ハウスダストとは、家の中で発生する微細なほこりの総称です。どんな家でもほこりはあります。しかし、ハウスダストが大量に発生し続けると住人にいろいろな悪影響が出るでしょう。

そこで、今回はハウスダストを放置しておくと現れる症状や掃除の仕方をご紹介します。原因不明の体調の悪化はハウスダストだった、ということも多いのです。また、ハウスダストを掃除したり発生を防いだりするための工夫もご紹介しましょう。掃除が苦手な方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. ハウスダストとは?
  2. ハウスダストが原因で発生する健康被害
  3. ハウスダストを取りのぞくには?
  4. おわりに

1.ハウスダストとは?

ハウスダストとは、家に発生する目に見えないくらいの微細なほこりの総称です。カビの胞子、繊維の破片、ペットの毛、ダニの死骸、花粉などからできており、おそらくどんな家でもハウスダストは発生しています。しかし、ものがたくさんあったり掃除をあまりしていなかったりする家は、ハウスダストが健康に影響を与えるほど発生している可能性があるのです。
掃除嫌いの方は、よく「ほこりで人は死なない」といいます。

確かに、ほこりで棚や家電の上が真っ白になっている、という家もあるでしょう。しかし、ハウスダストは健康に深刻な影響を与えるのです。それはいったいどのようなものでしょうか? 次の項で、ハウスダストが健康に影響を与える理由とその具体例をご紹介します。

2.ハウスダストが原因で発生する健康被害は?

この項では、ハウスダストが原因で起こる健康被害やその理由をご紹介します。かぜが長引くなと思ったら、ハウスダストが原因だったということもあるでしょう。

2-1.ハウスダストで健康被害が起こる理由

ハウスダストは、通常のほこりより何倍も小さいのです。約、0.1ミクロン~0.3ミクロンがハウスダストの平均的な大きさといわれています。つまり、1ミリの千分の1ですね。私たちが呼吸している空気も、雑菌や汚れが皆無というわけではありません。

空気中の汚れは、鼻の粘膜や毛である程度防げます。しかし、ハウスダストは粘膜や毛で防げないほど小さいため、肺の奥深くまで届いてしまうでしょう。その結果、アレルギーの原因になりやすいのです。

2-2.鼻炎や結膜炎などの症状が出る

ハウスダストが原因のアレルギーで、最もポピュラーな症状は鼻炎です。花粉アレルギーでも鼻炎が症状として現れますが、花粉アレルギーの場合は発生する期間が限られています。しかし、ハウスダストの場合は原因が取りのぞかれない限り、いつまでも鼻水が治まりません。
ですから、4月を過ぎても鼻炎が治る気配がないという場合は、ハウスダストアレルギーを疑いましょう。また、目の粘膜に症状が出ると結膜炎に近い炎症が起こります。

2-3.ぜんそくの原因になる

ハウスダストは、小児ぜんそくや大人のぜんそくの原因になります。ハウスダストさえ防げばぜんそくが発症しないというわけではありませんが、ハウスダストが多いところに長時間いると発症のリスクは上がるでしょう。子どもだけでなく大人のぜんそくの原因になるというのがやっかいです。また、アトピー性皮膚炎の原因のひとつにもハウスダストは挙げられています。

3.ハウスダストを取りのぞくには?

ハウスダストは、目には見えないほこりです。では、それらを取りのぞくにはどうしたらよいのでしょうか? この項では、ハウスダストの掃除の仕方をご紹介します。

3-1.基本は整理整頓

ハウスダストは、微細なほこりです。ですから、部屋が散らかっているほどたくさん発生します。特に、カビの胞子はカビが繁殖するほど増えるでしょう。住宅のカビは、押し入れやクローゼットの中にも発生します。ですから、整理整頓をして家の隅々まで目が届くようにしておきましょう。

3-2.繊維製品をできるだけ家の中に置かない

毛が抜ける繊維製品は、ハウスダストの原因になります。ですから、床はフローリングにして、クッションなどは合皮製のものを使いましょう。毛足の長いムートンやフェイクファーのような製品はできる限り置かないようにしてください。

また、ペットを飼っている場合は、嫌がらなければ服を着せましょう。さらに、こまめにブラッシングをして抜け毛を防いでください。

3-3.布団は定期的に干す

布団は、ダニが繁殖しやすい場所です。ですから、定期的に干してダニを退治しましょう。勢いよく布団をたたくとかえって微細なほこりが舞い上がります。ですから、布団をたたくときはなでるようにそっと叩いてください。布団を干すひまもスペースもないという場合は、布団専用の掃除機を使いましょう。

また、シーツや枕カバーは定期的に洗濯してください。汗や皮脂はダニのえさになります。

3-4.ハウスダストは拭き掃除で取る

掃除というと、掃除機をかけるという方が多いでしょう。しかし、ハウスダストは微細なほこりです。ですから、掃除機の排気で空中に舞い上がり、掃除の間中はずっと空中を漂っている、ということが多いでしょう。つまり、掃除機ではなかなかハウスダストは取れないのです。ですから、ハウスダストは基本的に拭き掃除で取りましょう。

おすすめなのは、クイックルワイパーなどの、立って拭き掃除ができる掃除用具です。これなら、部屋の隅々まで簡単にぞうきんがけができるでしょう。また、ハウスダストは人が歩いただけでも舞い上がります。ですから、お勧めの掃除時間は朝起きてすぐか帰宅直後です。部屋の空気が動いていないので、ハウスダストが床に落ちているでしょう。

3-5.空気清浄機を活用する

空気清浄機は、フィルターでハウスダストをからめとってくれます。ですから、できるだけ空気をきれいにたもちたい部屋には、空気清浄機を置きましょう。ただし、空気清浄機はフィルターが汚れていれば効果はありません。ですから、定期的にフィルターは取り換えてください。

また、空気清浄機をかけたからといって、すべてのハウスダストが除去されるわけではありません。散らかった部屋で空気清浄機をかけても効果はないのです。ですから、空気清浄機は掃除をし終わり、整理整頓をした部屋でかけてください。そうすれば、効果を存分に発揮するでしょう。

空気清浄機のまでタバコを吸ったりペットのブラッシングなどをしたりするのもやめましょう。フィルターの寿命がはやまります。

4.おわりに

いかがでしたか? 今回は、ハウスダストが体におよぼす悪影響と掃除の仕方などをご紹介しました。ハウスダストが多い家に入ると、せきやくしゃみが止まらないという方も少なくありません。

また、子どもの場合は皮膚に症状が出ることもあるでしょう。いくら家の中をきれいにしても、幹線道路沿いのお宅の場合は排ガスなどが外から入ってくることもあります。ですから、ハウスダストのアレルギーがあるという方は、家選びのときから注意しましょう。幹線道路沿いやスギやヒノキの林が近くにあるという場所はおすすめできません。

湿気が多い部屋はカビも生えやすいでしょう。ですから、できれば窓が広く取ってあり、換気のしやすい部屋を選んでください。窓を開けたらすぐ前が隣のビルの壁、などという部屋はいくら家賃が安くても遠慮しておきましょう。ハウスダストで健康を害しては元も子もありません。