鼻水や目のかゆみなどつらい症状が1か月以上も続く花粉症。悩んでいる方も多いでしょう。この時期は外出時だけでなく部屋の中の花粉対策も入念に行う必要があります。

そこで今回は、花粉が飛散する時期の掃除の仕方についてご紹介しましょう。掃除機を使って部屋の掃除をする方が大半でしょうが、花粉の時期は掃除にも対策が必要です。

花粉の時期は家の掃除をするだけでくしゃみや涙が止まらないという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。花粉対策のヒントがつかめるかもしれません。

  1. 家の中に花粉が入るのはなぜ?
  2. 花粉の季節の掃除の仕方は?
  3. 空気清浄機の正しい使い方は?
  4. 布団乾燥機やクリーナーをフル活用しよう

1.家の中に花粉が入るのはなぜ?

この項では、花粉が家の中に入ってくる原因をご紹介します。どんなに気をつけていてもあの小ささですから、完全に防ぎきることは難しいのです。

1-1.服について入る

花粉が家に侵入するもっともポピュラーなルートが、服に付着することです。たとえスギの木の近くを通らなくても、風にのって飛んできます。花粉症の方はご存じの人も多いでしょうが、この時期は花粉対策としてウールなど繊維がけばだって花粉が絡みやすい服は避け、ナイロン等のつるつるとした服を着ると花粉が付着しにくいです。

また、コートなど屋外で着脱できる衣服を必ず身につけ、家に入る前に脱ぐという方法もあります。しかしどれほど気を使っても外出する限り、花粉が服につくリスクは避けられません。

1-2.換気をする際に入ってくる

今は24時間換気システムの家もありますが、毎日換気のために窓を開けるお宅も多いでしょう。花粉の季節は窓を開けているとどうしても花粉が入ってきます。早朝や深夜など花粉が飛びにくい時間帯に換気をしても完全にシャットアウトすることはできません。

1-3.洗濯物について入ってくる

洗濯物を外に干しておくと、どうしても花粉がつきます。花粉症の方は「この時期は室内干ししかしない」という人も多いでしょう。しかし、室内干しをするスペースがなかったり、室内干しをすると何日も洗濯物が乾かないという場合は、どうしても外に干さざるをえません。

対策としては取り込む際に良くたたいて花粉を落としたり、夜間など花粉の飛散が少ない時間帯に干すしかないでしょう。それでも完璧に防ぐことは難しいので、次の項から説明する掃除の仕方が重要になってきます。

花粉は、ありとあらゆるところから入り込んでくるんですね。
はい。目に見えないほど小さいものですので、完全に防ぐのはとても困難です。

2.花粉の季節の掃除の仕方は?

このように花粉の季節は外から家の中に花粉が持ち込まれます。重度の花粉症の方は、持ち込まれた花粉だけでもくしゃみや涙が止まらずつらい、という人も少なくないでしょう。そこでこの項では、花粉の季節の掃除の仕方についてご紹介します。他の季節の掃除とどこが違うのでしょうか。

2-1.掃除は午前中か夕方に行う

花粉の季節とはいえ、1日中同じように花粉が飛ぶわけではありません。花粉は気温が上がりきった午前11時ごろ~15時ごろまでがもっとも飛散量が多いです。ですから、この時間に掃除をすれば花粉を巻き上げるだけでしょう。

花粉の時期の掃除は朝早くか陽が沈む夕方ごろに行ってください。ただし早朝や深夜の掃除は近所迷惑になる場合がありますから、アパートやマンションなどの集合住宅にお住まいの方は気をつけましょう。

2-2.換気は掃除の前に窓を細く開けて行う

掃除をする際は窓を開けて換気をしながら行いたい、という方もいるでしょう。しかし、花粉の季節に窓を大きく開けて換気すれば、家の中に花粉を呼び込んでいるようなものです。

換気扇を回しておけばある程度の換気はできます。どうしても換気を行いたい場合は掃除の前に窓を細く開けて10分ほど換気しましょう。その際に東と西、北と南といった対面になる窓をあけると、空気の流れができて床に花粉が落ちにくいです。

2-3.まず初めに拭き掃除をする

外から持ち込まれた花粉は通常は床の上に落ちています。そこにいきなり掃除機をかけると花粉は一斉に舞い上がり、掃除機をかけた後に床に落ちるでしょう。

これならば掃除をした意味がありません。ですから、まず花粉を取り除くために拭き掃除から始めましょう。クイックルワイパーなど立って拭き掃除ができる道具に、ウエットタイプのシートをつけて拭いていけば簡単です。

同じ要領で棚の上などほこりの積もりやすい場所も拭いていきましょう。その後で掃除機をかければ、花粉が舞い上がることもありません。

また、家の中で最も花粉が落ちやすい場所は玄関です。玄関はほうきで掃除をするという方も多いでしょう。しかしほうきを使えば掃除機と同じことです。ここもやはり拭き掃除をしましょう。

水を撒ける玄関の場合は、まず水をまいてから汚れを水と一緒に流しても良いですね。

最初は拭き掃除から始めるんですね。
はい。とにかく花粉を空中に舞い上がらせないことが大切です。

3.空気清浄機の正しい使い方は?

花粉症の季節は空気清浄機が欠かせないという方も多いでしょう。しかし空気清浄機も使い方によっては掃除機と同じように、花粉を巻き上げるだけで終わってしまいます。空気清浄機をつけるのは掃除の後にしましょう。1日中つけっぱなしだと、花粉を巻き上げるだけで終わってしまうかもしれません。

また、花粉を巻き上げないためには加湿も有効です。空気が乾いていればそれだけ花粉も軽くなり、舞い上がりやすくなるでしょう。最近の空気清浄機は加湿機能ついたものもあります。加湿器と一緒に使用しても大丈夫でしょう。

さらに忘れてはいけないのが定期的なフィルターの掃除です。花粉をたっぷりと含んだフィルターは当然ながら不用意に叩いてゴミを取ろうとすると、花粉を飛散させてしまうでしょう。

フィルターの掃除はぬれぞうきんなどで大まかな汚れをぬぐってから、掃除機で細かいほこりを吸い取ってください。そうすれば花粉が不用意に飛び散らずに済みます。

空気清浄機は、フィルター掃除も重要なんですね。
はい。予備のフィルターも準備しておきましょう。

4.布団乾燥機やクリーナーをフル活用しよう

花粉の季節は布団を干せないという方も多いでしょう。しかし、布団は使い続けているうちに汗や湿気をすってじっとりと湿ってくる場合もあります。湿った布団というのはなんとなく気持ちが悪いでしょう。

ですから花粉の季節は布団乾燥機やクリーナーをフル活用して布団の清潔度を保つとよいですね。どうしても外に干したいという場合は、花粉が最も飛散する時間帯を避け、布団は叩かず、撫でるようにして花粉を落としてから取り入れてください。取り入れた後に布団クリーナーで掃除をすればなお良いでしょう。

布団乾燥機を用いれば、布団を外で干せなくても大丈夫ですね。
はい。使用すればダニの予防にもなります。

おわりに

今回は花粉の時期の掃除の仕方についてご紹介しました。

まとめると

  • 花粉が床に落ちた状態で掃除機を使うと花粉を巻き上げるだけ
  • まずは拭き掃除をして花粉をぬぐい取ることが大切
  • 空気清浄機とともに加湿器を使うとさらに効果的
  • 花粉を家に持ち込まない工夫をしよう

ということです。

現在は、春になると花粉以外にもPM2.5などの有害物質が飛散しやすくなります。
換気や掃除は大切ですが、いつものように行うと、かえって病状が悪化することもあるでしょう。

また、花粉症はある日突然発症する場合もあります。花粉の季節に急に鼻水や涙が止まらなくなった場合は、すぐに耳鼻科を受診して花粉症かどうか確かめましょう。

花粉症対策グッズはいろいろと出ていますが、中には怪しげなものもあります。効果が疑わしいものに大金を払う前に適度な加湿と拭き掃除を徹底してみましょう。そのほうが効果がある場合もあります。最近は花粉症の季節専用の住まいの洗剤も出ていますので、利用してみても良いでしょう。