「マットレスにカビが生えてしまったので、何とかして除去する方法はないか」「マットレスのカビを予防するポイントを知りたい」とお考えでしょうか? マットレスは、寝汗などがしみ込んで湿気がこもりやすいだけでなく、適度な温度やエサとなる汚れが付きやすいため、カビが繁殖しやすいのです。マットレスのカビは、放置するとどんどん広がってしまうので、発見したら早めに除去してください。しかし、どんな方法で除去すればいいのか、注意点は何かなどよく分からないこともあるでしょう。
そこで今回は、マットレスのカビについて詳しく解説します。
- マットレスにカビが生える原因
- マットレスのカビを放置するリスク
- マットレスにカビが生えたら捨てるべきか?
- マットレスのカビ除去に役立つ道具
- マットレスのカビを除去する方法
- カビが生えたマットレスを捨てる方法
- マットレスのカビを予防する方法
- マットレスのカビに関するよくある質問
この記事を読むことで、マットレスのカビを除去するポイントがよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。
1.マットレスにカビが生える原因
最初に、マットレスにカビが生える主な原因について見ていきましょう。
1-1.高温
マットレスにカビが生える原因の一つに、高温です。カビは、室温が20~35℃程度で活発に繁殖します。現在は、気温が高い季節だけでなく冬でも暖房を使うため、1年中カビが生える条件が整っているといえるでしょう。また、人が寝るたびに体温で温まることも、マットレスにカビが生えやすい原因です。
1-2.多湿
多湿になると、カビが繁殖しやすくなります。特に、湿度が80%以上になると短時間で驚くほど繁殖することがあるので注意してください。雨の日が続くと、室内も多湿になりやすくなります。また、乾燥しやすい冬場でも、加湿器の使い過ぎにより多湿になることがあるので注意しましょう。なお、結露による水滴が付着することも、部分的に多湿になり、カビが繁殖する原因といえます。
1-3.汚れている
カビは、皮脂や古い角質・ハウスダストなどの汚れをエサにして繁殖します。シーツの交換をほとんどしない、入浴せずに眠る習慣があるなどの場合は、体の汚れがマットレスに多く付着しているため、カビが繁殖しやすいのです。布団と比べて、マットレスは大きさや重さがあり、干したり洗ったりすることが難しいことから、想像以上に汚れていると考えてください。
2.マットレスのカビを放置するリスク
マットレスのカビを放置するとどんなリスクがあるか詳しく解説します。
2-1.マットレスが傷む
マットレスのカビを放置すると、カビの根が深く張るためマットレスの素材が傷んでしまいます。カビが深く根を張ると、マットレスの素材がボロボロになってしまうからです。また、一度カビが深く根を張ってしまうと、完全に除去することが難しくなります。すぐに再発するだけでなく、カビ除去作業を繰り返すことでマットレスに大きなダメージを与えるのもいけません。
2-2.マットレス以外のものにカビが移る
マットレスのカビを放置すると、マットレス以外のものにもカビが移ってしまいます。ベッド本体や床・壁などにカビが移ると、除去するのも大変です。場合によっては、除去できずに交換することになって多額の出費が必要になります。カビの被害を広げないためにも、マットレスにカビが生えていたら速やかに除去しましょう。
2-3.アレルギーの原因になる
マットレスのカビを放置すると、アレルギーの原因になることがあるので気を付けてください。たとえば、カビの胞子を吸い込むことで、ひどいせきが出たり皮膚に発しんが見られたりすることがあります。特に、病み上がりや高齢などで免疫力が弱っているときは、注意が必要です。アレルギーがひどくなると、呼吸困難になるなど命にかかわることもあります。
3.マットレスにカビが生えたら処分するべきか?
マットレスにカビが生えた場合に処分するかどうかの判断基準を詳しく解説します。
3-1.ごく一部かつすぐに落ちた場合は処分しない
カビが生えたのがごく一部で、すぐに除去できた場合は処分しなくて大丈夫です。カビが生えてすぐなら、根が深く張っていないため、比較的簡単に除去できることでしょう。除去してすぐに再発しなければ、そのまま使い続けて構いません。ただし、一度カビが生えた部分は今後も条件がそろえばカビが再発しやすいので、注意深くチェックしてください。
3-2.広範囲に生えたものは処分する
カビが広範囲に生えてしまったものは、根も深く張っていることが多いので、処分することをおすすめします。除去作業が大変なだけでなく、すぐに再発する可能性が高いからです。また、除去しきれないカビが健康被害をもたらす可能性もあります。マットレスを安心して使用するためにも、買い替えを検討しましょう。
3-3.マットレスが寿命を迎えたものは処分する
マットレスにカビが生えたときは、マットレス自体の寿命も考えて処分するか決めるとよいでしょう。マットレスの寿命は、約10年です。購入してから10年経過したマットレスは、素材の劣化が進んでいます。寿命を迎えたマットレスは役目を終えたと判断して、処分しましょう。
4.マットレスのカビ除去に役立つ道具
マットレスのカビを除去するときに役立つ道具をご紹介します。
4-1.マットレスのカビを除去するときに用意する道具
マットレスのカビを除去するときは、以下のような道具をそろえてください。
- 消毒用エタノール
- スプレー容器
- 掃除用シートもしくはキレイなぞうきん
- マスク
- ゴーグル
- ゴム手袋
4-2.使い捨てタイプの道具がおすすめ
マットレスのカビ除去では、使い捨てタイプの道具がおすすめです。カビを除去した後、そのまま捨てることができ、洗濯する手間がかかりません。また、洗濯機にカビの胞子が移る心配もなくなります。カビの除去に使用した道具は、ビニール袋に入れて袋をきつく縛り、早めにゴミに出してください。
5.マットレスのカビを除去する方法
マットレスのカビを除去する方法を詳しく解説します。マスク・ゴーグル・ゴム手袋を装着してから始めましょう。
5-1.窓を開けたり換気扇を回したりする
最初に、部屋の窓を開けたり換気扇を回したりして風とおしをよくしてください。カビの除去作業中に胞子が飛んだり、消毒用エタノールの臭いが充満したりするのを防ぐためです。また、部屋の湿気を逃がし、カビの繁殖を抑える効果も期待できます。風とおしをさらによくするには、窓と入り口の扉を両方開ける、扇風機やサーキュレーターを回すとよいでしょう。
5-2.カビが生えている部分に消毒用エタノールを塗布する
マットレスのカビを広げないように乾いたぞうきんや掃除用シートで拭き取り、消毒用エタノールを塗布しましょう。スプレー容器に入れて使用すると広範囲に塗布しやすく、手軽に使うことができておすすめです。量が少ないと十分な効果が期待できないので、カビがひどい部分などは特に多めに塗布してください。
5-3.完全に乾かして完了
最後に、消毒用エタノールを完全に乾かして完了です。湿気を逃がすため、数十分程度は窓を開けたり換気扇を回したりしたままにしましょう。扇風機やサーキュレーターの風を当てるのも効果的です。マットレスが完全に乾いたら、普段どおりにシーツをかけて使用しても構いません。
5-4.ハウスクリーニング業者に依頼する方法もある
マットレスにカビが生えたときは、ハウスクリーニング業者に除去を依頼することも可能です。ハウスクリーニング業者に依頼すると、専用の機械でマットレスを洗浄し、カビ除去作業を行ってもらえます。ハウスクリーニング業者に依頼すれば、自分で除去するよりも効果が高い、好きな日時を指定できる、手間や労力を節約できるなど、メリットが多くておすすめです。
6.カビが生えたマットレスを捨てる方法
カビが生えたマットレスを捨てる方法をご紹介します。
6-1.自治体回収に粗大ゴミとして出す
カビが生えたマットレスは、粗大ゴミとして自治体回収にゴミとして出すことができる場合があります。なお、マットレスの大きさや種類によっては、回収困難品扱いとなり粗大ゴミに出せないことがあるので注意しましょう。
メリット
- 回収費用が安い
デメリット
- 自治体によっては粗大ゴミで出せないことがある
- 粗大ゴミは事前予約が必要で有料のことが多い
- 集荷日時や場所が決まっている
- 集荷場所まで運ぶ必要がある
6-2.販売店の引き取りや下取りを利用する
マットレスを買い替える場合は、販売店の引き取りや下取りを利用できることがあります。新規購入を予定している販売店に確認してみましょう。
メリット
- 買い替えと同時に処分できる
- 処分費用がかからない
- 集荷場所まで運ぶ必要がない
- 販売店が引き取りに来てくれる
- キャンペーンで新規購入価格が安くなることがある
デメリット
- 購入1枚ごとに1枚回収可能となることが多い
- 下取りや引き取りだけでは依頼できないことが多い
- 指定メーカー・種類のマットレスを購入した場合だけ利用できることがある
6-3.不用品回収業者に処分してもらう
不要になったマットレスは、不用品回収業者に処分してもらうと便利です。まずは、見積もりをもらい、回収費用などを確認してから正式に依頼するとよいでしょう。
メリット
- 集荷場所まで運ぶ手間がかからない
- 都合のよい日時を指定できる
- マットレス以外の不用品も同時に処分してもらえる
デメリット
- 回収費用が1回数千円程度~かかる
7.マットレスのカビを予防する方法
マットレスのカビを予防するのに効果的な方法を詳しく解説します。
7-1.部屋の除湿対策をする
部屋の除湿対策をして、マットレスに湿気がこもらないようにしましょう。具体的には、以下のような方法がおすすめです。
- 空気清浄機やエアコンの除湿機能を使用する
- 窓や換気扇を開けて湿気を逃がす
- 花びんや観葉植物・水槽をむやみに置かない
なお、加湿器の使い過ぎもマットレスのカビが繁殖する原因になるので、置き場所や使い方に注意してください。
7-2.マットレスの湿気対策をする
マットレスの湿気対策も必要です。たとえば、以下のような方法を試してみてください。
- マットレスとシーツの間に除湿シートを敷く
- 両面使用可能なマットレスを定期的に裏返して使う
- マットレスを使用しないときに扇風機やサーキュレーターの風を1時間程度当てる
7-3.シーツをこまめに交換する
シーツをこまめに交換することも効果的です。シーツには、汗や角質・ハウスダストなど、カビのエサになる汚れがたくさん付着しています。毎日シーツをこまめに取り替えることで、汚れがマットレスに移りにくく、カビの繁殖を抑えることが可能です。なお、入浴するタイミングは夜をおすすめします。1日の汚れを入浴できちんと落としてからベッドに入りましょう。
7-4.窓の結露対策をする
窓際にベッドを配置している場合は、結露対策も必要です。冬場などに結露が発生すると、マットレスに水滴が付いてカビが生える原因になります。窓の結露対策法は、以下を参考にしてください。
- 窓をこまめにチェックして結露を拭き取る
- 窓の下部に結露吸収シートを貼る
- 窓に断熱シートを貼る
8.マットレスのカビに関するよくある質問
最後に、マットレスのカビに関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。
Q.マットレスに生えるカビの種類は?
A.以下のような種類です。
- 黒カビ:特に湿気が多いところで繁殖しやすく、アレルギーやぜん息の原因になる
- 赤カビ:黒カビと同様に湿気が多いところに繁殖しやすく、はき気やお腹がゆるくなる原因になる
- 青カビ:無害なものも多いが、一部はアレルギーの原因になる
Q.消毒用エタノールの代わりに市販のカビ取り用洗剤を使用してもよい?
A.おすすめしません。市販のカビ取り用洗剤を使用すると、臭いや成分によって気分が悪くなったり頭痛が起きやすくなったりすることがあります。マットレスを使用して安心して眠るためにも、消毒用エタノールを使ってください。
Q.最近カビ除去をしたのにすぐ生えてきた理由は?
A.前回のカビ除去が不完全だった可能性があります。カビの除去方法を見直し、もう一度丁寧にやってみてください。再発するようなら、カビの根が奥深く張っていることが考えられるので、マットレスの買い替えをおすすめします。
Q.マットレスを床に敷く場合はすのこを併用するとよいと聞いたのですが?
A.はい。すのこを使用することで床とマットレスの間に空間ができ、湿気が逃げやすくなるからです。ただし、マットレスやすのこを敷きっぱなしにすると、すのこにもカビが生えてしまうことがあるので注意してください。
Q.抗菌素材のマットレスならカビが生えない?
A.カビが生えにくいのは事実ですが、まったく生えないわけではありません。また、抗菌効果も経年などの影響で徐々に薄れます。過信せず、きちんとカビ対策することが大切です。
まとめ
今回は、マットレスのカビについて詳しく解説しました。マットレスは、高温・多湿・エサとなる汚れが付きやすいなど、カビが繁殖する環境が整っています。カビは、臭いやシミの原因になるだけでなく、アレルギーを引き起こす原因になるなど、健康被害も心配です。マットレスのカビを発見したら、すぐに除去してください。広範囲に広がってしまったりカビの根が深く張ってしまったりしたマットレスは、思いきって処分するとよいでしょう。なお、マットレスの処分は、不用品回収業者に依頼すると便利です。好きな日時と場所を指定でき、自分で運ぶ手間もかからないので、検討してみてください。