
不用品回収業者とのトラブルは、ニュースでもよく取り上げられているので不用品を処分する際に利用すべきか悩んでいる方が多いでしょう。
「もしトラブルになったら……」と不安になりがちですが、トラブル事例や業者の見極め方を把握しておけば問題ありません。トラブルにあう多くの人が業者選びのポイントを理解していませんでした。本記事では、不用品回収業者のトラブル事例や、業者選びのポイントなどを解説します。
この記事を読むことで、不用品回収業者の見極め方が分かります。回収依頼を検討している方はぜひチェックしてください。
1.不用品回収業者によるトラブル件数と事例
不用品回収業者のトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。まずは現状を把握することが大切です。
1-1.業者とのトラブルが年々増えている
近年、全国の消費生活センターなどに不用品回収業者サービスに関する相談が寄せられています。独立行政法人国民生活センターの調査によると、相談件数が2002年度から2006年度にかけて2倍以上も増えていました。最近の件数を見てみると、年間1200~1300件の相談が寄せられているようです。2006年度の相談件数は318件と発表されていたので、ここ10年でなんと10倍以上も増加し社会問題になっています。
1-2.最も多いのは金銭トラブル
不用品回収業者とのトラブルで最も多いのは「お金」です。たとえば、「無料だと思って頼んだのに有料だった」「見積書に記載されていない追加料金を請求された」などがあります。できるだけ処分費用を安く抑えたい気持ちが優先してしまい、きちんと確認せずに依頼した結果、費用でトラブルになることもあるので注意が必要です。また、最近は無料回収業者とのトラブルも相次いでいるため、なぜ無料で回収できるのか確認しましょう。
1-3.回収を依頼したものが道路に捨てられていた
回収をお願いしたものが、道路や空き地に捨てられていたというケースもよくあるトラブルです。道路脇に捨てられたものは不法投棄とみなされるため、不用品の持ち主が罰金を支払わなければならなくなる可能性があります。不用品回収業者に連絡を取ろうとしても、電話がつながらないことがほとんどです。
1-4.契約を強要された
チラシ広告の業者にゴミ処分を依頼したが内容とは違った、契約を断ろうと思ったけど強要されたなどのトラブルも増えています。チラシの内容や電話口で言われたことと、実際の内容が異なるケースはよくあるので注意が必要です。中には、脅し文句で契約を迫るところもあります。悪徳業者と優良業者の見極め方を知り、トラブルを未然に防ぎましょう。
2.不用品回収業者の見極め方を理解しよう
トラブルにならないよう、不用品回収業者の見極め方を理解しましょう。
2-1.トラックで巡回している業者は選ばない
「不用品を回収しています」と街中をトラックでまわっている不用品回収業者がありますが、なるべく依頼しないでください。トラックで巡回している業者は、所在地が明らかでない可能性があるからです。また、不用品回収に必要な許可を取得していない違法業者の可能性も非常に高い傾向があります。よくあるトラブルでも、「トラックに積んだ後、回収費用を請求された」というケースがあるので要注意です。
2-2.必要な許可を取得しているか
基本的に、不用品の回収を行う業者は各自治体からの許可を取得しておかなければなりません。家庭から出る粗大ゴミや不用品回収ができる一般廃棄物、企業や工場から出る産業廃棄物などの運搬・処理の許可を取得しているか確認しましょう。きちんと許可を取得している業者は、店舗やホームページなどに許可番号を掲載しています。また、不用品の買取を行っている業者は、古物商の許可が必要です。
2-3.見積もりが簡素な業者は要注意
悪徳業者か優良業者かどうかは、見積書の内容で一目瞭然です。不正を働く悪徳業者は、見積書の内容が大ざっぱな点が特徴となります。どんなものにいくらかかるのか、どういうケースに追加料金がかかるのか尋ねてもあいまいな受け答えしかしない業者は依頼しないほうがいいでしょう。また、見積もりが相場よりも安すぎる業者にも要注意です。回収後に高額な追加料金を請求してくる可能性があります。
2-4.会社の歴史と経歴
不用品回収業者としての歴史と経歴は、多くの利用者から信用されている証拠とも言えます。長年、事業を継続している業者は、安心して利用できるでしょう。悪徳業者は企業名や住所をコロコロ変える傾向があります。ホームページやチラシなどで、きちんと会社の歴史や経歴が記載されているか確認してください。会社概要の欄に、創業・設立年、代表取締役、年商、商標、事業内容がしっかり記載されているか要チェックです。
3.不用品回収業者とのトラブルを避ける方法
では、どうすれば不用品回収業者とのトラブルを避けることができるのでしょうか。ここでは、そのポイントを紹介します。
3-1.見積もりは必ず書面でもらう
トラブルになる原因の1つには、口約束しかしていなかったケースがよく見られます。口約束では、後で再確認できるものがなく、「言った」「言っていない」の押し問答になりがちです。特に、追加料金の発生条件などでトラブルになることが多いため、見積もりは必ず書面またはメールで受け取るようにしましょう。見積書を出さない・くれない業者は悪徳業者の可能性が高いので要注意です。処分費用や追加料金がいくらになるのか、きちんと把握した状態で依頼をすれば安心できます。
3-2.会社名や住所が記載された領収書をもらう
悪徳業者の多くは、領収書をきちんと発行しないところがほとんどです。領収書は、不用品の処理を依頼しお金を払った証拠となります。また、基本的に、領収書には業者の会社名や住所・伝番号が明記されているものです。後でトラブルになったとしても、連絡を取るための手段になるでしょう。ただし、記載されている業者の情報が架空の場合もあるため、領収書だけで安心してはいけません。依頼する前に、見積書の内容もきちんと記載されているか、必ず確認してください。
3-3.ネットで口コミや評判をチェックする
業者に不用品の回収を依頼する前に、ネットで口コミや評判をチェックしましょう。そこには、実際に利用した人の感想が記載されているので、業者選びの参考になります。口コミなどで評判の良い回収業者を選ぶことが大切です。その際に、業者のホームページで市町村から許可を受けているか確認するといいでしょう。
3-4.複数の業者を比較する
時間がないから、とすぐに見つけた業者に依頼するのはNGです。悪徳業者と優良業者の見極め方はもちろんのこと、複数の業者を比較してみてください。比較することでどの業者が信用できるのか、見極めることができます。また、業者選びの際は、以下のポイントを参考にしてください。
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 回収実績があるか
- 市町村からの許可を取得しているか
- 即日対応が可能か
- 無料相談や無料見積もりを受けつけているか
- 定額パックプランが充実しているか
4.トラブルにあった際の対処法は?
もしもトラブルにあったときは、どのように対処すればいいのでしょうか。
4-1.早めに消費生活センターへ相談する
気をつけていてもトラブルにあうことはあります。そのときに大切なのは、落ち着いてすぐに対処することです。少しでも「おかしいな」「変だな」と思うことがあれば、早めに消費生活センターに相談してください。専門の相談員が具体的な状況を聞き、適切なトラブルへの対応を教えます。全国から近くの消費者生活相談窓口を案内してくれる「188」にダイヤルするといいでしょう。最寄りの相談窓口に電話がつながらない場合は、国民生活センター 平日バックアップ相談の「03-3446-1623」に電話をかけてください。受付時間は10~12時、13~16時です。
4-2.自分で解決しようとしない
トラブルにあったとき、自分で何とか対処しようとする人がいますが、個人でできることには限界があります。トラブル対処のノウハウを持っていないので、さらにややこしい状況になってしまうこともあるのです。業者から脅迫じみたことを言われる可能性もあります。自分の身を守るためにも、専門の相談員に話を打ち明けるのがベストです。友人に相談する方法もありますが、トラブル対応に慣れている消費生活センターのほうがスピーディーに解決できるでしょう。相談する際は、できるだけ状況を詳しく説明することが大切です。
5.不用品回収業者に関してよくある質問
不用品回収業者に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.無料回収業者は利用しないほうがいい?
A.はい。不用品回収業者とのトラブルの中には、無料回収業者との問題がたくさん起きています。たとえば、「無料と言われたのに高額な追加料金を請求された」「回収をお願いした不用品が不法投棄されていた」などです。トラブルを避けるためには、適切な費用を払って回収してもらったほうが安心できます。どうしても利用したいときは、なぜ不用品が無料で回収できるのか理由に注目するといいでしょう。きちんと理由を記載していない業者は、悪徳業者の可能性があるので安易に依頼しないでください。
Q.パソコン関連の処分を依頼する際の注意点は?
A.パソコンやスマートフォンなどデータが含まれている電子機器を処分する際は、個人情報や業務内容などの情報漏えい対策が必要です。実際に、回収業者へお願いした結果、情報がそのまま流出し悪用されたという事例があります。処分前に自分でデータ消去をする必要がありますが、業者の中にはデータ処理サービスを行っているところもあるので、そのサービスを利用するのも方法の1つです。その際は、個人情報を守るプライバシーマーク(Pマーク)をきちんと取得しているか確認してください。
Q.支払ったお金が戻ってくるケースは?
A.相談内容にもよりますが、高額請求の被害にあった方が消費生活センターへ相談したところ、助言により予定していた金額まで減額、差額が返金されたケースがあります。必ずではありませんが、このように返金される可能性もあるのです。わずかな望みにかけるためには、早めに相談することが大切なポイントとなります。相談時期が遅くなるほど選択できる対処法も狭まってくるので注意してください。
Q.訪問業者には注意したほうがいい?
A.安易に利用しないほうがいいでしょう。実際に、回収実績がある業者は訪問せずとも利用者がいるので巡回することはありません。訪問業者の多くは、不正にお金をだまし取ろうとする悪質な業者がほとんどです。
Q.買取サービスを利用する際の注意点は?
A.不用品の処分費用を安く抑えるために買取サービスを利用する方がいますが、業者の中には安く買い取ろうとするところがあるので注意してください。高く買い取るとにおわせた上で、実際に査定を行った後は安い金額を提示します。処分する前に、ネットオークションや買取業者の取引実績を確認し、いくらぐらいで売れるのかチェックするといいでしょう。また、無料査定を行っているか、スタッフの対応が丁寧でスピーディーかなど、ほかのポイントもチェックしてください。買取額を提示された際は、なぜこの金額になったのか説明を受けましょう。
まとめ
不用品回収業者とのトラブルは、年々増え続けています。代表的な事例は金銭トラブルです。ただし、不正を働く悪徳業者は一部にすぎないので、優良業者との見極め方を把握しておけば信用できる業者に依頼できるでしょう。大切なのは、利用者側が業者選びのポイントと見極め方を熟知することなのです。気をつけていてもトラブルにあったときは、できるだけ早めに消費生活センターに相談してください。