エアコンは、冷房や暖房として1年中活躍する家電です。エアコンを使っているうちに臭うようになった、いつの間にか出てくる冷風や温風がカビ臭くなった、と悩んでいる方はいませんか? 実は、エアコン内部はカビが発生しやすく、使っているうちに内部がカビだらけになっていた、ということは決して珍しくないのです。

今回は、エアコンがカビ臭くなる原因やその対処方法・予防方法について解説しましょう。

  1. エアコンが臭う原因
  2. エアコン内部の掃除方法
  3. エアコンの掃除をプロに頼む場合
  4. エアコンの臭いを予防する方法
  5. エアコンの臭いに対するよくある質問

この記事を読めば、エアコンの臭い対策はバッチリです。エアコンの臭いが気になるという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

1.エアコンが臭う原因

はじめに、エアコンが臭う原因の代表例を解説します。カビ以外はどんな原因があるのでしょうか?

1-1.なぜ、エアコンが臭うのか?

エアコンの臭いは厳密に言えば、エアコンそのものの臭いではありません。エアコンから出てくる空気の臭いです。エアコンは室内の空気を吸い込み、熱交換器を通して空気を冷やし(暖め)、再びエアコンから放出します。このとき、エアコンを冷房で運転していると、空気中の水分がエアコン内部に結露になって付着し、エアコン内部のホコリと合わさってカビが発生するのです。また、室内のタバコ・汗・料理に使用する油などの臭いがエアコン内につくこともあります。

1-2.エアコンが臭いやすい部屋は?

  • 喫煙をしている部屋
  • ダイニングキッチン(油の臭いなどがつきやすい)
  • ホコリっぽい部屋
  • ペットを飼育している部屋
  • 寒暖の差が大きな部屋

このような部屋にあるエアコンは内部にカビや臭いの元になる成分が付着しやすいので、こまめに掃除をする必要があります。

1-3.エアコン内部のカビは健康にも悪影響?

エアコン内部にカビが生えると、エアコンから空気と一緒にカビの胞子が放出されます。エアコンの内部に生えるカビの一種に、トリコスポロンというものがあり、その胞子が体内に入ると「夏季型過敏性肺炎」という肺炎の原因になることもあるのです。エアコンを頻繁に使う季節になると咳が出やすい、もしくは夏風邪をひきやすいという方は、この夏季型過敏性肺炎の可能性があります。エアコンの内部を掃除し、呼吸器科を受診しましょう。

2.エアコン内部の掃除方法

この項では、自分で行えるエアコン内部の掃除方法を解説します。どのように行えばよいのでしょうか?

2-1.自分で掃除できるエアコンの部品とは?

エアコンの構造はメーカーや機種によって異なりますが、エアコンのフィルターは自分で掃除することができます。エアコンの説明書にもフィルターの取り外し方や掃除方法が書いてありますので、参考にしましょう。エアコンを使用しているうちにフィルターにはホコリが付着しますので、掃除機で吸い取ってください。また、油汚れやヤニの臭いを消すためには中性洗剤で洗うとよいでしょう。洗ったフィルターはよく乾かしてから装着してください。

2-2.フィン掃除とファン掃除

エアコンの外カバーを外すと現れるのが「フィン」という部分です。フィンの奥にあるのが部屋の空気を吸い込んで再び放出する「ファン」という部品になります。フィンは、市販のエアコン洗浄剤で掃除することが可能です。

  • エアコンの周りやすぐ下を養生し、汚水で汚れるのを防ぐ
  • エアコン洗浄剤をフィンにかけて、20~40分放置
  • 電源を入れ、エアコン全体をごみ袋などで覆い、送風運転をする

このような手順で掃除をすれば、フィンの汚れは落ちるでしょう。ただし、フィンの奥にあるファンの部分はエアコン洗浄剤をかけても汚れが取れにくいのです。エアコンのファン専用の洗浄剤も販売されていますが、エアコンの構造によっては使えない場合もあります。フィンを掃除しても臭いが消えないという場合は、ファンにカビが生えていたり臭いの元が付着したりしている可能性が高いでしょう。

2-3.自分でエアコンを掃除する際の注意点

エアコンを掃除する場合は、必ず電源を抜いてから行いましょう。運転停止の状態にしていても、コンセントが刺さったままですと感電の危険があります。
また、エアコン洗浄剤を使った後は送風運転をするように指示されているものが大半です。送風運転時には汚水が出てきますので、エアコン全体をごみ袋で覆うなどしていないと、周囲が汚れてしまいます。ごみ袋のほかにも、汚水を受けるバケツ・ぞうきんなどを用意し、エアコンの真下を片付けて万が一汚れてもよいようにして掃除を行いましょう。
なお、現在シェアが拡大しているおそうじ機能付きのエアコンは、基本的に素人では掃除ができません。無理に掃除をすると壊れてしまう可能性があるので、掃除をしたい場合は業者に依頼しましょう。

3.エアコンの掃除をプロに頼む場合

  • ファンの汚れがひどく、自分で掃除をしても臭いが消えない
  • おそうじ機能付きのエアコンから臭いがするようになった
  • 5年以上同じエアコンを使っている
  • しばらく使っていないエアコンを使用する予定がある

このような場合は、プロに掃除を依頼した方がよいでしょう。エアコンの掃除は、ハウスクリーニング業者や大手家電量販店などが請け負っています。インターネットで検索すればすぐに業者が見つかるでしょう。1台数千円~1万円代が相場です。複数台頼むと割引サービスを行っているところもあります。なお、おそうじ機能付きのエアコンは通常のエアコンよりも費用が高めに設定されているのが一般的です。
エアコンの掃除をしてくれる業者はたくさんあるため、ネットで一括見積をした上で口コミ評価などを参考にして選びましょう。大手ハウスクリーニング業者や大手家電量販店のクリーニングサービスならば、全国で利用できますので、初めて依頼するという方にはおすすめです。エアコンの清掃依頼は5月末から増え始めますので、4月末~5月中旬か、9月末~10月末あたりに申し込むとよいでしょう。この時期にキャンペーンを行い、代金の値引きをしてくれる業者も多いのです。

4.エアコンの臭いを予防する方法

  • 冷房でエアコンを運転した後は、1時間ほど送風運転をしてから切る
  • しばらくエアコンを使わない場合は、2時間ほど送風運転をしてから切る
  • 冬季、定期的に暖房運転を行う
  • エアコンを使わない季節でも、1か月に1度くらいは送風運転をする

以上のようなことをすると、エアコン内部が乾燥してカビが生えにくくなります。エアコン運転中はタバコを吸わないなどの処置を取ると、タバコの臭い予防にもなるでしょう。

5.エアコンの臭いに対するよくある質問

Q.おそうじ機能付きのエアコンでも、掃除は必要ですか?
A.はい。おそうじ機能も完璧ではありません。定期的にフィルター等は掃除しましょう。

Q.賃貸住宅に備え付けのエアコンは勝手に業者に依頼して掃除をしてもらっても大丈夫ですか?
A.一度管理会社や大家さんに問い合わせてください。物件によっては業者が定期的に掃除をしてくれるところもあります。

Q.エアコンの掃除は自分ですべてできるものですか?
A.不可能ではありませんが、分解や組み立て必要であり、素人が無理に掃除をすると故障の原因となることもあります。無理をせず業者に依頼しましょう。

Q.結露を完全に予防することはできますか?
A.気温差で発生するので、完璧に予防することは不可能です。

Q.エアコン内部にカビ取りスプレーや漂白剤などは使えるでしょうか?
A.故障の原因になるので、やめてください。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回はエアコンが臭う原因やカビ対策・臭い対策などを解説しました。エアコンは使っているうちにどうしても内部にカビや汚れが付着します。健康のためにも定期的に掃除を行いましょう。定期的に業者に清掃を依頼した方が、エアコンも故障しにくくなります。