家財整理は自分にとって必要な作業となるため、今必要ないことでもやらなければならない状況が出てくるでしょう。しかし、具体的にどのようなことをするのか・自分でできない場合はどうすべきかなど、悩んでいる方は多いはずです。家財整理のポイントを押さえておけば、片付けが苦手な方でもスムーズに進めることができます。

そこで、本記事では、家財整理の作業内容や業者に依頼するコツなどについて解説しましょう。

  1. 家財整理とは?
  2. 家財整理が自分でできない場合は?
  3. 業者を選ぶポイントを紹介!
  4. 家財整理を業者に依頼する流れと費用相場
  5. 家財整理に関してよくある質問

この記事を読むことで、家財整理の進め方や大切なポイントが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.家財整理とは?

最初に、家財整理の意味や具体的な作業内容について解説します。

1-1.生前整理・遺品整理・空き家整理の総称

家財整理とは、生前整理・遺品整理・空き家整理の総称となります。定義はありませんが、どれも自分にとってはとても大切な作業です。生前整理・遺品整理・空き家整理の意味は以下を参考にしてください。

  • 生前整理:生きているうちに身のまわりにあるものを片付けること
  • 遺品整理:亡くなった親族や知人の持ち物(遺品)を整理すること
  • 空き家整理:家を取り壊したりリフォームしたりする際に、家財道具や生活用品などを売却・処分すること

1-2.片付け・清掃・リサイクルが含まれることも

前述したように、家財整理には定義がありません。そのため、生前整理・遺品整理・空き家整理のほかにも、片付けや清掃が含まれているケースがあります。片付けは家の中にあるものを収納したり捨てたりと整理整頓を行うことです。そして、清掃は家やマンション内の汚れを取り除き、特殊な薬剤などできれいに掃除することを指しています。リサイクルは資源の有効利用や公害防止を目的として、不用品や廃棄物を回収し再資源化・再利用することです。

1-3.家財整理の4つの作業

家財整理の主な作業内容は、不用品の処分・売却(リサイクル)・清掃(ハウスクリーニング)・財産整理の4つです。それぞれとても重要な作業となるので、どのような内容になるのか確認しておきましょう。

  • 不用品の処分:家財整理の場合は大型家具や大型家電などの粗大ゴミがほとんど
  • 売却(リサイクル):不用品をリサイクルショップや買取業者に売却する
  • 清掃(ハウスクリーニング):スッキリした部屋をきれいに掃除する
  • 財産整理:自動車・不動産・建物・土地などを整理する

2.家財整理が自分でできない場合は?

家財整理が自分でできない場合の対処法をいくつか説明します。

2-1.家族や友人に手伝ってもらう

なかなか作業する時間がとれなかったり、忙しい毎日を送ったりしている場合、空いている時間を見つけて少しずつ作業を進めることが大切です。自分1人で作業するのが難しい場合は、家族や友人に手伝ってもらうといいでしょう。特に、家財整理は粗大ゴミが増えてしまうため、1人では運搬や搬出が困難なケースがあります。家族や知人に協力してもらうことで、1人では難しいこともスムーズに作業できるようになるでしょう。

2-2.不用品回収業者や片付けサービスを利用する

家財整理は重労働なので、高齢者や体が不自由な方にとっては困難な作業がほとんどです。自分で思うように作業ができない場合は、不用品回収業者や片付けサービスを利用してください。費用を最小限に抑えたいから……と無理に自分で作業をしてしまうと、腰を痛めたり大ケガをしたり恐れがあるので注意が必要です。プロの業者に依頼すれば、思うように進まなかった作業も順調に効率よく進めることができるでしょう。また、片付けだけでなく不用品を回収してくれるのも大きなメリットです。

2-3.賃貸物件の場合はスピーディーさが大事

作業が面倒だから、自分で作業するのが難しいから、と一向に進まなくなってしまうと、後でさまざまなトラブルに発展する恐れがあるので注意が必要です。特に、家財整理の中でも遺品整理は、できれば四十五日といった法事までに終わらせるのがベストだといわれています。故人と一緒に住んでいるケースなら大丈夫ですが、賃貸物件の場合はスピーディーさが大切です。遺品整理を終わらせなければ退去できないので、その間は賃貸料の支払いが発生します。作業が遅れるほど賃貸料も支払い続けることになるため、早めに作業を終わらせるために、自分以外の力を借りることも必要です。

3.業者を選ぶポイントを紹介!

それでは、業者を選ぶ際に抑えておきたいポイントをいくつか紹介します。

3-1.片付けや生前整理・遺品整理の豊富な実績があるか

1番に注目してほしいのは、片付けや生前整理・遺品整理の豊富な実績があるかです。生前整理・遺品整理の実績がある業者ほど、スピーディーかつ丁寧な作業を行う傾向があります。どんな状況でどんな作業を行えばいいのか熟知しているからです。空き家整理はものを整理する作業において生前整理・遺品整理とほとんど同じ内容なため、生前整理と遺品整理にしぼった選び方をおすすめします。また、不用品の処分や片付けなサービスが充実しているかもチェックしてください。

3-2.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか

業者選びの際は、スタッフの対応にも注目してください。スタッフの対応が悪い・詳しく説明してくれない業者は不正を働く悪徳業者の可能性があります。すぐに契約を交わしたいと思っているため、「特別サービスを行っているのは今だけ」「特別に安くします」といった謳(うた)い文句で騙(だま)す傾向があるでしょう。逆に、どんな質問にも丁寧に答えてくれたり、分かりやすく説明してくれたりする業者は安心して依頼できます。直接店舗に行くことができない場合は、電話でスタッフの対応をチェックするといいですよ。

3-3.見積書の内容が具体的に記載されているか

見積書の内容をチェックして、具体的に記載されているところなら安心して依頼できるでしょう。逆に、大ざっぱな内容しか記載していない業者は悪徳業者の可能性があるので気をつけてください。中には、見積書を書面で提示してくれないところもあります。書面で提示してくれないところは口約束で契約を交わすことになり、後で「言った・言わない」などのトラブルに発展する恐れがあるでしょう。トラブルを未然に防ぐためにも、見積書の内容はしっかりと確認しておきたいところです。

3-4.不用品の回収だけでなく買取を行っているか

不用品の回収だけでなく買取を行っている業者に依頼しましょう。不用品=ゴミだと思いがちですが、買い取ってもらえるものもあります。たとえば、ソファー・テーブル・イスなどの大型家具、多くの家庭で使用する洗濯機・冷蔵庫・電子レンジといった生活家電です。正常に稼働できるものや状態が良いものは買取対象になるため、処分費用の節約につながるでしょう。

4.家財整理を業者に依頼する流れと費用相場

それでは、家財整理を業者に依頼する流れと費用相場について解説します。

4-1.業者に依頼する大まかな流れをチェック!

業者によって具体的な流れは異なりますが、家財整理を依頼する際の大まかな流れを下記にまとめたので参考にしてください。

  1. ホームページまたは電話から申し込みをする
  2. 不用品の詳細やサービス内容・住まいの状況・希望の訪問日時などを伝える
  3. スタッフが訪問し品物の確認や査定を行う
  4. 見積もりの金額に納得すれば契約を交わし作業日を決定
  5. 当日にスタッフによる片付け作業が始まる
  6. 片付け作業の完了後、必要な金額を精算し完了

具体的な流れに関しては、業者に確認してください。気になる点があれば、その場ですぐに尋ねることが大切です。

4-2.間取りや不用品の量によって変わる

家財整理の費用相場は、間取りや不用品の量などによって大きく変わります。目安としては以下のとおりです。

  • 1DK:30,000~100,000円
  • 1LDK~2DK:80,000~200,000円
  • 2LDK~3DK:120,000~250,000円
  • 3LDK~4DK:170,000~300,000円

間取りが広くなるほど、不用品の量が多くなるほど費用が高くなるでしょう。また、作業員の人数によっても費用が変わる可能性があります。さらに、運搬や出張費用として高額な金額を請求する悪徳業者が存在しているので注意が必要です。追加費用が発生するケース等もしっかりと確認したほうがいいでしょう。

4-3.複数の業者を比較することが大事

前述したように、家財整理はサービス内容や不用品の量・部屋の状況などによって費用や流れが大きく変わります。いくらぐらいかかるのか・どの業者に選べばいいのか悩んだときは、業者選びのポイントを押さえながら複数の業者を比較してください。比較することで、悪徳業者と優良業者を見極めることができるでしょう。また、費用の相場も分かるので高額請求をしがちな悪徳業者に引っかかる心配もありません。

5.家財整理に関してよくある質問

家財整理に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.家財整理が必要となるタイミングは?
A.整理する目的によって異なりますが、生前整理は自分がしたいときにすべきだといわれています。なるべく早くから整理を進めたほうが体力的にも余裕がありますし、自分がいなくなったときのために家族への負担を減らすこともできるでしょう。ほかにも、子どもの独立や定年退職をきっかけに家財整理を行う方もいます。遺品整理の場合は法要のタイミングに合わせるのがベストです。

Q.断捨離との違いは?
A.生前整理や遺品整理は、死後の関係が大きな特徴です。生前整理は自分がいなくなったときのことを考えて身のまわりにあるものを整理する作業を指しています。遺品整理は死後に遺族が整理をすることなので、死後を意識するのが特徴です。けれども、断捨離は死後を意識することはありません。また、家財整理は空き家整理が含まれていますが、断捨離や不用品整理は空き家まで整理するということはないことも大きな違いとなります。

Q.どんな不用品が売れるのか?
A.状態が良く、中古市場において需要があるものほど売れる傾向があります。中古市場で需要があるものは、日ごろの生活に必要なものがほとんどです。また、人気メーカーやブランド品なども高く売れる可能性があります。元値が高いものほど高価買取が期待できるでしょう。要らないものでもお金になる可能性があるため、買い取ってもらえるか分からないものは1度査定に出してください。

Q.遺品整理を行うときの注意点は?
A.賃貸物件などの退去に伴う遺品整理の場合、家の中のものすべてを不要なものとして処分するのはNGです。中には、もとから設備として設置されているエアコンや照明器具などがあります。また、故人が契約しているインターネットなどの通信設備・エアコン撤去工事などは事前に管理会社に確認することが大切です。勝手に処分してしまうと後でトラブルになる恐れがあるので注意してください。自分で判断できないものがあれば、1度尋ねて確認することをおすすめします。

Q.自分で行う場合、効率がいい整理術は?
A.身のまわりにあるものを「要らないもの」「必要なもの」に分けることから始めてください。預金通帳・印鑑・現金・貴金属など重要なものは貴重品用としてダンボールなどに収納します。必要なものと不要なものに仕分けた後、必要なものから貴重品を別にしておくといいでしょう。そして、不要なものから買い取ってもらえるものと買い取ってもらえないものを分けてください。仕分けの際にダンボールやゴミ袋ごとに収納することで、後々の作業がしやすくなります。

まとめ

家財整理は片付け・生前整理・遺品整理・清掃などを総称する言葉です。身のまわりにあるものを整理することで、老後生活が過ごしやすくなったり、良い環境で生活できたりするメリットがあります。また、自分で作業できない場合は、片付けや生前整理・遺品整理の作業を行っている業者に依頼するといいでしょう。業者の力を借りることで、スムーズに作業を進めることができますし、不用品の処分も依頼できます。