し、以下のような症状が現れたら、捨て時だと考えましょう。

  • 冷めた油からツンとするような嫌な臭いがする
  • 油が黒ずんで粘り気がある
  • 熱するとなにもいれていないのに煙が出る

また、油は空気や陽光に触れると酸化していきます。酸化した油は肝臓に負担がかかるほか、食中毒の原因となる可能性もあるでしょう。ですから、1度しか使わなかった油でも、1か月以上保管しておいた油は処分したほうがいいのです。

1-2.未開封の油でも劣化することがある

油の賞味期限は1~2年です。しかし、前述したように油は陽光や空気で酸化します。日当たりのよい場所に置いてあったり、ふたがしっかりと締まっていなかったりした場合、賞味期限内でも劣化することがあるでしょう。嫌な臭いがしたり粘り気がでたりしたら、処分してください。封を切っていない油も同様です。特に、プラスチックボトルに入った油は日当たりがよく気温が高い場所に置いておくと劣化しやすくなるので注意しましょう。

1-3.油は排水口に流してはいけない

油は、冷えると固まります。油を排水口に流すと固まった油が排水管内にこびりついて、つまりの原因となるのです。また、水質汚染の原因ともなり、下水処理施設の機能を低下させることもあるでしょう。油は、少量でも排水口に流してはいけません。また、トイレも同様です。つまりや逆流の原因となるので、油を流してはいけません。

1-4.油は冷えてから捨てる

熱い油を布などにしみこませて放置していると、自然発火する危険性があります。油は、必ず冷やしてから捨てましょう。

2.少量の油の捨て方

この項では、少量の脂の捨て方を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

2-1.新聞紙や古布に染み込ませて捨てる

新聞紙・古布・雑誌などに油を染み込ませてから、牛乳パックやビニール袋に入れて処分しましょう。牛乳パックのほうが、油が漏れ出にくいのでおすすめです。牛乳パックやビニール袋に古布や古雑誌・新聞紙などをちぎったものを入れ、油をゆっくりと注ぎましょう。そのまま自治体のルールに従ってゴミに出してください。

2-2.小麦粉や片栗粉・パン粉に混ぜて捨てる

賞味期限が切れた小麦粉・片栗粉・パン粉などに油をしみこませて捨てる方法もあります。賞味期限が切れた小麦粉やパン粉が1袋以上あるという場合は、新聞紙や古布の代わりにしてもいいでしょう。ただし、ある程度量がないと油をまとめきれないので、注意してください。

2-3.市販の凝固剤を利用する

市販の凝固剤を利用すれば、油を固めて捨てることができます。使用方法は製品によって異なるので、使用方法を守って使ってください。

3.大量の油はスーパーや自治体の回収を利用する

大量の油は、スーパーや自治体で回収してもらうのが便利です。廃油を回収しているスーパーは、インターネットで探してください。また、自治体で廃油を回収している場合は、市役所のサイトで回収方法を確認してから回収場所へ持っていきましょう。

4.石けんやキャンドルに再利用する際の注意点

廃油を利用して石けんやキャンドルを作ることもできます。しかし、石けんを作るには苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)という劇薬を利用するので、子どもだけで作ったり調理用の道具を使って作ったりしてはいけません。また、キャンドルは香料を入れないと臭いが強くなります。石けんやキャンドルは廃油を再利用する方法としてよく紹介されていますが、作り方をよく読んでその通りに行いましょう。

5.油の捨て方に関するよくある質問

この項では、油の捨て方に関する質問を紹介します。

Q.油の入っていた容器はどうやって捨てればいいでしょうか?
A.油は、ペットボトルやガラスビン・缶などに入れて販売されています。それぞれの自治体によってゴミの区分が異なるので、自治体のゴミ出しルールに沿って捨ててください。ペットボトルはリサイクルしている自治体もあります。ゴミに出すときは、可能ならば内側を拭いて油をぬぐっておきましょう。

Q.油を最後までおいしく使うコツはありますか?
A.油は、高温・直射日光を避けて保管しましょう。一度使った油を保管しておく場合は、オイルポットなど専用の容器を使ってください。また、一度封を開けた油はできるだけ早く使いきることが大切です。

Q.回収された廃油はどのようにリサイクルされますか?
A.洗濯石鹸・洗剤・肥料・飼料などにリサイクルされるのが一般的です。

Q.廃油を肥料にすることはできますか?
A.廃油を肥料にする場合は、米ぬかと混ぜた後、たい肥を加えて発酵させる必要があるのです。油を直接土にまいても肥料にはなりません。注意しましょう。

Q.油によって賞味期限に差はありますか?
A.極端な差はありません。しかし、ごま油やオリーブオイルは成分の違いから、サラダオイルに比べて若干賞味期限が短くなっています。

まとめ

いかがでしたか? 今回は、油の捨て方について解説しました。油は、大量になるほど処分が大変になります。ですから、オイルポット一杯くらいの油がたまったら、そのつど処分していきましょう。そうすれば、紙パック・新聞紙・ビニール袋などがあれば処分することができます。