IHクッキングヒーターはガスコンロに比べて掃除しやすいメリットがありますが、調理中に飛び散った油などを放置していると頑固な汚れになってしまいます。どうすれば汚れを落とすことができるのか、IHクッキングヒーターの掃除方法で悩んでいる方は多いでしょう。

そこで、本記事では、IHクッキングヒーターの掃除方法や掃除に役立つアイテムなどを解説します。

  1. IHクッキングヒーターにはどんな汚れがつくのか?
  2. IHクッキングヒーターを掃除する方法と役立つアイテム
  3. IHクッキングヒーターを掃除する際の注意点
  4. IHクッキングヒーターの汚れを予防する方法
  5. IHクッキングヒーターの掃除に関してよくある質問

この記事を読むことで、IHクッキングヒーターにつきやすい汚れや掃除の注意点なども分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.IHクッキングヒーターにはどんな汚れがつくのか?

まずは、IHクッキングヒーターにはどんな汚れがつくのかチェックしておきましょう。

1-1.焦げ付き

IHクッキングヒーターの汚れでよくあるのは、焦げ付きです。IHクッキングヒーターの焦げ付きは、IHの表面にあるガラス面が原因となります。ガラス面に汚れが蓄積されることで、焦げ付きが発生してしまうのです。焦げ付きの原因汚れとしては、醤油(しょうゆ)など水溶性調味料・調理中にはねた油・鍋の底にこびりついた汚れがIHに付着することなどがあります。IHクッキングヒーターが汚れていなくても、使用する鍋やフライパンの底などに汚れがついていると、その汚れが付着することもあるので注意が必要です。

1-2.頑固な油汚れ

やっかいな汚れになりやすいのが、IHクッキングヒーターに付着しやすい頑固な油汚れでしょう。天板に飛び散った油汚れは、使用するたびにこまめに拭き取っていかなければなりません。油汚れを放置すればするほど酸化してしまい、天板にこびりついてしまうことになります。使用後にすぐ拭き取れば問題ありませんが、放置すると余計に落としにくい汚れになってしまうので注意が必要です。

2.IHクッキングヒーターを掃除する方法と役立つアイテム

ここでは、IHクッキングヒーターを掃除する方法と役立つアイテムを紹介します。

2-1.天板の焦げ付きは中性洗剤を使う

天板についた焦げ付きを掃除する際は、中性洗剤を使います。使用後は天板が熱くなっていてヤケドをする恐れがあるため、冷めてから掃除しましょう。少し水でぬらしたふきんに中性洗剤をつけてさっと拭き取ります。天板がガラス素材でできているので、やわらかい布で拭き取るのがポイントです。油汚れや頑固な焦げ付きがある場合は、クリームクレンザーやIH専用の洗剤を塗布し、丸めたアルミホイルやラップでくるくると汚れをこすってみてください。専属のスチールウールがついている場合は、そのスチールウールを使うといいでしょう。

2-2.しっかりと拭き取ることが大事

油汚れや焦げ付きをクレンザーなどで取り除いた後は、しっかりと拭き取ることが大切なポイントです。中途半端に拭き取ってしまうと、そこにクレンザーなどの成分が残ってしまい、余計に汚れてしまったり傷がついたりしてしまう恐れがあります。特に、クレンザーは残りやすい傾向があるため、きれいに拭き取れるまで何度もやわらかい布で拭きあげましょう。最初は水を含ませた布で拭き取り、最後にから拭きをすれば完ぺきです。

2-3.排気口とすき間は分解して洗う

IHクッキングヒーターには、排気口のカバーやすき間などがあると思います。掃除する際は、できるだけ取り外せるパーツはすべて取り外し、洗剤できれいに洗ってください。汚れが少ない場合は食器用洗剤だけで構いません。油汚れがひどい場合は、セスキ炭酸ソーダ水を吹きかけるのがおすすめです。セスキ炭酸ソーダ水は、水500mlに対しセスキ炭酸ソーダを小さじ2分の1ほど入れてかき混ぜたら完成します。また、IHコンロのすき間には小さなゴミが詰まってしまやすいので、ブラシを使って掃除するといいでしょう。

2-4.重曹・クレンザーを準備しよう

IHクッキングヒーターの掃除に役立つアイテムといえば、重曹やクレンザーといった洗剤です。重曹はセスキ炭酸ソーダと同じく、100円均一ショップで気軽に購入できます。水200mlに対して小さじ1杯分の重曹を入れて混ぜることで重曹水になり、排気口の中にたまっている汚れを落とすのに役立つでしょう。スプレータイプはささっと吹きかけるだけなので、掃除が苦手な方でも簡単です。また、クレンザーを使用する際は、クリームタイプを選びましょう。粉末タイプは研磨剤が入っているものが多いため、天板を傷つけてしまう恐れがあります。クリームタイプであれば天板を傷つけることなく安心して掃除できるでしょう。

3.IHクッキングヒーターを掃除する際の注意点

ここでは、IHクッキングヒーターを掃除する際の注意点をいくつか紹介します。

3-1.必ず電源を切ってから掃除する

IHクッキングヒーターを掃除する際は、必ず電源を切ってからにしてください。電源を入れたまま掃除をしてしまうと、故障の原因につながってしまいます。実際に、電源を入れたまま掃除をした後に、IHクッキングヒーターが使えなくなってしまったケースもあるので要注意です。掃除をする前に必ず電源がオフになっているかどうかを確認しましょう。また、IHクッキングヒーターの掃除と併せて換気扇や周囲の壁も掃除する場合は、天板の上に乗らないようにしてください。天板は頑丈に見えるかもしれませんが、繊細なガラスでできているので割れる危険があります。

3-2.金属たわしは使わない

IHクッキングヒーターを掃除する際に、金属たわしを使う方がいますがこれはNG行為です。たとえ、頑固な汚れがこびりついていたとしても、金属たわしは使ってはいけません。前述したように、天板はガラスでできているので金属たわしを使ってしまうと傷がついてしまいます。焦げ付きを掃除する際は金属たわしではなく、クレンザーとアルミホイルの組み合わせが理想です。また、ガスコンロとは違って、IHクッキングヒーターは天板だけ取り外すことはできません。無理に天板を持ち上げてしまうと割れてしまう恐れがあるため、無理に持ち上げたり分解したりしないように注意しましょう。

3-3.汚れ防止シートは使わない

汚れ防止マットや汚れ防止シートなどが、市販されているのをよく見かけますが、これらを使用するのはNGです。確かに、汚れ防止シートなどを使うと、汚れを未然に防ぐことができます。掃除した後のきれいな状態を保ち続けることができるでしょう。けれども、市販されている汚れ防止シートは、IHクッキングヒーターの温度調節機能が正しく動かない原因になるものです。さらに、過去には火災を起こしてしまった例もあります。IHヒーターメーカーからも使用を禁じている旨が取扱説明書に記載されているので注意してください。

4.IHクッキングヒーターの汚れを予防する方法

ここでは、IHクッキングヒーターの汚れを予防する方法について解説します。

4-1.使用後はきれいに拭き取る

IHクッキングヒーターをきれいに維持し続けるためには、何よりも使用後のお手入れが重要です。あなたは使った後に飛び散った油汚れや調味料などを拭き取っているでしょうか。面倒だから……とそのまま放置すれば頑固な汚れになってしまい、簡単には落とせなくなってしまいます。けれども、使用後にすぐ拭き取れば、頑固な汚れを未然に防ぐことができるのです。キッチンに拭き取るためのやわらかい布や重曹水・セスキ炭酸ソーダ水のスプレー等をおいておき、すぐに掃除できる状態にしておきましょう。

4-2.1日の終わりにアルカリ性の洗剤できれいにする

使用後のお手入れはもちろんのこと、1日の終わりにアルカリ性の洗剤できれいにすることも大切なポイントです。IHクッキングヒーターに焦げ付きがつかないように使用後お手入れをすることは重要ですが、ささっと水拭きするだけでは完全に取り除けません。調理のたびに水拭きをするのはもちろん、1日の終わりにアルカリ性の洗剤できれいにしましょう。IHクッキングヒーターに付着しやすい汚れは酸性の汚れがほとんどなので、アルカリ性の洗剤が効果的です。

4-3.コーティング剤を活用する

汚れを未然に防ぐために、コーティング剤を活用するのも方法の1つです。汚れやすい天板にコーティング剤を塗ることで拭き掃除が楽になるでしょう。たとえば、プラルタから発売されているイオンコーティング剤は、イオンの力で汚れがつきにくくなります。たとえ、汚れたとしても簡単に拭き取れる優れものです。300℃までの耐熱性があるため、IHクッキングヒーターでも安心して使うことができるでしょう。

4-4.掃除しやすいIHクッキングヒーターに変える方法も

長年、同じIHクッキングヒーターを使っている場合、思いきって新しいIHクッキングヒーターに交換するのも選択肢の1つです。あくまで目安となりますが、IHクッキングヒーターの平均寿命は、約10年といわれています。10年以上使っている場合、焦げ付きや汚れが付着しやすくなっているため、掃除しやすい種類に交換しましょう。IHクッキングヒーターの中には掃除しやすいタイプもあるので、ぜひチェックしてみてください。

5.IHクッキングヒーターの掃除に関してよくある質問

IHクッキングヒーターの掃除に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.くすんでしまった汚れをきれいにする方法は?
A.IHクッキングヒーターの天板はくすみやすく、見た目が悪くなってしまいます。くすみ汚れをきれいにしたい場合は、水栓金具などの水垢を落とす際に使う市販の住宅用掃除シートがおすすめです。特に、ポリエステル系の住宅用掃除シートは、くすみ汚れに効果があるといわれています。天板がきれいになるので、ぜひ試してみてください。

Q.グリル本体とグリルプレートの日常のお手入れ方法は?
A.グリルを使った後もきちんと汚れをきれいに拭き取ってください。毎回グリルプレートは取り外し、中性洗剤で洗うのがベストです。ほとんどのIHクッキングヒーターでは、グリルの扉も取り外せるようになっています。本体だけでなく扉もしっかりと洗いましょう。グリル部分は油汚れや焦げがつきやすい箇所なので、使ったらすぐに洗うことを心がけてください。

Q.排気口の掃除でやってはいけないことは?
A.洗剤を直接スプレーすることです。排水口にスプレーを直接吹きかけてしまうと、胡椒の原因になってしまいます。ほとんどのIHクッキングヒーターは、左側がグリルの熱排気、右側は本体基盤を冷やすための吸気になっているでしょう。そこに、水などが入ってしまうと内部の基盤がぬれてしまうので注意が必要です。直接スプレーを吹きかけるのではなく、ふきんなどに吹き付けてお手入れしましょう。

Q.魚焼きグリルの頑固な汚れをきれいにする方法は?
A.洗う前に中性洗剤を薄めた液に、魚焼きグリルを数時間つけておきましょう。数時間つけ置きすることで、汚れがふやけて取れやすくなります。頑固な油汚れも簡単に落ちるはずです。また、グリルの中にはお手入れモードが備わっているものもあるでしょう。お手入れモードは庫内を高温にすることで油汚れを焼き切る機能です。1~2週間に1回程度はお手入れモードを活用してください。

Q.ヘラでそぎ落とす方法は有効なのか?
A.頑固な汚れをヘラでそぎ落とす方法がありますが、この方法には注意が必要です。力を入れすぎてしまうと天板のガラスが割れたり、傷がついたりしてしまう恐れがあります。できれば別の方法で汚れを落としてほしいのですが、ヘラを使う場合は力加減に注意しましょう。

まとめ

IHクッキングヒーターは焦げ付きや油汚れが付着しやすい場所なので、使用後はこまめに掃除することが大切です。頑固な汚れにはクリーナーを使ったり、中性洗剤や酸素洗剤などを活用したりすることで汚れは落ちるでしょう。油汚れや焦げ付きを放置するほど落ちにくくなってしまうため、なるべく早めに掃除することが大切です。また、10年以上使っているIHクッキングヒーターであれば、思いきって新しい機種に交換するのも選択肢の1つでしょう。