「着物が欲しいけれど収納場所がない」「桐(きり)だんすを購入しなければならないのか?」とお悩みではありませんか? 近年は若い世代にも着物の人気が浸透してきており、購入を検討する人も少なくないでしょう。そこで、問題になるのが収納場所です。確かに、「着物は桐だんすに収納する」と思っている人が多いと思います。しかし、桐だんすは高価でスペースも取るため、購入しづらいですよね。

この記事では、桐だんすがなくても着物を収納する方法や収納前のお手入れ方法などをまとめてご紹介しましょう。

  1. 着物を収納する前にチェックすべきことは?
  2. 着物の収納に適したケースを紹介
  3. 着物の収納アイデア3選
  4. 不要な着物を手放すには?
  5. 着物の収納や手放し方に関するよくある質問

この記事を読むことで、着物を収納する際のたたみ方やおすすめの収納アイデア・処分や買取の依頼先などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.着物を収納する前にチェックすべきことは?

まずは、着物を収納する前に知っておきたいお手入れやクリーニングの方法・たたみ方などをご紹介しましょう。

1-1.着た後は陰干しして湿気を飛ばす

着物を着用した後は、必ず陰干しをしましょう。そのままたたんでしまうと湿気がこもってカビや臭いの原因になってしまいます。特に、汗をかきやすい背中や帯の下・脇の下・ひじ・ひざ部分は汗で湿っていないかしっかりチェックしましょう。ただし、あまり長時間陰干しをすると型崩れの原因になるため、長くても一晩程度にとどめるようにしてください。

1-2.汚れやシミがある場合はクリーニングを

着物に汚れやシミを発見した場合は、必ずクリーニングに出してから収納しましょう。呉服店や着物クリーニングの専門店に依頼するのがおすすめです。一般のクリーニング店でも着物を受け付けているところはありますが、本来洋服を洗うための機械や溶剤を使用しているため、着物を傷めてしまう可能性があります。また、自宅で洗える着物も増えてきていますが、必ずネットを使用して型崩れを防ぐ・洗剤の成分を残さないようにするなど、注意して洗濯しましょう。

1-3.たとう紙に包んでたたむ

着物をたたむ際は、和紙でできた「たとう紙」に包みましょう。たとう紙には通気性や吸湿性があるため、着物を湿気から守ってくれます。ただし、消耗品なので1年に1回は交換するようにしましょう。たとう紙は100円ショップでも購入可能です。長く使っているとたとう紙にカビが生えてしまい、着物にも移ってしまう可能性があるため、注意してください。

2.着物の収納に適したケースを紹介

着物の収納にはどのようなケースが適しているのでしょうか。特徴をご紹介します。

2-1.着物を平らに収納できるサイズ

収納ケースを選ぶ際は、着物を平らに収納できるサイズかどうかを確認しましょう。サイズが小さいと着物を折って収納しなければならず、折り目がついてしまいます。また、スペースに余裕がないため真っすぐの状態で収納できず、シワがつく原因にもなるでしょう。

2-2.湿気がこもりにくい

着物にとって湿気は最大の敵です。着物が傷む原因のほとんどが湿気のため、収納ケースを選ぶ際はいかに湿気がこもりにくいかを考えなければなりません。天然木やメッシュなど通気性のよい素材で作られているものや、定期的に風とおしをしやすい形状のケースを選ぶようにしましょう。

2-3.使いやすさも重視する

着物を着る頻度によっては、収納ケースの使い勝手も重視すべきです。たとえば、着物を頻繁に着る人であれば、引き出しや衣装盆が複数ついたタイプのたんすがよいでしょう。出し入れが比較的簡単にできるため、収納にいちいち手間がかかることはありません。着物を着る機会が少ない人は、出し入れのしやすさより、長期間安心して保管できるかどうかを重視すべきです。

3.着物の収納アイデア3選

着物を収納するおすすめのアイデアを3つご紹介しましょう。

3-1.チェストや衣装ケースをクローゼットや押し入れに入れて収納

最近は住宅事情から、大きなたんすを室内に置くのが難しい家庭も多くなってきているでしょう。そこで、おすすめなのが、チェストや衣装ケースをクローゼットや押し入れにそのまま入れて収納する方法です。ニトリの「桐3段チェスト」や無印良品の「プラスチック衣装ケース」など、着物の収納に適していてクローゼットや押し入れに入るタイプのアイテムをチェックしてみるとよいでしょう。

3-2.ベッド下収納ケースを使ってすっきりと

ベッド下のデッドスペースを活用して着物を収納する方法もおすすめです。アイリスオーヤマの「ベッド下収納ケース」や天馬の「プラスチック着物ケース」などを利用すれば、ベッド下のスペースにもすっきり収納できます。

3-3.通気性抜群のスチールラックもおすすめ

スチールラックにたとう紙に包んだ着物をそのまま収納する方法もあります。頻繁に着物を着る人にとって、抜群の出し入れのしやすさでしょう。もちろん、通気性の心配もありません。棚板を追加できるため、着物の量に合わせて工夫するとよいでしょう。

4.不要な着物を手放すには?

着物を収納しきれず、不要な着物の処分を検討する人もいるでしょう。着物を処分したり買取に出したりする方法についてご紹介します。

4-1.自治体のゴミ回収を利用して捨てる

状態が悪く買取対象にならない着物は、自治体のゴミ回収を利用して処分しましょう。燃えるゴミとして回収している自治体や古布として出すよう決められている自治体もあるため、事前に必ず確認してください。

4-2.リサイクルショップや着物専門の買取業者に売る

着物を買取に出す手段としては、リサイクルショップや着物専門の買取業者などがあります。一般的なリサイクルショップは気軽に利用できますが、着物の査定に詳しい査定員がいないため、買取金額が相場以下になってしまう場合がほとんどです。そこで、少しでも高く買取してもらいたい場合は、着物専門の買取業者に依頼しましょう。着物に関する知識を持つ査定員がいるため、適切な価格で買取してもらえます。また、出張買取や宅配買取に対応している業者も多いため、自分に合った買取方法を選択できる点もメリットでしょう。

4-3.オークションに出品する

ネットオークションでは出品価格を自分で設定できるため、着物を高額で売れる可能性もあります。自宅にいながら利用できるのもメリットでしょう。ただし、着物の状態がしっかり分かるようネット上にアップしたり、こん包や発送の手続きをしたりと、手間はかかります。また、買い手が見つかるまで着物を手元に置いておかなければならないため、急いで処分したい人には不向きです。

5.着物の収納や手放し方に関するよくある質問

「着物の収納方法や手放し方について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.着物だけでなく帯も手入れしてから収納したほうがよいでしょうか?
A.はい。帯や腰ひも・帯揚げ・帯締めなども陰干ししてから収納したほうがよいでしょう。

Q.着物を重ねて収納しても問題ありませんか?
A.重ねすぎるとシワや型崩れの原因になるだけでなく、下のほうにある着物の通気性が悪くなってしまうでしょう。5枚以上は重ねないようにしてください。

Q.着物の収納に防虫剤を使用する際の注意点は何ですか?
A.変色を防ぐため、着物に直接触れないように置きましょう。また、複数の防虫剤を一緒に使うと化学反応を起こす可能性があるため、注意してください。

Q.着物を少しでも高く買取してもらうポイントは何でしょうか?
A.汚れやシミがないか確認しておく・小物とセットで売る・証紙を用意しておく・買取先を比較して選ぶことなどです。

Q.不要な着物のリメイクアイデアを教えてください。
A.普段使いできるワンピースやスカート・アクセサリー・バッグ・日傘などにリメイクするのが人気です。

まとめ

着物の収納方法や収納する際の注意点・不要な着物の手放し方などをまとめてご紹介しました。着物はデリケートなので収納する際に注意が必要です。収納方法を選ぶ際にもいくつか知っておくべきポイントがあるため、ぜひこの記事を参考にしてください。