カーペットに染みをつけてしまうことは、決して珍しくありません。「染みを取ろうとあれこれがんばったけれど、どうしても落ちない」と悩んでいる人も多いことでしょう。カーペットの染みは、汚れの種類によって落とし方が異なります。
今回は、汚れの種類別にカーペットの染み抜き方法を紹介しましょう。
- カーペットの染み抜きをする際のポイント
- 水溶性の染みがカーペットについた場合の染み抜き
- 油性の染みがカーペットについた場合の染み抜き
- 泥汚れや血液の染み抜きの方法
- カーペットの染み抜きに関するよくある質問
この記事を読めば、もうカーペットの染みに悩むことはありません。カーペットについた染みに悩んでいる人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.カーペットの染み抜きをする際のポイント
はじめに、カーペットの染み抜きをうまく行うために知っておくべき知識を紹介します。
1-1.染みはついてすぐ取ること
染みは、ついてすぐが最も落としやすいときです。ですから、小さい染みでもついたらすぐに取りましょう。「後で取ればいいや」と思ってはいけません。
1-2.染みの原因を知っておくことが大切
カーペットに染みを作るものは、大きく分けて油分を含む物質と、水性の物質があります。また、油性の物質もケチャップ・マヨネーズなど食用のものと、マニキュア・口紅・クレヨンなどの化粧品・塗料などに分けられるのです。
一方、水性の物質は色の濃いものと薄いもののほか、泥水も含まれます。色の濃いものは薄いものに比べると落ちにくく、泥水は細かい泥の粒子がカーペットの繊維に絡まってしまうと、ついたばかりのものでも落ちにくいでしょう。
1-3.古い染みの判別方法
カーペットについた染みの中には、いつ、どんなものが染みをつけたか分からないものもあります。この場合は、ぬらしたウエスなどで染みを叩(たた)いてみましょう。薄くなれば水溶性の染み、全く変わらなければ油性の染みの可能性があります。
2.水溶性の染みがカーペットについた場合の染み抜き
この項では、水溶性の染みがカーペットについた場合の染み抜き方法を紹介します。
2-1.染み抜きの道具
カーペットの染み抜きには、以下のような道具を使いましょう。
- 中性洗剤(洗濯用洗剤でも可能)
- ウエス・雑巾
- ぬるま湯(水)
- 古歯ブラシ
2-2.染み抜きの手順
染み抜きの手順は、以下のように行います。
- 乾いた布で水気を拭き取る:カーペットについたものが何であれ、まずは乾いた雑巾やウエスで水気を拭き取る
- ぬるま湯に洗剤を溶かしたもので叩くようにこする:ただし、牛乳などタンパク質の汚れはぬるま湯だと固まるので水に洗剤を溶かしたもので拭く
- 落ちにくい汚れは、古歯ブラシでこする:カーペットの繊維を傷めないように、古歯ブラシで優しくこする
- ぬるま湯で洗剤を拭き取る:染みが落ちたら、ぬるま湯だけですすいだ雑巾を固く絞って洗剤を拭き取る
- 乾いた布で水気を拭き取る:最後に、乾いた雑巾などで水気を拭き取る
2-3.タンパク質を含む汚れに注意する
前述したように、タンパク質は熱を加えると固まる性質があります。ですから、牛乳を含む飲料・卵などを落として染みを作った場合は、水に洗剤を溶かしたもので拭き取りましょう。
3.油性の染みがカーペットについた場合の染み抜き
この項では、油性の染みがカーペットに付着した場合の染み抜き方法を紹介します。
3-1.染み抜きに使う道具
油性の汚れの染み抜きには、以下のような道具を用意しましょう。
- 小麦粉
- ベンジン・除光液
- 雑巾・ウエス
3-2.染み抜き方法
染み抜き方法は、以下のような手順で行います。
- 汚れを大まかに拭く:乾いた布やティッシュなどで、大まかに汚れを拭き取る。固形物が付着している場合は、ヘラなどで削るように取るとよい
- 小麦粉に汚れを吸着させる:ドレッシングや油など液体の汚れの場合、小麦粉をふりかけて吸着させる
- ベンジンで汚れを拭き取る:固形物の汚れや時間がたった汚れの場合、少量のベンジンを染み込ませた雑巾で叩くように拭き取る
- 除光液で拭き取る:ネイルがついた場合は、除光液で叩くように拭き取る
- 掃除機で小麦粉を吸い取る:汚れを吸着した小麦粉は、掃除機で吸い取る
- 固く絞った布で叩くように拭き取る:固く絞った雑巾で、ベンジンや除光液を落とす
- 乾いた布で水気を拭き取る
3-3.注意点
小麦粉は、ついたばかりの油性の汚れにだけ有効です。古い染みには効果がありません。ベンジンを用いましょう。また、ベンジンや除光液を使う場合は、引火性物質のため火気に注意してください。
4.泥汚れや血液の染み抜き方法
この項では、泥汚れや血液の染みがカーペットに付着した場合の染み抜き方法を紹介します。
4-1.染み抜きに必要な道具
血液や泥の染みを抜くには、以下のような道具を用います。
- 雑巾・ウエス
- 消毒液(オキシドール)
- ドライヤー
- 古歯ブラシ
4-2.泥汚れの染み抜き方法
泥汚れの染み抜き方法は、以下のとおりです。
- 泥がまだ湿っている場合、ドライヤーをかけて乾かす:乾かすことで、泥を落としやすくする
- 乾いた泥を古歯ブラシなどでかき落とす:カーペットの根元から削り取るように落とす
- 落とした泥を掃除機で吸い取る
4-3.血液の染み抜き方法
血液の染みは、以下のような方法で落としましょう。
- 血液に消毒液(オキシドール)を吹く:オキシドールは蒸発しやすいので、オキシドールを吹いた上に布をかぶせてしばらく置く
- 汚れが浮き上がってきたら叩くように落とす:こすると繊維に血液が染み込むので注意する
- 乾いた雑巾や布で、オキシドールを拭き取る
なお、古い血液は大変落ちにくいので、布用の漂白剤を少量塗ってしばらく置いてください。ただし、色落ちする可能性があるので、色物に使用する場合は目立たない場所で試してからにしましょう。
5.カーペットの染み抜きに関するよくある質問
この項では、カーペットの染み抜きに関するよくある質問を紹介します。
Q.カーペット専用の洗剤を使ったら、どのような染みでも落ちるでしょうか?
A.はい。カーペット専用の洗剤は油性・水性どちらの汚れでも使えます。古くて何の染みか分からない場合にも、使ってみるといいでしょう。
Q.カーペットに汚れをつきにくくするコツはありますか?
A.カーペットの上で飲食しないか、小さな子どもがいる場合は食事時にビニールシートなどを敷くといいでしょう。また、毛足の長いカーペットより短い方が汚れが取れやすいのでおすすめです。
Q.スチームクリーナーは、カーペットの染み抜きに使えますか?
A.スチームクリーナーは高温の蒸気で汚れを浮かして落とす掃除器具です。ですから、染みにもある程度効果が期待できますが、どんな染みでも落ちるわけではありません。
Q.どうしてもカーペットの染みが落ちない場合はどうしたらいいですか?
A.クリーニングの染み抜きに出しましょう。数千円程度で大抵の染みを落としてくれます。
Q.ペットの粗相(そそう)でカーペットに染みができてしまいました。
A.ペットの糞尿(ふんにょう)は、水性の汚れと同じように落とします。なお、臭いは重曹と水を1:1でまぜた重曹水を吹きかけて取りましょう。
まとめ
いかがでしたか? 今回は、さまざまな種類の汚れがカーペットについた場合の染み抜き方法を紹介しました。カーペットの染みは水性・油性では落とし方が異なります。また、染み抜きは時間との勝負です。ついて間もない染みならば、今回ご紹介した方法でほぼ落ちます。染みがついたらすぐに対処してください。