現代では親と子どもが離れて暮らしている方も多いです。そんな懐かしい実家に帰ったとき、実家がゴミ屋敷となっている可能性があります。両親の心境・身体的な変化によって自分の暮らした家がゴミだらけという現実は受け入れがたいです。また、どれだけ掃除の説得をしてもなかなか受け入れてもらえないこともあります。
この記事では、ゴミ屋敷となってしまった実家を掃除するための説得方法をご紹介しましょう。
- ものを捨てられない心理とは
- ゴミ屋敷条例とは
- 納得してもらいやすい説得方法
- 回収業者に依頼してキレイにする
- 老前整理・生前整理とは
- まとめ
1.ものを捨てられない心理とは
1-1.「もったいない」の強迫観念が働く
ものを捨てられない人には「もったいない」という心理が働いていることが多いです。そのため、ものを整理することなく溜(た)め込んでしまいます。特に、年齢を重ねて物欲が強くなると強迫観念となって捨てることができません。どうみても役に立たない・価値がないように見えるものでも捨てることができないのです。
1-2.捨てることに対する反発心
ゴミが散らかる部屋を掃除しようとしても、ゴミ屋敷に住む人はその行動を拒む傾向があります。こうした捨てることに抵抗のある人の家で勝手に掃除をすると、むしろ逆効果です。
1-3.捨てる決心ができない
ものを捨てられない人には物事に決心できない特徴があります。
- 使用品だが、まだ使える。
- 記念品だから捨てることができない。
- 思い出の品だから取っておきたい。
以上のような心理が働くことで、ものを家の中に散乱させて整理することができません。ものに溢(あふ)れた生活が続くと物事をリセットすることができず、生活環境が狭くなったり衛星面での被害が出たりします。
2.ゴミ屋敷条例とは
ある家において敷地内だけでなく人が通る道にまでゴミを溜(た)めこんでいる「ゴミ屋敷」に対し、行政が対処するための条例のことです。一般的にゴミ屋敷は「病害虫・悪臭の発生など近隣住民へ社会的な悪影響を与えて苦情が出ている場所」となっています。しかし、個人の敷地内のものは固有の財産であるため勝手に処分はできません。
ですが、放っておくと不法投棄・放火・環境汚染・悪臭などさまざまな問題を起こします。そのため、ゴミ屋敷条例では自治体に住民への勧告・指導権限を与えて強制撤去を施行することができるようになっているのです。
3.納得してもらいやすい説得方法
近年、自分が居ない間に実家がゴミ屋敷となっているケースが多く出ています。自分の両親には一刻も早くゴミ屋敷から解放したいものです。しかし、ゴミ屋敷に住んでいる人ほど掃除を望んでいない傾向があるのも事実。この項目では、ゴミ屋敷に住んでいる人に納得してもらえる説得方法をご紹介します。
3-1.相手の関心事に絡めて頼み込む
はじめから手を講じるのではなく、まずは素直に片付けて欲しい旨を頼み込みましょう。しかし、簡単にはこちらのお願いを承諾してくれないことが考えられます。そこで、相手の関心事に絡めてお願いしてみるのがポイント。
たとえば、占い・風水などが好きなら片付けることで発生する占い・風水面でもメリットを伝えましょう。また、部屋を片付けることでどういったメリットが発生するかも伝えることがポイントです。
3-2.一緒に掃除することを約束する
掃除が苦手の人が、自分だけでやろうとしてもなかなか進まないことが考えられます。そんなときは、自分も片付けの手伝いをすることを告げましょう。一緒に掃除することを申し出ることで苦手な人も掃除しやすくなります。
3-3.片付けるためのきっかけを作る
家をゴミ屋敷にしてしまう人の中には、片付けることに怒ってしまう人がいるのも事実。もし、自分の親がこうした怒ってしまうタイプの場合は「きっかけ」を作りましょう。たとえば、片づけをしないと帰ってこない・孫を連れてこないなどデメリットを提案してみます。もし、これで片付けに応じてもいきなり家全体を掃除しないようにしましょう。一気に掃除するとリバウンドする可能性があります。
そのため、まずは小さな箱に必要なものを入れるところから始めるのも大事です。もし、小さい箱で応じなければ少しだけ大きな箱にします。どうしてもダメなときは、ゴミを家に持って帰ってから廃棄しましょう。しかし、これは最終手段だと思ってください。
4.不用品回収業者に依頼してキレイにする
ゴミ屋敷に住む人を説得して掃除しようとしても、ゴミが多すぎて手に負えないケースも多くあります。そんなとき、依頼したいのが不用品回収業者です。回収業者ではゴミ屋敷の掃除事業をサービスとして行っている場所があります。この項目では、不用品回収業者に依頼するメリットをご紹介しましょう。
4-1.自分の代わりに分別・搬出してくれる
回収業者に依頼すると自分たちの代わりにゴミ・不用品を分別してくれます。さまざまなゴミを自分たちだけで分別するよりも圧倒的に早いです。また、使えなくなった大型家具や家電機器が合った場合でも、業者が搬出してくれるのもポイント。
さらに、ゴミと思っていたものの中から買い取りができるものがあれば買い取ってもらえる可能性もあります。買い取りサービスは業者によって異なるので、依頼時に確認しておきましょう。
4-2.わかりやすい料金設定
最近では回収業者でもわかりやすい料金設定を作っているところが多いです。品目ごとの料金表や、一定量までなら定額で回収してくれるサービスなど多様化しています。また、料金表が無くても見積もりなどできちんと概算を出してくれるので安心しましょう。
4-3.見積もりを行った上で対応してくれる
回収業者ではいきなり現場に入って作業をすることは少ないです。事前に電話などの応対でゴミの量を確認してから見積もりを行い、そのあと現場を確認してからどれぐらいの費用になるか最終的な計算を行います。計算をすることで費用だけでなくどういった作業が必要なのか確認するためです。そのため、不必要な費用を後から請求されることもありません。反対に言えば、見積もりをしない業者は怪しいと思いましょう。
5.老前整理・生前整理とは
5-1.しっかりしている内に整理をする
現代は少子高齢化となり、親と子どもが別居状態となることが多くなりました。そのため、独居生活となった親御さんが動ける内に自身で整理する生前整理・老前整理という動きがあります。
体力・判断力・精神力がある段階で整理をしておくことで、自分が本当に残したいものを整理する考え方です。事前に残したいものを考えることができるため、子どもたちへの遺品整理もしっかり行うことができます。
5-2.老前整理とは
老前整理は自分が老いてしまう前に整理をすることです。家族のためよりは自分のためにするのが目的となります。自分の周りにある不用なものを整理して老後生活に必要なもの・やりたいことのために使うものを整理して心身ともに落ち着くことができるのがポイント。事前に整理しておくことで老後生活もスムーズに送ることができます。
5-3.生前整理とは
生前整理は自分が死ぬ前に身辺整理をすることです。自分が家族・子どものために遺品を分かりやすく整理するのが主な目的となります。遺品・財産を明確にしておくことで自分が死んだ後のトラブルを未然に防ぐことができるのが特徴。立つ鳥は跡を濁さないと言いますのでしっかりと悔いの残らない整理をしておきましょう。
6.まとめ
いかがでしたか? この記事では実家のゴミ屋敷を掃除するための説得法を中心にご紹介しました。最後に、説得法とゴミ屋敷に関して大事な部分を整理しておきましょう。
- 「ものを捨てられない」という意識が強い人は家をゴミ屋敷にしてしまう。
- 説得するときは、相手が飲みやすい条件を整える。
- いきなり全部を掃除しない。
- どうしても動かないときは、厳しい条件を出す。
- 自分たちだけで掃除できないときは回収業者に依頼する。
自分たちの育った家が、知らない内にゴミ屋敷になっているのは辛いですよね。それに、自分の両親には快適に生活してもらいたいもの。なかなか交渉がうまく行かないこともありますが、折れずに説得を試みましょう。